丘沢静也のレビュー一覧
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登山家のような心理で「あの山にはまだ登ってないな」と、ツァラトゥストラ山の五合目まで登る。大好きな番組『100分de名著』のオープニングで本の見開きが大写しになる。選ばれた書物は『ツァラトゥストラ』だ。
特段これといって難解な言い回しではないのに、どうにも理解しづらい。
熱に浮かされて10日で書き上げたという第1部から圧力が伝わってくる。
引用したくなるくだりも多い。「趣味というのは、秤の分銅であると同時に、秤の皿でもあり、また測る者でもある」。荒巻義雄のSF短篇『大いなる正午』、タイトルの出典は第1部の終りだったのか。
上巻で判ったこと。ツァラトゥストラは40歳ぐらい。ひげをたくわ -
Posted by ブクログ
帯に謎解きクリエイター東大生、松丸亮吾さんからの「僕を算数好きにしてくれた本!」との推薦のことば。小学生の親として、ついつい買ってしまった。
著者は数学者ではなく、ドイツの詩人、エンツェンスベルガー。子供の本から評論まで多彩な分野の文筆家。ロートラウト・スザンネ・ベルガーのかわいい挿絵とともに、主人公のロバートの夢の中の「数の悪魔」が数の秘密について、お話をしながら分かりやすく語ってくれる。「1の不思議」「素数の秘密」「パスカルの三角形」「ピタゴラスの定理」「フィボナッチ数」「オイラーの公式」「ゴールドバッハの推測」「エラトステネスのふるい」「無理数」「虚数」「二重ピラミッド」「等比級数」 -
Posted by ブクログ
ネタバレクンデラを読んだからか。
カフカが読みたくなって、古典新訳文庫からこれを探す。
変身は、昔、新潮ので読んだつもりでいたけど、どうやら一章しか読んでなかったんじゃないかな?二章、三章は記憶になかった。
これは何の話なのか?
読んだ誰しもが繰り返し考えてきたのだけども、さてしかし実際、何の話なのだ。
それぞれのそのときそのときの背景とアナロジーされるのだろう。不条理?んー、というよりも象徴っぽさなのでは?
構造的なのかもしれない
「これを自分の環境に置き換えると、、、」
そこに自分を取り巻く構造が見えてくる。
好きじゃないのは、死を用いること。死は物語を途端に全部過去にしてしまい、どうでも -
Posted by ブクログ
判決
変身
アカデミーで報告する
掟の前で
の4編を収録。
カフカの作品といえば、面白くないという印象がある。
作品の内容は、わけの分からない状況に置かれた主人公が右往左往するのを淡々と描くだけなので、読んでいるこちらも訳が分からす、それが延々と続くので、ただ退屈なだけ。
評論家はとそれを不条理とかなんとか難しいことを言って高く評価しているけれど、やっぱりただ退屈なだけ。
あまり読みたくない作家だ。
しかし、そういうカフカ像を産むに至ったのは、どうやら原典の編集段階に問題があったらしく、また、日本訳にもいろいろ問題があったらしい。
「史的批判版」に基づく本書は、カフカのそんなイメージを