新井潤美のレビュー一覧

  • ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

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    18世紀から20世紀にいたるイギリスのアッパークラスとアッパーミドルクラスの生活、教育などを小説(新しいところはアガサ・クリスティ―まで)などを題材に開設したもの。
    大陸の貴族と最も違うところは、長子相続が一般的であること。広大な屋敷の維持にお金がかかり、女子の教育はないがしろにされがち。それでもお金が足りないので、19世紀になるとアメリカの新興富豪(古くからの富豪の輪にはいれてもらえない)の娘と結婚したり、と、なかなか涙ぐましい。
    イギリスの小説が好きな人は是非。

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    2025年06月18日
  • ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

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    これまでアッパー・ミドルについての本を何冊も出してきたが、とうとう本丸のアッパー・クラスへ乗り込んだ。記述が明快・明晰、しかも精悍、迷いがない。
    とくに、カントリーハウスと相続問題、アメリカの富豪の娘との結婚、子女の教育の章が興味深い。アッパー・クラスはつらいよ、かな。
    イギリス王室やイギリス貴族についての理解が深まったし、本書を読んだからには、シェイクスピアやオースティンなどの作品の読みにも厚みが出るに違いない(そうであってほしい)。

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    2025年05月05日
  • おだまり、ローズ:子爵夫人付きメイドの回想

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    とても読みやすくて、ローズとレディ・アスターとのやり取りが面白いだけでなく、暮らしぶりも非常に興味深かったです。ボリュームがあるのに退屈なところがなく、読み応えがありました。

    レディ・アスターが飼い犬にチョコレートをやっていたという記述がありましたが、犬にチョコは厳禁なのに……と、そこはちょっと気になりました。

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    2025年05月01日
  • 日本文学史 近代・現代篇八

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    「月に吠えらんねえ&たんねえ」を読んでいた身としては、オールスターズ状態で、今更ながら、文学史上ではこういう人だったんだなと勉強になる。現代日本における口語自由詩の活況状況を見ると、「西洋に追いついた」という言葉だけ見るとにわかに信じがたいものがあるが、こうしてみると、たった百年の間にここまで個性豊かで皆の印象に残っている詩がたくさんあるということは、実はかなり芳醇な環境にあったんだと納得させられた。

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    2024年11月22日
  • ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

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    知っているようでほとんど知らないイギリス上流階級。

    彼らは一体いかなる存在なのか。

    貴族の称号はどのような仕組みなのか、遺産相続の仕組みはどうなっているのか、カントリーハウスの成り立ちや今それをどのように維持しているのかなどなど、刺激的な情報が満載です。これは面白いです!イギリス文化を知る上で非常に興味深い作品です。ぜひぜひおすすめしたい1冊です。

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    2024年08月18日
  • ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

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    アッパークラスについてよく理解できた。
    世界広しといえど、どの国にも身分の違い、格差や差別というのは当然にあるという、当たり前のことを再認識した。人間が存在する限り、たとえ資本主義が崩壊してもこの仕組みは存在し続けるだろうと思う。

    人が人である限り仕方ないことだと、それを承知の上で今自分がどのようにして生きるか。なんてことまで考えさせられすごく「為になる」本でした。

    これとブレイディみかこさんの本も読むと、イギリスという国への興味が尽きなくなります。

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    2023年04月07日
  • ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

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    今の知識レベルでは、なかなか太刀打ちできない難しさ。

    同著者の、『〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで (講談社学術文庫)』は、わりとわかりやすく書かれていたのだが、アッパークラスともなると、掴みにくい所があるかもしれない。

    日本とは異なる貴族制度であるために、なかなかイメージしづらく、付け焼き刃の知識では耐えられないことを思い知らされました。

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    2022年02月25日
  • 〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで

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    英国紳士と言われると、スーツを着こなす、表紙の絵のような物腰柔らかな人物を想像していました。

    しかし、彼らの中には、はっきりと階級を意識した、均一化した世界があるのだと冒頭で著者は述べています。

    「紅茶にミルクを入れるタイミング」などの細かいところまで異なる社会は、想像できませんが、それは差別的なものではなく、あくまで「階級に応じた振る舞い」だそう。

    しかし、その階級の中でも、「ミドルクラス」は幅が広く、ロウアー(下流)とアッパー(上流)のあいだでは、歴史的に大きな溝があり、アッパーに憧れる「ロウアーミドルクラス」はいつも嘲笑の対象となっていたようです。

    『「ロウアーミドルクラス(下

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    2020年12月22日
  • パブリック・スクール イギリス的紳士・淑女のつくられかた

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    非常に勉強になった。与党が変わるたびに教育のあり方(パワーバランス)が変わるっていうのは日本ではあまり考えられないこと。
    文中で引用されていた本にもおもしろそうなのがいっぱい。ただ、日本では訳されていないものもあり残念。検索の問題かもしれないので、巻末リストに原書だけでなく日本発行の題名も付けてくれたら、なおうれしかった…というのは単なるわがままですが。とにかく日本語で読めるものは読んでみたい。
    また、自分が行っていた私立校はどの階級に属していたのか知りたいと思った。

    本書を読んだ後に「美しき英国パブリック・スクール」を読むとイメージが湧きやすく理解が深まる。

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    2017年05月09日
  • おだまり、ローズ:子爵夫人付きメイドの回想

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    子爵夫人の生活ってどんなものだろうと思って読み始めたんですけど、もう登場人物がみんな生き生きしていて昨日のことのように語られているんですよね。アスター夫人にお仕えするのは大変だろうな……って思うけど、本当に鮮烈な魅力がある。

    ローズが心から奥様を慕っていたんだなって随所から感じられるところがとても好き。

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    2025年08月04日
  • パブリック・スクール イギリス的紳士・淑女のつくられかた

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    ハリーポッターを代表するイギリスの青少年を主人公とする物語には必ずと言っていいほど登場する全寮制の中等教育学校ーいわゆるパブリック・スクールについての解説書。
    日本でも最近になって海陽学園などパブリック・スクールをモデルにした学校がフォーカスされたりしたものの、依然として数は少なく、そしておそらくこれからも増えることはないだろう。だからこそ新しい世界を見た感じがあり面白い。
    本書ではそんなパブリック・スクールが形成された経緯や「紳士的な教育」がどのような変遷を遂げたか、また女子のパブリック・スクールにおける特徴など様々な視点から解説を行なっている。パブリック・スクールを扱った小説がパブリック・

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    2025年03月23日
  • ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

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    イギリスの学寮舞台のミステリ読んでて、いまひとつピンとこなかったあれそれが、なるほどそういう仕組みになってるのか!ってのが分かって良かった。
    また、ややこしい貴族の呼び方(称号)についても(デュークなのかロードなのか…)一覧でわかりやすくまとまってて良いですね。
    比較文学の研究をされてるだけあって、いろんな作家の作品から例示されながらの解説なのでとてもわかりやすいし、実際その本を読んでみたくなる、ブックレビュー的にも面白い一冊でした。

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    2023年05月02日
  • 〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで

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    筆者の経験と新聞や当時の小説、テレビドラマから見えるイギリスにおける階級意識について読み解いていくのは面白かった
    一言にミドルクラスと言ってもその中も複雑なんだなと

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    2022年11月01日
  • ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

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    イギリスの貴族制度に詳しい著者による、イギリスの上流階級、中上流階級に関する本。「ダウントンアビー」などのドラマをはじめ、新聞報道や文学作品、回顧録、伝記などを基に、それぞれのシーンの意味や背後にある階級制度について詳しく説明している。とても興味深い。今でもイギリスでは、王室や貴族を中心とした、上流階級の存在感が大きいことがわかった。

    「イギリスの貴族の称号はかなり複雑で、その細部まで頭に入っている人間は少ないだろう」p32
    「イギリスの貴族がヨーロッパの貴族と違う最も大きな点は、爵位が長男にしか継がれないことかもしれない」p36
    「イギリスの文化においては、知識や教養があっても、あるいはス

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    2022年05月04日
  • ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

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    イギリスの上流階級(アッパー・クラス)は、イギリスのみならず、多くの人の興味の対象である。イギリスの歴史を作り、文化の源となり、彼らの礼儀作法が社会の行動規範となってきた。
    一般人にとっては「雲の上」の人々。好奇心やロマンを誘う存在でもある。

    著者は、英文学・比較文学の研究者。
    18世紀以降の英国上流階級の実態を文学作品などから紐解いていく。
    それは実のところ、そんなに楽でもないようで・・・。

    アッパー・クラス(upper class)はnobilityとも言われる階級で、爵位のある貴族だけでなく、「ジェントリ」と呼ばれる地主も含む。爵位は、君主が新たに授与する(主に政治的理由から)ことも

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    2022年04月28日
  • 〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで

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    英国における中産階級(ミドル・クラス)の生態を知る。同じミドル・クラスでも、アッパー・ミドル・クラスとロウアー・ミドル・クラスの溝が深い。元々ミドル・クラスの美徳だった「リスペクタビリティ(勤勉、清潔、礼儀正しさ、質素、純潔)」も、悪い意味でロウアー・ミドル・クラスの属性と見なされる。内容は興味深いが、実際こういう階級意識の中で育ったとしたら……。これから読む英国小説の隠し味になりそうな一冊。

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    2021年03月29日
  • 魅惑のヴィクトリア朝 アリスとホームズの英国文化

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    ドラマや小説などの文化面でも島国根性というか内輪感があるんだなー、と思いました。
    日本も島国だから排他的というかそういうところはあるかも。

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    2019年07月26日
  • 魅惑のヴィクトリア朝 アリスとホームズの英国文化

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    ルイス・キャロルの性癖は有名ですが、
    当時はグレーだったことがわかりました。
    遺族が紛失させた日記にはなにが書かれていたのか

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    2019年01月13日
  • 英語の階級 執事は「上流の英語」を話すのか?

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    何となく、著者はお嬢様学校に行ったのでアッパークラスびいきなのかな、という印象を持った。自分のような日本生まれ日本育ちの平民には縁の無い話だ。

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    2024年10月31日
  • 魅惑のヴィクトリア朝 アリスとホームズの英国文化

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    ディケンズやらドイルやら、未読をなんとかしなくちゃと思わせるが、皆詳しい解説書は数多だろうが、掻い摘んで軽く読み飛ばせる紹介もの。

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    2023年06月27日