乙野四方字のレビュー一覧
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ネタバレ物語としては凡庸。ただその一方で考えさせられるフレーズがいくつか。
「並行世界」≒「この現実における、未来への可能性」と置き換えて考えると、非常に興味深い。
この先のあらゆる可能性も、抱きしめて歩めるだろうか、と考えさせられた作品。
p.232「僕は君を、可能性ごとすべて愛する。1%の不幸も含めて、今度こそ」
p.251「こんなに素敵なことはないじゃないか。僕は自分が、知らない人の幸せを喜べる人間であることを、とても幸せに思う」
「僕が愛したすべての君へ、この喜びを伝えたいんだ。君がいてくれたから、僕は今、こんなに幸せですって」 -
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昨年秋の2部作当時公開映画の続編、とゆーかパラレルストーリー。僕愛、君愛どちらも映画館で見て、その主人公の女の子の1人のパラレルストーリー。通常世界では出会わなかった人と運命の出会いをし、結婚し、添い遂げるなんて、やっぱり何か夢があっていいなと思ってしまう。今の世界の平行線上にもう一つの世界があって、そこでは、全く別の人が自分にとって大切な人になっている。どちらも本物の愛。主人公が年老いて、もう1人の運命の人とお互い知らない者同士で、偶然出会い、会話をするシーン。切ないでも素敵だなと思う。元々映画が終わってすぐにこの本を買ったのだけど、なかなか読めず3月になって2日に分けて一気に読んだ。良いお
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ネタバレ本編を映画で2本とも見たので、スピンオフ版を読んだ。
本編の内容は、ざっくり言うと並行世界の存在が公認されている世界で、パラレルシフト(並行世界の移動)の事故により交差点の幽霊になってしまった栞を助けるべく主人公の暦が奔走するという物語だ。結局、暦が出した結論は「栞と自分が会わない世界線に行くこと」だった。
この小説は暦と出会わなかった世界線の栞の物語だ。タイムシフト(時間の移動)をしてまで栞を助けようとしたことが、正しかったのかどうか映画では分からなかったが、この小説では暦も栞も自信を持って「今、私は幸せです」と答えていて、本当に良かったと思った。 -
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★4.2/5.0
僕君の後に君僕を読んだ。
両方読んだ時に初めて、僕君を読んだ時の謎が解けた気がした。
僕君に比べると少々胸が苦しくなる内容ではあった。
君僕→僕君の順では読んでいないからハッキリとは言えないが、僕君→君僕の順で読むと、どことなく切ない気持ちにさせられた。
母親、父親、どちらについて行くかでこんなにも人生は変わるのか、と思ったし、暦と栞、それから和音のそれぞれの想いに感情移入せずにはいられなかった。
言葉にするのはかなり難しいけど、僕君、君僕と読み終えたが、また僕君を読み返したいと思ったし、多分僕君を読み終えたら君僕もまた読み返したいと思うんだろうな、何度も繰り返し読みたくな -
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