樋口一葉のレビュー一覧

  • にごりえ たけくらべ

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    ネタバレ

     ここ半年の間に性風俗産業の世界を描いた五社英雄監督の映画や、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(森下佳子, 2025)に親しんだ。なので「今なら読めそう!」と思い再読。——改めて読むと、女性たちの苦しみを実に写実的に描いていてびっくり!

     「にごりえ」は酌婦お力と、お力に入れ揚げて零落した源七の妻 お初の境遇がたまらない。一見お力は〈家〉の外に、お初は中にいて正反対のようだが、女性として〈家〉——男性に搾取されている点で二人は共通している。奪い合い、蔑み合っているようで同じ“地獄”に囚われているという皮肉で悲劇!
     お力の「物思い」とは? 詳細は作中で明らかにされず。書き忘れたのか、

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    2025年08月17日
  • 全集 樋口一葉〔復刻版〕 2 小説編 2

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    原文は、改行されたり、会話文に「」がつけられたり、漢字も新字体に変えてあったりして、非常に読みやすい。注釈もありがたい。お陰で『たけくらべ』を読むことができた。
    巻末の「『たけくらべ』の背景」(岡保生)は、物語の舞台となった大音寺前の様子や、吉原の事情が物語に沿って解説されていて、物語が手に取るようにリアルに理解できた。
    樋口一葉研究の成果の結実として、高い価値があると思う。

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    2024年10月22日
  • たけくらべ

    匿名

    さすが高く評価されている文豪だなと思った。にごりえが特に好き。早くに亡くなったのが本当に惜しまれる。

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    2024年07月13日
  • にごりえ・たけくらべ

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    ネタバレ

    不定期で読む古典の名作、今回は樋口一葉・たけくらべ。明治時代の言葉そのもので読めるか?読めるわけがない。。。あらすじを読み2回目-->分かるわけがない-->現代版を読みこれこれ!ということで現代版で理解できた。親の職業によって美登利は花魁、信如は坊さんとなる運命である。この2人の噛み合わない恋心が何とも言えず切ない。吉原に行く美登利が門扉に見つけた水仙の花。信如は美登利に恋心を伝えたが時すでに遅し、2人は永遠に面と向かって恋心を伝えることができない運命だった。親による職業が決まるってなんて不条理なんだ。⑤

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    2022年10月31日
  • にごりえ・たけくらべ

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    一葉が漱石・鴎外に比べて(たぶん)読まれていないのは、その文体がハードルだからだろう。かくいう私も、一葉は本書が初めて。長時間移動する機会ができたので(つまり、他に読むものがないので投げ出せない)、挑戦してみた。

    案の定、細部まで追うのには苦労したが、短編なのでとりあえず最後まで読み切る。で、また重要な箇所を読み返すと、だんだん理解が深まった。ネット上にはあらすじ紹介もあるので、後でそれで確認することもできる。

    肝心の内容だが、文体の美しさや女性を描いたことの意義は言うまでもなく、展開の巧みさを感じた。なので、先ずは予備知識なしに読む方が、読後の印象は深まると思う。所収作のなかでは「十三夜

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    2022年09月20日
  • 小説集 吉原の面影

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    あなた、私の心が見えましょう

    鏡花目的で購入したけれど、この編集考えた人天才。永井荷風の随筆と、そこで紹介された3作品を収録している。
    でもやっぱり鏡花が最高。
    同じテーマでも圧倒的に美しく、優しく、悲しくて幻想的。
    江戸っ子言葉も読んでいてたのしい。

    たけくらべは川上未映子の新訳がでているからそちらで読む予定。昔一回読んだけどあんまり記憶にない。
    あと、雅文が読めないのです。
    広津柳浪は会話が軽快でとても読みやすかった。

    この辺りは田んぼだったとか、今は残っていないお稲荷様とか、昔の浅草を想像して読むのがとても楽しかった。今はもうほとんど面影はないけど、土地勘ある人にはぜひ、みんなにす

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    2021年07月13日
  • にごりえ・たけくらべ

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    週間新潮「黒い報告書」シリーズの原点はこれか「にごりえ」、新派が上演しそうな「十三夜」は調べてみると「大つもごり」とともに新派の演目にちゃんと載っている!、そしてこれぞ珠玉の名作「たけくらべ」、一葉の肖像がわが国紙幣に採られたのもむべなるかな、参りました。

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    2017年07月07日
  • にごりえ たけくらべ

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    実は、しっかりと読んだことがなかったのです。にごりゑ、たけくらべ、なんというか、その叙情性、切り取られたカットごとの深い印象、吉原の女性を取り巻く悲哀が描き出されています。天才紫式部が見透し、愛惜の念を持って描き出した平安の世の女性の行く末を彷彿とさせる傑作。特に、たけくらべで、美登利が信如の後ろ姿を「何時までも、何時までも、何時までも」見送るシーン、淋しく雨に濡れる紅入り友仙、霜の朝に差し入れられた水仙の作り花の各シーンが、まるで映画のワンシーンのように、決して交わることのない男女の行く末を哀しくあぶり出して、独りでに涙が出ます。

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    2016年11月11日
  • にごりえ・たけくらべ

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    貧にまみれた切々とした話だが、不思議に読後に寒々としたものはない。人情が書かれているからだろうか。句読点が少なく、カギかっこもないので読みにくいが、次第に慣れる。音読するとわかりやすい。今はあまり使われないわかりにくい言葉には注解ついているのでありがたい。

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    2016年10月09日
  • にごりえ・たけくらべ

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    文語体の文章が美しく、声に出して読んでみたくなる。一葉の描く明治の女性は、決して幸福ではなく、むしろ眼前に開ける未来は暗いのだが、格調高い文章のせいか、女性の姿がほの明るく感じられる。
    (2015.10)

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    2015年10月23日
  • にごりえ・たけくらべ

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    独特の文体➕江戸言葉と奮闘しながら読みましたが、結果、樋口一葉の大ファンに。鉛筆で句読点と鍵カッコをつけながら、分からない単語は辞書でひいて、何だか外国語の本を読むような作業。意外と楽しかった。各話とも日本らしい、余韻を残す終わり方が良かった。

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    2014年09月02日
  • にごりえ・たけくらべ

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    文章が秀逸。リズム感といい、恰好良さといい。またセンチメンタリズムな展開も見事です。
    一方で解説も合わせて読むと、いかに(樋口一葉自身の状況に照らし、悲しさも織り込んだ)リアリズムに富んでいるかも分かります。

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    2013年11月05日
  • にごりえ・たけくらべ

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    叶わない恋の話ばかり。
    でも、それでも人生は続いていったというところに思いを馳せれば、がんばって生きておかないとな、と思うに至ります。

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    2013年07月07日
  • にごりえ たけくらべ

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    思わずため息をついてしまうくらい清廉として、そしてどこかほの暖かい日本語で書かれているなと感じました。

    ろうそくの光のような雰囲気を持った日本語。

    柔らかく、どこか輪郭のぼやけた先には深い闇もあって…はっきり見えない霞の向こうを知りたいような、知らずにいた方がいいような…曖昧さが心地よく、そして物悲しい。

    『にごりえ』はストーリーがよく分かったのに、『たけくらべ』はイマイチお話についていけなかったのは何故かしら?

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    2012年12月26日
  • にごりえ・たけくらべ

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    最初は読みにくかったが、慣れると、流れるような文体に圧倒される。

    今も昔も、男女は変わらないのね、と考えさせられるお話。

    あと、樋口一葉ってちょっと思い込みの激しい女性だったのかな、と思わせられる一文も。

    しかし、樋口一葉は昔の女性にしては相当気が強い方だったんでしょうね。

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    2012年08月26日
  • にごりえ・たけくらべ

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    流麗に縷々として続く文章は、その一筆書きのようなスケッチによって、驚くほど的確に描写していく。

    その言葉の美しさはもとより、因果の説明をかほど大胆に消し去れるとは。
    しかも今から百年以上も前に!

    言葉自体は文語だけれど、内容はほとんど現代小説の、しかもかなり優れたものだ。
    現代の小説は、『夜明け前』はもう書けないが、「樋口一葉」はまだ書けない、のかもしれない。

    それほどまでの、奇跡。

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    2012年06月09日
  • たけくらべ・にごりえ

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    ネタバレ

    NHKのテレビ番組のJブンガクを見ています。
    2010年の8月に にごりえを紹介していたので読み直しました。

    相手はいくらもあれど一生を頼む人が無いのでござんす

    というくだりを

    Sure, I have loads of admires - but no one I can trust my life to.

    と訳していました。 最後のtoは思い至りませんでした。

    へー,そう訳すんだと
    にごりえ の中身と英語の勉強になりました。

    英語にしてみるとにごりえ の良さと日本語の良さを再認識できることが分かりました

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    2012年03月21日
  • にごりえ たけくらべ

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    ネタバレ

    NHKのテレビ番組のJブンガクを見ています。
    2010年の8月に にごりえを紹介していたので読み直しました。

    相手はいくらもあれど一生を頼む人が無いのでござんす

    というくだりを

    Sure, I have loads of admires - but no one I can trust my life to.

    と訳していました。 最後のtoは思い至りませんでした。

    へー,そう訳すんだと
    にごりえ の中身と英語の勉強になりました。

    英語にしてみるとにごりえ の良さと日本語の良さを再認識できることが分かりました

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    2012年03月21日
  • にごりえ・たけくらべ

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    九州大会で3位に入賞したときの朗読作品。
    これのおかげで、いろんな人に覚えてもらって、「古典の声」なんて言われたりして、印象深い作品。
    現代文ではないので朗読しづらいのだけど、プロが読むのを聞くと、日本語の美しさを理解できる。

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    2012年03月04日
  • にごりえ・たけくらべ

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    「と」の識別とか受験生の時にやったなぁ。まったく覚えてなかった。でもそれを思い出してからはようやっと読めるようになった。

    うまく言えないけどすごく好き。たけくらべのせつなさは現代の小説ではなかなか出せないと思う。今までよんだ近代小説と違って登場人物に好感が持てる感じが良かった。

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    2011年12月02日