丘沢静也のレビュー一覧

  • 変身/掟の前で 他2編

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    なんとなく「読んだことある」作品を読む。
    ある青年に、家族に、降りかかる災厄。
    『掟』も、初読だったけど面白かった。

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    2020年07月16日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    1回目は、意味がよく分からず自分の読書力の無さに愕然とした。ウィキペディアの解説を見てから再読したところ、味のある話だと分かった。
    リンゴをぶつけられるところがシュールで面白い。

    仕事とか、家族とか、当たり前と思われている概念が、状況の変化で崩壊していくのがリアリティがあった。

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    2020年01月26日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    岩波文庫版で一度読んだが、ニーチェがこの本で伝えたかったことがいまいち掴みきれなかったことに悶々としていた為、光文社の新訳で再読。岩波文庫版よりだいぶ砕けた訳で、平易な言葉のためとても親しみやすい。こちらの訳も読んでみて正解。

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    2018年12月25日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    ある日目が覚めたら虫になっていた。
    頭の中はまだサラリーマン。
    4時の電車に乗らなくちゃ。
    何本もの足をもにょもにょ動かす。

    家族はみんなで虫を避ける。
    悲しんでいるのか哀れんでいるのか避けているのか嫌悪しているのか、あるいはそれら全てなのか。

    悲しいような辛いような、
    はたまたゾッとするような、
    温かいのか冷たいのか、
    わかるようでわからない。

    カフカの「変身」。


    深いようで、
    意味があるようでないのか、
    作者はなにかを意図しているのか、意図していないのか。

    不思議で
    不気味でもないが、不気味ともとれる
    悲しさを感じつつも悲しさに落ちきらずに変なところに着地する感。

    なんだこれ

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    2018年12月01日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    神は与えられるものではない、神は見出すものであ る。同様に、生きる意味は与えられるものではな い、見出すものである。

    無神論者ツァラストラは叫ぶ
    「お前の道化の言葉 は、この俺には迷惑なんだよ!」

    そんなハードな展開も一変、訳者・丘沢静也氏が寄 せられた解説のうち「気楽に読むには」が秀逸 で"nowhere"とは何処でもないとも訳せます が"NOW"と"HERE"にも分解できるんです、という話 がササった。ツァラトゥストラ

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    2015年06月16日
  • 寄宿生テルレスの混乱

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    物語の構造の分析だとか、メタファーを勘ぐるだとかっていうのをしたくない小説。
    センテンスが美しい。
    それぞれ”魂”が知識、経験、本能、知性でできた土壌に根付く過程は人それぞれ違うのだから、構造や、個人個人の表面的な人格が気にくわないというのは、読み方としてちょっと違うような。

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    2012年09月22日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    当時のキリスト教権威や教徒に対する批判と思いますが、現代のそれぞれの宗教観にも当てはまる気がします。ボクの持ってる道徳観も刺激を受けました。というより読んでると清々しい気持ちになります。何度も読み返したいです。

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    2012年04月15日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    この本は難しい。なんて今さら言うまでも無いが。

    まずは当時、未だ主流だったキリスト教の価値観を否定する。曰く神は死んだ、と。まあ、それは良いとして、次は世のあらゆる価値観も否定し始める。徳も善も愛も正義も、等々。まあ、それもキリスト教を元に作られた価値観だから否定の対象になるのは仕方ないかもしれない。しかし、最後はツァラトゥストラ、つまり自分自身も否定し始める。それを聞いて弟子は怒る。当然、読者も怒る。全ては一時代人に過ぎない人であり神であるツァラトゥストラを絶対化させないために、なのか。そうやってひたすら否定しながら、最後は再び孤独に帰り、思索の時間を過ごす、というところで上巻は終わり。

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    2011年11月05日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    キリスト教の隣人愛を否定するニーチェの考える生き方が主張されており、衝撃的。キリスト教に関する知識があると少し読みやすくなるかもしれない。自分はキリスト教に関する本を読んだ直後だったので、その知識に少し理解を助けられた。
    唸らされる箇所が多々あったし、教訓ともなり得ると思う。

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    2011年09月10日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    衝撃だった。キリスト教の神や人間の精神なんていうのは人間が作り出したものだけど、今は人間がそれらに縛られてる。ニーチェはそれを解放しようとしてる。

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    2011年08月13日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    時折分からない文章があり、時折うならされる文章があります。「自分が正しいと主張するより、不正な目に遭うほうが、高貴なのだ。自分が正しい場合は、とくに。ただし、そんなふうにふるまうには豊かである必要がある。」

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    2011年06月30日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    名言で埋め尽くされた人生論プラス詩、といった感じ。一章は分かりやすいが、二章以降の比喩の部分があまりにも詩的で少し難解だった。
    1883~1885年にかかれたものだが、「ツァラトゥストラの前口上」中の最後の人間についての件や、「教養の国について」で、現代人について予言しているが、ほとんど的中している。「教養の国について」で無信仰の人々に対し「君たちは信仰なんてできっこない!」なんて言う場面があるが、自分の価値観が否定されているみたいで恐ろしい。
    こういう部分や有名な「神は死んだ!」などのイメージが強く、毒書なんていわれたりもするが、むしろ読んで励まされることのほうが多かった。

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    2012年06月17日
  • 寄宿生テルレスの混乱

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    面白かった。
    ムージルの他の著作にも言えることだけれど、最初はどうにも難解に思える。だけれど、読み進めていくうちに著者の語っていること(あるいは語っていないこと)がなんとなく見えてくる。
    そして決して語り得ないことを必死で語ろうとするその姿勢に打たれる。
    名作です。

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    2010年08月24日
  • 寄宿生テルレスの混乱

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    "というのも、大人になりかけの人間の最初の情熱とは、ひとりの女にたいする愛ではなく、みんなにたいする憎しみなのだから。自分が理解されていないと思うこと。そして世間を理解していないこと。そのふたつのことは、最初の情熱にくっついているものではなく、最初の情熱のたったひとつの、偶然ではない原因なのだ。"

    "人間が生きる人生と、人間が感じ、予感し、遠くから見る人生とのあいだには、狭い門のように、目に見えない境界線がある。できごとのイメージが人間のなかに入っていくためには、その門で圧縮される必要がある。"

    "思想が沈黙しているときに、ものごとを見てい

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    2009年10月23日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    『変身』では、虫になったグレーゴルについてネタ的にに描かれているせいで勘違いしそうでしたが同情をせざるをえませんでした。献身的に頑張り続けたグレーゴルに対する仕打ちがこれかと思うとグレーゴルの気持ちもよくわかります。悲しさの雰囲気だけが漂う作品ではなく、どこか希望が見え始めては消えてゆくような作品でした。

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    2025年12月04日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    古い話だからか意味が分からないところも結構あるけど、話は面白い!

    変身はこんな話だったっけ…
    最初読んだ時凄い感動した気がしたけど…
    自分の中でハードルが上がりすぎてて、その点ではイマイチだったかも

    "アカデミーで報告する"は初めて読んだけど、めちゃくちゃ面白かった!
    "光栄にもこのアカデミーに招かれ、以前ぼくがサルだったときのことを報告するように依頼されました。"
    という書き出しがもうやばい

    全部短い話の短編集だから、サクッと読めるのも良いね

    巻末の解説ではカフカも訳や編集によって受け取られ方が大分違う、というのが凄く興味深かった。
    あと訳者が

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    2025年10月17日
  • 田舎医者/断食芸人/流刑地で

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     以前カフカの『変身』を含む短編集を読んだ際、不可解さとともに奇妙に魅力を感じたため別の短編集も読むことにしました。本書はカフカの短編小説が8編も掲載されている薄い本ですが、全体的な感想を述べたのちに各編の感想を書くことにします。
     全体を通じて、意味不明な展開を通じて何らかの隠喩を乗せていることは明確なように思われます。しかし、何が何を意味しているかが全く明確ではないので、人それぞれの解釈が生じるタイプの作家なのでしょう。読まれることで、すなわち、読者との相互作用によってはじめて一つの作品として完結するという意味で素晴らしい小説家なのかもしれません。しかしながら、現代の読者としては、メタファ

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    2025年07月13日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    かなり分かりやすく訳してくれているものと捉えました。
    ニーチェのキリスト教に対するユーモラスを帯びた毒はある種現代の怠惰な人間や意志のない人間に痛快に突き刺さりますね、笑いながら読めました。

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    2025年07月08日
  • 普及版 数の悪魔

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    数学は全然好きにならなかったけど、算数や数学の世界に迷い込むファンタジーが子供心にワクワクして何度も読み返しました。
    今思えば読書が好きになったきっかけの本だと思います。
    祖父に買ってもらってから20年以上経っていますが、今でも大事に持っています。
    時々読み返したい章を読んだり、今だったら悪魔が言ってたこと分かるかな?と思って試しに考えてみたりします(笑)
    でもやっぱり数学は頭に入ってこないので、空想の世界にどっぷり浸かって帰ってきます(笑)
    あと、この本で初めて「ライラック」という色を知りました。
    ライラックのチョークがとても好きでした。
    実際に数の悪魔が夢に現れたら私は泣きます。笑

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    2025年06月20日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    ネタバレ

    友達の紹介で変身を読みたくなり購入。どれも一筋縄では読解できない。なんか新しい感覚。たしかに80年前に出版されたとは思えない。
    判決は読後何だったのか分からなくて解説を調べてしまった。信用できない語り手この時代からいたのか。
    変身はグレーゴムの家族を思う純真な心に胸を打たれた。しかし家族に思いが通じず、酷い扱いを受けるのが不憫だった。本当にグレーゴムは馬鹿でかい虫になったのか?少し疑問が残る。
    アカデミーで報告する中の猿の「自由なんか欲しくない。出口さえあればいい」という文章にハッとさせられた。たしかに。同じようで全然違う。自由は全て自分で考えて行動しろという意志を感じるが出口がある状態は行動

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    2025年05月26日