柴門ふみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人間っていろんな思考回路と無意識を持っていて、それをコントロールしたり、できなかったりしながら生きていると思う。それプラスに記憶とか嗜好とかがまざりあってくる、それがどんどん積もっていって傷になったり思い出になったりするんだろう。それを抱えた問題児たちのお話。
人間の心理描写がとても上手で、「あるある」とか「いるいる」っていう気持ちになれた。全員に重なるところがあるという、非常に人間らしく、多少過剰ではあるものの、わざとらしくないところまで物語が作られているところが好感。ツッコミどころもあるんだろうけど、まぁそういうのは仕方ないよね。それよりも物語性のほうが強烈なので、気にはならないかも。 -
Posted by ブクログ
多分、読んでたのは高校時代ぐらいかな。
この作品で、柴門 ふみが好きになったのでした。
すごい名作だと思った。
多分、1巻しか読んでないです。
で、すぐに世間から忘れ去られていった物語です。それもそのはず、やっぱりものすごく時代とリンクした作品です。
今、こうやって読んでみると、あの頃に感じたような切実さは、感じない。あの頃は、ほんとうに、ゆりが純情な子だと思っていたし、ゆりの孤独にシンクロしていた自分がいたのですが、今読んでみると、けっこう、ゆりってしたたかかも。
でも、やっぱり、
「歌うことだけがあたしの存在の証明なのだから/あたしは歌い続けてやる」
という台詞には泣けてきた。