山岸明彦のレビュー一覧
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宇宙の始まりから現在までを元素視点で語る壮大な本なのだが、、、
印象に残ったのは「タコは脳が9つある」とかそういう話。
身近だけど知らないことたくさんある。
人の脳細胞を「記憶媒体」として計算する視点も面白かった。
「1細胞の質量(約2ナノグラム)には、およそ60億ビットの情報が保存されている。」とのこと。
SDカードと比較すると「質量当たりの記憶容量では、ヒトの細胞のほうが大きい。」だそうだ。
例えば自分みたいなアホで勝手に消去される媒体でも同じ容量判定でいいの?というのは野暮な感想なのか。
動物や植物は火を入れると細胞壁が軟らかくなり、咀嚼・消化されやすくなる
→あごの筋肉を最小限にで -
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ドレイクの方程式。
フランク・ドレイク博士が提唱した、銀河系の中に、地球外知的生命体による文明がどれだけあるかを概算する公式。
N = R × fp × ne × fl × fi × fc × L
Nは銀河系内にあると推定される、電波による通信技術を持つ文明の数
R :銀河系内において恒星が誕生する速さ(1年間に恒星が誕生する数)
fp:恒星が惑星系を持つ確率
ne:一つの恒星が持つ生命に適した惑星の数
fl:生命に適した惑星から実際に生命が発生する確率
fi:発生した生命が知的生命に進化する確率
fc:知的生命が電波通信が可能な文明を持つ確率
L :高度な文明が存続する時間の長さ
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ネタバレ9つの論点(観点)から地球外生命はいるのか、そもそも生命が誕生するとはどういうことか、地球上での不思議な生物や進化について書かれた本。個人的に、宇宙人はあまり信用ならないが、微生物や、原生生物のようなものなら宇宙に広くいるような気がする。
自分の専門の生物系の話以外では、星間分子の話が一番好きやった。
「酢酸」が見つかっているってなかなかすごい。スペクトル見ながら、「お!酢酸やん」ってなってる様子がわくわくする。
この本で唯一気になったのは、地下生命圏に微生物はいるが、動植物は0という表現。植物は0かもしれんが、センチュウは動物やし、地下深くにもいるはず。 -
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地球における生命の誕生について、海中説と陸上説で異なる見解の二人が、対論を通して、生命の定義から宇宙生物の存否まで議論を進める。生命のメカニズムに自論を展開する両者は、真実が究明されない中、結着点は見出せないが、各説の説得性は読者に委ねられる。テーマが地球外生命に移行後は、太陽系内のエンケラドス(土星の衛星)やエウロパ(木星の衛星)の地表下に海の存在が可能視され、未知の生物への期待が膨らむ。さらに知的生命体の探索に向けた取り組みが紹介されているが、いずれも時間軸では、生きている間には結論を得られない虚しさが残る。この手の話題は、夢物語の範疇から抜け出せないのが残念である。
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LUCA(Last Universal Common Ancestor)と呼ばれる地球上の全生物の共通祖先が、深海の熱水活動域で生まれたのか、陸地の温泉で生まれた後、深海に移動したのか、それぞれの違う立場の研究者が討論する面白い本だ.p67に図示してあるようにLUCAが約38億年前にシアノバクテリア、大腸菌などの真正細菌に分かれ、約24億年前に古細菌と真核生物が分離した由.この真核生物から動物や植物が出現した.両者の対談では、LUCAの元となったものは地球にあったのか、隕石のように外からやってきたのか についても議論している.生命の定義として、幕を持つこと、代謝すること、複製・増殖すること、進
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既に天体観測技術の進歩によって、推定まで含めて約3000の太陽系外惑星の存在が確認されているらしい。
地球外生命というと、下手をすると地球外文明≒宇宙人≒チャネリング≒スピリチュアルなんとかみたいな胡散臭い筋に突入してしまうものも少なくはないのだが、この本で論じられていることはあくまで地球外「生命」であって、地球外「文明」ではない。
主要な論点として極限生物、RNAワールド説、星間物質の検出、太陽系外惑星の観測など、現状の研究から飛躍の無い範囲で考えていく、非常に興味深い本である。
地球外生命はSFとして非常に興味深くて面白くなるテーマであるのだが、SFじゃない現実の可能性としても -
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天文学者や物理学者は、宇宙のあまりのスケールに存在を疑う特別な理由を見出さず、一方生物学者は生命の神秘さに魅了されるあまり存在を疑う。
かつては口にだすのも躊躇うようなアヤシイものだったのが、現在では地球外生命を科学的な対象として扱うのにタブーとはされなくなった。
私自身は、実感すら持てない途方も無い宇宙のスケール的に、敢えて否定的になる理由を持てないので、多分いるだろうと思っているが、やはりちゃんとしたデータと推論で議論できるようになってきたのが面白い。まぁプリミティブなカタチでの生命はどこかにはまずいるんじゃなかろうか。
問題は、知的な生命がいたとして、わざわざ膨大な労力(エネルギー)を使 -
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これからはアストロバイオロジーの時代。生命の本質が明らかになっていない部分がある以上、現在のバイオロジーは地球生物学で、まだ本当の意味でのバイオロジーにはなっていない。
地球外生命はいないだろうではなく、いたとしても文明が短かったり、宇宙は広いためある程度予測して探査しなければならず我々が見つけられていないだけという可能性もあり、出会える確立は低いということだが、宇宙を調べれば地球外生命が存在するかもしれない、もしくは生命の起源や進化の解明に近づけるかもしれない可能性を秘めている。
アストロバイオロジーが発展し研究が進むことで、新たに分かることも出てくるだろう。アストロバイオロジーの今後の最新 -
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2人の意見は常に平行線で、お互いの批判を受け入れて第3の意見が出てくることはない。最初はもどかしく、不毛な議論に見えた。でも、それだけの印象に終わらせるのはもったいない。
意見が合わないことを前提として読むと、いろんなトピックが、お互いに補完しながら説明されていて、わかりやすく、おもしろかった。
「生命は地球産の材料でできてるらしい」という事実ベースの話をした後で、「宇宙起源の有機物が生命誕生に大きな役割を果たした可能性は大いにある」と主張するところが面白かった。
わりとロマンチスト。宇宙由来のなにかで生命が誕生したのでは、という素朴な疑問。事実から導き出される話だけでなく、素朴な感覚を持ち -
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9人の最先端な科学者が、それぞれの専門領域から地球外生命あるやなしやを論じてくれる一冊。
「SFの世界でのお話に過ぎないと思われがちだった地球外生命は、いまや科学の最先端にある重要なテーマとなっています。」
光合成の成り立ちを延々と書いて地球外生命の話はちょっとだったり、
アミノ酸が非人為的にどうやって合成され得るかを延々と書いてみたり、
地球の極限環境の生命についてだったり、
色んな観点で、いないと思うよとか、いやいるよとか話を聞かせてくれる。
一見、地球外生命の話としては回りくどいようにも思えるけど、その実すっごく直接的に生命発生についての話になっていて、つまりすっごく面白い。
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生物学者や天文学者が集まったシンポジウムを土台にしたアンソロジー。「9の論点」とあるが、論点がはっきり9つあるんじゃなくて9人集まったから「9の論点」にしたみたい。
どちらかといえば物理学者に地球外生命肯定派が多くて、生物学者に否定派が多いらしい。しかし系外惑星が次々と発見されたり、太陽系内でも生命が存在しうる環境が見つかったりする中で、徐々に肯定的な見方が増えてきて、学問として成立するようになった。でも、まだ知的生命の存在までは簡単には考えられない。
フェルミのパラドックス:広大な宇宙には知的生命が他にもいそうなのに、誰も人類にコンタクトしてきていないのは何故か?
電波で何光年もの距離を -
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生命は海底で生まれた説っててっきり「定説」だと思っていたので、別の説もあることは興味深い。
あと地球以外に知的生命体がいるとしたら人間に似ているのではないかという説にはちょっとがっかりだなあ。なんかまったく別の姿であってほしいと個人的には願う。
細かな点なんだけど、哺乳類が恐竜に代わって繫栄した要因の一つに「歯の形」を挙げていて、恐竜は肉を引きちぎるのに特化しているが哺乳類はすりつぶすこともできる(すりつぶした方が栄養の吸収率が高い)って話があったんだけど、それって肉食恐竜だけにあてはまる話なのでは?草食恐竜はどうなんだろう。事実はよくわからないけど、なんかもやもや。