ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級

2,178円 (税込)

10pt

4.4

「高貴な人々」のイメージ・誤解・実情

イギリスの20世紀以前の小説や演劇には、アッパー・クラス(貴族だけでなく、ジェントリと呼ばれる地主を含む)の人物が必ずと言ってよいほど出てくる。それは、彼らが政治だけでなく、文化の形成にも大きな役割を占めているからである。イギリスの国民性とされるもの、たとえば冷静さも、もとはアッパー・クラスのものだという。
彼らは、長男がすべて受け継ぐ相続制度によって爵位と土地を守ってきた。一方でこの制度は、相続する長男にも、もらえるものがはるかに少ない次男以下にとっても、それぞれに苦労をもたらした。そしてそうした苦労が、しばしば文学や芝居のテーマともなってきた。
では、アッパー・クラスの人々は、イギリス国内でどういうイメージをもたれ、その裏側にはどういう苦労や事情があったのか? 財産を維持する手段としての結婚、知的でないと言われてきた彼らの教育、次男以下の職業事情、そして奇人伝説の裏話までを、本書は文学や著名な人々の例を通して、背景事情とともに読み解いていく。人気のweb連載に大幅加筆のうえ、イギリス人ですらしばしば間違える、貴族の称号の複雑なシステムの一覧表を収録。

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ノブレス・オブリージュ イギリスの上流階級 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年04月07日

    アッパークラスについてよく理解できた。
    世界広しといえど、どの国にも身分の違い、格差や差別というのは当然にあるという、当たり前のことを再認識した。人間が存在する限り、たとえ資本主義が崩壊してもこの仕組みは存在し続けるだろうと思う。

    人が人である限り仕方ないことだと、それを承知の上で今自分がどのよう...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年02月25日

    今の知識レベルでは、なかなか太刀打ちできない難しさ。

    同著者の、『〈英国紳士〉の生態学 ことばから暮らしまで (講談社学術文庫)』は、わりとわかりやすく書かれていたのだが、アッパークラスともなると、掴みにくい所があるかもしれない。

    日本とは異なる貴族制度であるために、なかなかイメージしづらく、付...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月28日

    イギリスの上流階級(アッパー・クラス)は、イギリスのみならず、多くの人の興味の対象である。イギリスの歴史を作り、文化の源となり、彼らの礼儀作法が社会の行動規範となってきた。
    一般人にとっては「雲の上」の人々。好奇心やロマンを誘う存在でもある。

    著者は、英文学・比較文学の研究者。
    18世紀以降の英国...続きを読む

    2

    Posted by ブクログ 2023年05月02日

    イギリスの学寮舞台のミステリ読んでて、いまひとつピンとこなかったあれそれが、なるほどそういう仕組みになってるのか!ってのが分かって良かった。
    また、ややこしい貴族の呼び方(称号)についても(デュークなのかロードなのか…)一覧でわかりやすくまとまってて良いですね。
    比較文学の研究をされてるだけあって、...続きを読む

    1

    Posted by ブクログ 2022年05月04日

    イギリスの貴族制度に詳しい著者による、イギリスの上流階級、中上流階級に関する本。「ダウントンアビー」などのドラマをはじめ、新聞報道や文学作品、回顧録、伝記などを基に、それぞれのシーンの意味や背後にある階級制度について詳しく説明している。とても興味深い。今でもイギリスでは、王室や貴族を中心とした、上流...続きを読む

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