丘沢静也のレビュー一覧

  • 変身/掟の前で 他2編
    変身はもうすでに何度も読んでいます。
    だけれども、オチも知っているのに
    なぜか読んでしまうんですよ、まじめくさって。

    いろいろな風に取れる作品ですね。
    変身は、一見平穏に見えた家族に襲う
    誰にも知れない悲劇とも取れます。
    まさか虫になるとは思わないでしょうし。

    そして、そんなことがあっても
    あの...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(下)
    神は与えられるものではない、神は見出すものであ る。同様に、生きる意味は与えられるものではな い、見出すものである。

    無神論者ツァラストラは叫ぶ
    「お前の道化の言葉 は、この俺には迷惑なんだよ!」

    そんなハードな展開も一変、訳者・丘沢静也氏が寄 せられた解説のうち「気楽に読むには」が秀逸 で"n...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    いい短編集でした。コーヒーの苦~い、また黒いところの良さが大好きな人にいいかも、と当て勘で思います。
    どの短編も、悲惨な話なんだけど、おかしみをもって書かれていて(訳者の持ち味?)、また読みたくなるかも。
  • 普及版 数の悪魔
    中一の息子が、学校からお勧めされた本。
    数学(数列?)の面白いところだけを取り出して「ねー、面白いでしょー」って言ってくれる感じでした。主人公のロバート君は数学が嫌いなので、数学嫌いな子でも共感しながら読めると思いました。
  • 寄宿生テルレスの混乱
    物語の構造の分析だとか、メタファーを勘ぐるだとかっていうのをしたくない小説。
    センテンスが美しい。
    それぞれ”魂”が知識、経験、本能、知性でできた土壌に根付く過程は人それぞれ違うのだから、構造や、個人個人の表面的な人格が気にくわないというのは、読み方としてちょっと違うような。
  • ツァラトゥストラ(下)
    当時のキリスト教権威や教徒に対する批判と思いますが、現代のそれぞれの宗教観にも当てはまる気がします。ボクの持ってる道徳観も刺激を受けました。というより読んでると清々しい気持ちになります。何度も読み返したいです。
  • ツァラトゥストラ(上)
    この本は難しい。なんて今さら言うまでも無いが。

    まずは当時、未だ主流だったキリスト教の価値観を否定する。曰く神は死んだ、と。まあ、それは良いとして、次は世のあらゆる価値観も否定し始める。徳も善も愛も正義も、等々。まあ、それもキリスト教を元に作られた価値観だから否定の対象になるのは仕方ないかもしれな...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(上)
    キリスト教の隣人愛を否定するニーチェの考える生き方が主張されており、衝撃的。キリスト教に関する知識があると少し読みやすくなるかもしれない。自分はキリスト教に関する本を読んだ直後だったので、その知識に少し理解を助けられた。
    唸らされる箇所が多々あったし、教訓ともなり得ると思う。
  • ツァラトゥストラ(上)
    衝撃だった。キリスト教の神や人間の精神なんていうのは人間が作り出したものだけど、今は人間がそれらに縛られてる。ニーチェはそれを解放しようとしてる。
  • ツァラトゥストラ(上)
    時折分からない文章があり、時折うならされる文章があります。「自分が正しいと主張するより、不正な目に遭うほうが、高貴なのだ。自分が正しい場合は、とくに。ただし、そんなふうにふるまうには豊かである必要がある。」
  • ツァラトゥストラ(上)
    名言で埋め尽くされた人生論プラス詩、といった感じ。一章は分かりやすいが、二章以降の比喩の部分があまりにも詩的で少し難解だった。
    1883~1885年にかかれたものだが、「ツァラトゥストラの前口上」中の最後の人間についての件や、「教養の国について」で、現代人について予言しているが、ほとんど的中している...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(上)
    最高に面白い!自分の生き方もそう間違ったものでもなかったかな、という気になった。
    ありがとうニーチェ!
    下巻も楽しみ!
  • 寄宿生テルレスの混乱
    面白かった。
    ムージルの他の著作にも言えることだけれど、最初はどうにも難解に思える。だけれど、読み進めていくうちに著者の語っていること(あるいは語っていないこと)がなんとなく見えてくる。
    そして決して語り得ないことを必死で語ろうとするその姿勢に打たれる。
    名作です。
  • 寄宿生テルレスの混乱
    "というのも、大人になりかけの人間の最初の情熱とは、ひとりの女にたいする愛ではなく、みんなにたいする憎しみなのだから。自分が理解されていないと思うこと。そして世間を理解していないこと。そのふたつのことは、最初の情熱にくっついているものではなく、最初の情熱のたったひとつの、偶然ではない原因なのだ。"
    ...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
     最近はどうしても技術書ばかり読んでしまい、そうではないジャンルの読書ができていない自覚があり購入しました。本書はカフカの小説が4編載っている書籍なので、各短編ごとの感想を書いておきます。なお、本感想執筆者は文学を鑑賞する才能に乏しく、感想が的外れであったり誤読に基づくコメントをする可能性があります...続きを読む
  • 田舎医者/断食芸人/流刑地で
    田舎医者…。この本は、きつかった。昔、365日拘束されていた頃を思い出しました。20年前、理不尽な患者家族に取り囲まれた恐怖。ただ、私はその後関係を改善できたため理解いただいた後に、取り囲んだ家族に缶コーヒーを差し入れられた時は泣きそうでした。では、無事を祈りながら夜勤に行ってきます。
  • 変身/掟の前で 他2編
    【変身】
    やはり人間は見た目なのか、と思った。
    意思疎通もままならないし、
    気遣いで近づいても嫌がられる。
    最終的に家族は新たな生活をスタートする。
    酷いと思われるかもしれないが人間らしさが出ている作品だなと思った。
  • ツァラトゥストラ(上)
    全然理解出来なかったけど、何となくすごい本なんだろうな、ってオーラは感じた。
    世間で言われてる常識的なものを小難しく逆張りしていくんだけど、比喩がすごくてなかなか読み取れない。

    ニーチェと言えば力を求め、弱者を嫌う哲学だと思ってたけど、悪に対しても寛容なのは以外だった。
  • ツァラトゥストラ(上)
    前に読んだ泉谷閑示『「普通がいい」という病』でふれられていた「三様の変化」の話を、原著で読んでみたくて手にとる。

    実際の文章(本書では「3つの変化について」という題)は、抜粋よりもさらに肉付けが豊かで、情景に迫力があり、読めてとてもよかった。

    どの鱗にも「汝なすべし」が金色に輝く、「つくられたす...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    チェコに行くことになった!ので手に取った、はじめてのカフカ。

    どうしてこんな発想ができるのかしら、と思う。
    「アカデミーで報告する」なんて現代のSFのよう。猿の惑星を思い出す。
    「変身」では、次第に虫としての行動を取り始める主人公、当初は虫となった兄を気遣うものの、最終的には一緒には暮らしていけな...続きを読む