丘沢静也のレビュー一覧
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不条理ながらも、思わぬ事態に直面した主人公の行動や家族の思いが真に迫る。
ありえないことのはずなのに、もし自分がこんなことになったら、と心がざわめいてしまう。Posted by ブクログ -
30歳のとき、ツァラトゥストラは故郷を捨て、故郷の湖を捨てて、山に入った。そこで自分の精神を楽しみ、孤独を楽しんで、10年間退屈することがなかった。だが、とうとう心が変わった。
それから彼の没落がはじまった。
なにかを考え、なにかをなしとげようとすることはすごいと思う。自分がなんにもなしとげてなく...続きを読むPosted by ブクログ -
既存の価値観をまるごとひっくり返してしまう、その激しい主張は痛快で鮮やかでさえあると思った。難解でわからなかった部分が多かったが、宗教や神を否定し、己の身体や生き抜く強さを信じて突き進む指南には勇気を与えられた。もう何度か読んで理解を深めたい。Posted by ブクログ
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ドイツのBL。だから少々観念的、一筋縄ではいかない。本文にもあるが、「すべてのものがダブルミーニングになる」瞬間を刻々と描く。表と裏がひっくり返り、覆いを取れば内実がまた新しい覆いとなって現れる。セクシャリティに関することもそうで(ちなみにプルーストは『失われた時を求めて』でほとんどの登場人物のそれ...続きを読むPosted by ブクログ
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曖昧な代名詞にてこずった。
登場人物がことごとくいけ好かない奴らで、特に、生々しい欲望を理論で正当化しようとする態度が、気に食わない。
終始一貫、その不快感が纏わりついて、それでもなお読み進めた。
認められないことを受け入れられないのは少年期特有では、あるよね。
そういえば、テルレス少年と同様、...続きを読むPosted by ブクログ