あらすじ
人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された世界――両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦(たかさき・こよみ)は、地元の進学校に入学した。勉強一色の雰囲気と元からの不器用さで友人をつくれない暦だが、突然クラスメイトの瀧川和音(たきがわ・かずね)に声をかけられる。彼女は85番目の世界から移動してきており、そこでの暦と和音は恋人同士だというのだが……並行世界の自分は自分なのか? 『君を愛したひとりの僕へ』と同時刊行
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Posted by ブクログ
以前君を愛したひとりの僕へから読み、
記憶が曖昧になった今
こっちから読んでみています。
この一冊だけでも幸福感が溢れた。
この後の展開はどうなるのか楽しみ。
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とても楽しく読めた。マルチバース世界の自分やパートナーをどう受け止めるか、というテーマをとても丁寧に扱っていて、なるほどな…と思わせてくれた。対になる小説があるようで、そちらの紹介文と終章を読む感じだと、ストーリー展開が少し予想でき、面白そう。
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君愛に比べ、だいぶ落ち着いて読むことが出来ました。しかし、並行世界の移動による障害や倫理観を考えさせられるようなお話でした。僕愛から呼んだのでハッピーエンドです。栞が幸せでよかった!
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2年前に見た映画の原作本。
君愛を読んでから僕愛を読んだのだが、やはりこの順番でよかったと思う。
可能性ごと愛する。というのが、2年前はよくわかっていなかったが、今は理解できるし、理解出来ることによってより深く共感できる。
人は小さな環境の変化や些細な出来事によってこんなにも異なる人生を歩むのだと感じさせられた。
君愛の暦と僕愛の暦、どちらが幸せな人生だったんだろう。きっとどちらも、この上なく幸せだと感じていたんではないかと考えて、私まで幸せな気持ちになれた。
やっぱりこの作品が大好きだ。
Posted by ブクログ
自分の生きる世界と同じ時間軸で並行世界が存在していることが日常のお話。
一番心に刺さったのが「全然知らない人が幸せであることが、僕はこんなにも嬉しいことなんだ」という一文。
人それぞれ幸せを感じる瞬間は異なるのだろうけど、自分以外の誰かの幸せを喜べるくらい自分に余裕がある人生を生きたいと思える作品だった。
もう一つの作品も読もうと思う。
Posted by ブクログ
友人が君愛→僕愛の順で読んでたから
私はこちらから先に読んだ。
【僕愛だけ読んだ感想】
・並行世界の自分は自分なのか。
・並行世界はこの世界で選ばなかった”未来への可能性”
さっきまでここにあったのにと思うことが私も多々ある。私たちは並行世界を常に行き来しているという概念が非現実的だけど、それもあり得るのかもって思えて面白かった。
「君を愛したひとりの君へ」を読むのが楽しみ!
この作品は2冊読んで1つのお話だと思うので
もう一つの方にちゃんとした感想を書こうかな。
【追記】
私的にはこっちから読んだ方が面白いんじゃないかなって思った。記憶を消して逆からも読んでみたいな。
Posted by ブクログ
2024.1.17 ☆9.3/10.0
"「99%の幸せが、残り1%の不幸で出来てるとしたら・・・私たち、どうすればいいんだろうね。幸せなままでいいのかな」
「・・・・分からないけど、幸せになってしまった以上は、幸せであるべきだと思う。そうでないと、1%の不幸も報われない.....って、これはきっと僕たちが幸せだからこそ言えることなんだろうね」
1%の不幸が、99%の幸せをどう思うのか。
「でもやっぱり、僕たちは開き直ってでも幸せであるべきだ。そして次の幸せに繋げないといけない、と思う。1%の不幸を踏みにじるんじゃなくて、踏み台にして」
「踏み台にして良いの?」
「良いも悪いもない。僕たちはもうそこに立ってるんだから。あらゆる可能性の上に立って、そこで生きていくしかないんだ」
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『君を愛したひとりの僕へ』
『僕を愛したすべての僕へ』
両作を読み終えて
セットかつ、どちらから読むかで印象が変わるという両作を読み終えましたが、非常に新しい、面白い読書体験を提供してくれました。
両作の単品の印象と、関連作として見た時の印象の変わりようにも驚かされました。
二つの作品はまるで空気感が違うだけでなく、パラレルシフトに関して主体的か受動的か、自分が掴みに行くのか、掴んだものを大切にするのか、つまりあらゆる可能性の中の最愛の1を探すのか、可能性全てを愛そうとするのか、スタンスもまるで違います。
一人だけに人生を捧げた俺。君を愛したひとりの僕へ、大切な人との約束を託して。
可能性ごとすべて愛する僕。僕が愛したすべての君へ、この僕の幸せを伝えたい。
「どうか君と、君の愛する人が、世界のどこかで幸せでありますように。」
静かな感動に包まれる、穏やかで優しい涙が溢れました
ぜひとも手にとってほしい、良作です。
Posted by ブクログ
サイエンスフィクションで、個人的にはなかなか読まないジャンルだったが面白かったし、読みやすかった。
ど忘れに思えるようなことも、実は並行世界を行き来しているから起きることという着眼点が面白かった。
その世界では悩みの種があり、別の世界にいる自分は自分なのか?目の前にいる相手は自分が信頼している相手なのか?というようなこと。
少し考え込まないと理解はしにくいが、「相手の可能性ごと信頼する」という人付き合いの本質のようなものを感じることができた。
読みやすくて、考えると深い物語だった。
Posted by ブクログ
これは原作者が大分出身だという点が大きいですね。大分が舞台ですので、非常に話が進むごとに興味が注がれます。 内容自体は理系の人になら理解できるのかな?と思える内容でしたが、映画の方が面白いかも? '2211/1 '2311/19
Posted by ブクログ
★4.8/5.0
僕君と君僕のうち、こちらを先に読んだ。
こちらを先に読むと、所々?と思う部分があるが、そういった所は軽く流して読んでいった。
正直、本当に深く考えさせられた。ネタバレになってしまうが、ゼロ世界の好きな人だけではなく、並行世界にいる好きな人も同様に愛せるのか。すごい難しいなと思った。
し、子供が殺されて〜という場面の時に、最初は和音が殺したと思っていたけど、ゼロ世界の視点だけではなく、並行世界の自分の視点になって考えた時、それもまた自分であることには変わらないから、犯人を見つけ出すことが出来たと思うと、所詮どの世界に行っても私は私なんだと思えた。
その存在自体を愛す、ということは難しいことだけど、そんな人に出逢えた暦と和音は幸せだと思いました。
Posted by ブクログ
うわー…。君僕から入ったんだけどなんか切なーい。 こういうのもメリバと言うのでしょうか。価値観によるかな。 でも読めて良かった。SFですけど難しすぎず、すいすい読める小説。栞が好きだったので彼女とのハッピーエンドを望んでいたんですけど、和音も好きになった。すべてが多層的でしっかり感想書くと文字数えげつなくなるので、おすすめ!とだけ言っておきます。
Posted by ブクログ
並行世界の存在が証明され、人々が日常的に世界間を移動していることがわかった世界で、「愛」はどうなるのかということを愚直にシミュレートしたSF。『キミとは致命的なズレがある』(赤月カケヤ)からの引用の「アインズヴァッハの門」という単語が出てきたところが一番盛り上がったかな。
Posted by ブクログ
平行世界、世界線変動という概念が人ごとに存在するという特異な世界観。逆に2人だけの世界観しか描かないことで、その特異さ、違和感を打ち消しているのは良かった。
可能性ごと愛することの難しさ、綺麗で終わらないところが人間味があって良かった。
逆に数十世界線がズレただけで関係性が一変してしまうことに、少し恐ろしさを感じた。
こちらの本から読んだため、もう1冊が楽しみです。
Posted by ブクログ
面白かったです。栞との並行世界の話かと思っていたのですが、和音との話でした。確かに、「君を愛したひとりの僕へ」の方でも和音とは一生の付き合いになっているので、和音と結ばれる世界線もあるのかと嬉しくなりました。もう一冊の方ではビターな展開が続きましたが、こちらはトラブルはあるものの、基本的には幸せな二人を見ることができてよかったです。もう一冊の方とうまくつながっている箇所が多く、よくできた作品だと思いました。
Posted by ブクログ
「君を愛したひとりの僕へ」を読んでから読みました!
物語の順序的には君愛→僕愛なので、世界観もスっと入ってきました。
伏線回収が好きな方や切ない物語をご所望の方は逆から読んだ方が良さそうです。
君愛が切なかった分、あたたかい終わり方でホッとしました。
Posted by ブクログ
並行世界者が好きな人にはド刺さるはず。
2作同時刊行は、どちらを先に読むかで印象が変わるというか、この世界にはどちらも体験できるひとがいないので、真偽は不明。
そのあたりも含めて、作品と絡めたメタファー的売り文句だとするとズルい。
Posted by ブクログ
ほのかと交換して読んだ同時刊行の本!
私の方から読むとバッドエンドで、ほのかの方から読むとハッピーエンドらしい
まだ半分しか読んでないってことやから続き読むのまじでたのしみ!
内容はちょっと難しかったけど文章がめっちゃ引き込まれた
僕が愛した1人の君へを読んで
2冊読んだけどタイトルの伏線が回収されてすごく良かった!個人的には2冊目読んだときにあーここで入れ替わってたんやとかだからこのこと知ってたのねとかめっちゃなるか思ったけど、どっちかというと2冊目の続きがこっちって感じやった
2冊目読んでからやと和音と暦がずっとラブラブなこっちの話はかわいくて良きでした^ ^
早く映画見たいな〜と!
Posted by ブクログ
物語としては凡庸。ただその一方で考えさせられるフレーズがいくつか。
「並行世界」≒「この現実における、未来への可能性」と置き換えて考えると、非常に興味深い。
この先のあらゆる可能性も、抱きしめて歩めるだろうか、と考えさせられた作品。
p.232「僕は君を、可能性ごとすべて愛する。1%の不幸も含めて、今度こそ」
p.251「こんなに素敵なことはないじゃないか。僕は自分が、知らない人の幸せを喜べる人間であることを、とても幸せに思う」
「僕が愛したすべての君へ、この喜びを伝えたいんだ。君がいてくれたから、僕は今、こんなに幸せですって」
Posted by ブクログ
君を愛したひとりの僕へ、を読んでからこっちを読んだ。どちらの話も面白く、あっちのこれがこうなって、と回収されていくのも面白いので、2冊同時に読むのが確かに良い。
選ばなかった可能性があるから今がある、というのになるほどな~と思った。
Posted by ブクログ
高崎暦
両親の離婚後は母親と暮らす。地元の進学校に進学する。高校で瀧川和音と出会う。九州大学理学部虚質科学科に進学する。卒業後、虚質科学研究所に入所。後に結婚して夫婦となる。
暦の母
実家が資産家。
暦の父
虚質科学研究所の研究員で高名な学者。生活や考えの不一致から暦の母と離婚する。離婚した後の方が良好な関係だった。離婚後も暦とは定期的に会ったり、誕生日プレゼントを贈ったりする。
ユノ
ゴールデンレトリバー。
暦の祖父
暦の母の父親。暦が父から買ってもらった誕生日プレゼントのエアガンを取り上げる。その二年後。祖父は他界してしまう。
佐藤絃子
虚質科学研究所所長。
瀧川和音
暦のクラスメイト。高校卒業後、虚質科学を学ぶため暦と同じ九州大学に進学。ナンパが多いことを理由に高崎暦と交際する。卒業と同時に大分は帰り、虚質科学研究所へ就職。後に結婚、息子の涼を出産する。
涼
暦、和音の息子。
絵理
涼が結婚を考えてる人。
愛
涼と絵理の娘。
Posted by ブクログ
期待が大きすぎて、切なくなるのはどこだろ?と思っているうちに読み終わってしまって、どこが切ないポイントなのかわからないまま。
設定や内容が40代を迎えた私には漫画の世界すぎて、いまいち入り込めず。残念。
Posted by ブクログ
映画と比べてだいぶ内容が違うように感じたが、本で読んだほうが断然好きだった
物語にすごく大きな山があるわけではないし、「並行世界」という概念以外は普通の恋愛小説という感じだったが、それだけに素朴な日常が丁寧に描写されているシーンも多く組み込まれていて、読み終わった今はほのぼのした感情が多く残っている。
「可能性ごと全て愛する」というフレーズが素敵だった。
Posted by ブクログ
一時期流行りに流行ったパラレルワールドものだけど、2冊読むことで全く別の物語が見えてくるというのは新しいなと思った。まぁやってることは分岐でヒロインが決まるギャルゲーと同じかもだけれど、主人公が子持ちというのも中々ないし。ちなみに、こちらを先に読んだ。
このような世界になったら平行世界の自分に罪を擦り付ける冤罪というのは、確かに起こりえそう。そりゃあパラレルシフトすれば子どもが生きている世界に行けるのなら絶対行くし、和音の行動は非難出来ない。99パーセントの幸せが1パーセントの不幸で成り立っているとしたら⋯考えさせられる。
Posted by ブクログ
こちらのほうが、僕の気持ちを理解しやすかった。でも平行世界への移動をするなんて、勝手にどちらかがやっちまったら、混乱が生じるような…。それはやっちゃいけないことのような気がする。倫理的に。無限に広がるif世界は宇宙のように好奇心をかきたてられる。