丘沢静也のレビュー一覧

  • 普及版 数の悪魔

    Posted by ブクログ

    子どもから大人まで楽しめる、楽しい数学の物語。

    少年、ロバートは普通の男の子。算数はちょっぴり苦手。というか、学校で算数のボッケル先生が出す計算問題が嫌いだ。
    そんなロバートの夢の中に、毎夜毎夜、数の悪魔が現れるようになる。
    悪魔はロバートに数のいろんな不思議を話してくれる。それはボッケル先生がロバートたちにやらせるような、うんざりするような計算問題とはちょっと違っていた。
    1の不思議、0の神秘、素数、無理数、三角数、フィボナッチ数、パスカルの三角形、順列・組み合わせ、無限と収束、オイラーの公式、フラクタル。
    さまざまなトピックを、ときにはキノコの森で、ときには南の島のヤシの木で、ときにはウ

    0
    2020年02月10日
  • ツァラトゥストラ(上)

    Posted by ブクログ

    NHKの100分de名著と併読。
    割とあっさり「神は死んだ」「超人」が出てくる。
    中身は、詩的、断片的で分かりづらい。後半から、自分が演説をしている気分になって読んでみたらようやく掴めてきた(?)
    出版当初は全く売れなかったというが、その後どのように世の中に受容されていったのか知りたい。

    0
    2019年12月21日
  • 変身/掟の前で 他2編

    Posted by ブクログ

    「変身」シュールギャグであり社会風刺であり家族問題の警句であり純文学であり、はたまた別の何かである。読み手の解釈に依る。読み手の数だけ「変身」できるのが、この物語が世界中で読み継がれる所以なのかなと思う。

    0
    2019年09月25日
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    人とは不安に陥りやすい生き物でして、きちんととその正体と向き合えればいいのだけれど、全然違う対象に攻撃をしかけてしまいがちです。その対象になりやすいのが、思春期の若者が今何を考え、将来をどう思っているのか、ということが一つあると思います。「白と黒どっちがいいの?嫌ならグレーにすればいいわ」などと解ったつもりで立ち向かうのですが、「わかってないなあ。今は何かを選ぶなんて気分じゃないのに、なぜ解ろうとしないのかなあ」というテルレス君のぶれない感じがとても現実的で、作者の目線が素晴らしい。

    0
    2019年02月23日
  • チャンドス卿の手紙/アンドレアス

    Posted by ブクログ

    世紀末ウィーンのアイドルの書いた短編4つと未完の中編。1700年位の話。面白くない訳じゃないけど、感想はない。

    丸ビルで2000円のランチ食べたみたいだ。非常にうやうやしく持てなされ、ゆっくりと楽しい時間を過ごした。しかし何を食べたのか全く記憶にない。確かにセットみたいなの頼んだ、半個室だった。しかし味共々、運ばれてきた皿に何が載っていたのかは記憶にない。でもやっぱりなかなかゆったり過ごす時間というのは、望んでも実現しない物なので、よい経験であった、みたいな。別の訳者で読んでみたい。

    0
    2019年02月14日
  • 変身/掟の前で 他2編

    Posted by ブクログ

    『判決』『変身』『アカデミーで報告する』『掟の前で』の4本。『変身』以外は、理論社ショートセレクション『雑種』の収録作品と重複。

    設定のショッキングさがあまりにも有名な『変身』だけれど、こんな終わりだったっけか。何十年ぶりかで読んだら、結構印象が違う。
    グレーゴルが我が身に起きたことを淡々と受け入れ、なんとかしようとグニグニ悶えていくのが、こうなったらそうするしかないよね、と、なんか妙にリアル。

    0
    2019年01月21日
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ストーリーとしては、なんだかんだ言ってうまく逃げた奴。もっと何かあっても良かったのにって思った。

    寄宿学校でのイジメ、同性愛の中で、テルレスが自分の中にある第2の生が何なのか説明したいけど言葉で表せないという。
    哲学論調。

    イジメを見ました。自分は傍観のみ。
    でも、影ではちょっといじめてみました。
    でも、それも本心じゃない。
    いじめてるやつもいじめられてるやつも、なんだかイライラする。
    俺、かんけーねーし。巻き込むなよ。
    なんか馴染めないから退学するわー。

    テルレスはどっちにもならなかった。
    ただただ、自分のわからない部分を分析しようもしてた。

    0
    2018年01月23日
  • 変身/掟の前で 他2編

    Posted by ブクログ

    グレゴールくんは、両親と妹を養うため社畜暮らしをしているが、とある事情で働けなくなる。
    もちろん、仕事はクビに。
    今までグレゴールくんの稼ぎに頼っていた家族は、少しながら蓄えはあるものの、それぞれ仕事につく。
    グレゴールくんのお世話は疎か。
    グレゴールくんなんていなくなったらいいのに、そんな言葉を聞いて衰弱死してしまう。
    3人はそれぞれの職場に休暇届を書いてるんるんで外出。

    「とある事情」が、「虫になる」なのだが、「病気になる」に置き換えると、なんだかつらいものがある。

    お話はほとんどがグレゴールくんの視点なのだが、亡くなったあとのすーっと神の視点になって、残された三人の春になった感がなん

    0
    2017年07月14日
  • 普及版 数の悪魔

    Posted by ブクログ

    面白かったし、数学に久しぶりに触れられて個人的には充実した読書時間を経験させて頂きました。
    でも、やっぱり文系専攻の自分としては好奇心までは刺激されず。学生時代、理系コースの友人に「文系って意味不明。架空の物語に出てくる架空の主人公の気持ちを知って何の得があるの?」って言われたんだけど、まんまその言葉お返しするわ。だった記憶を思い出しました。
    だけど、私の夢にも数の悪魔出てこないかな。そのくらいには、この本気に入ってます。

    0
    2017年06月16日
  • マンネリズムのすすめ

    Posted by ブクログ

    南木佳士「薬石としての本たち」で紹介されていたので読む.
    精神よりも身体の優位を優先するところ,日々のマンネリと批判される営みに価値を置くところに二人の共感はあるのだろう.わたしもその点では同感できる点が多くある.一方で,著者はドイツ文学者なので,そのマンネリズムをありすぎる教養で包み込まずにはいられない.わたしにはそこがわずらわしい.あらゆる言葉は,西洋の文献からの引用とともに語られる.こういうのが好きな人は好きだろう.

    マンネリズムにかんする文章も多いのだが,音楽や文学の話も多い.うまいこというなぁと感心はする.

    0
    2016年03月17日
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    テルレスの混乱ぶりを体験させられる本。笑
    自分も迷い込んでしまいそうになる。テルレスが未知のものにぶつかりわけもわからないまま自分の中の衝動に惑わされる描写は素晴らしい。正直よくわからない部分もあった。全部わかったらそれこそ自分もめちゃくちゃに混乱するんじゃなかろうか。善悪だけでは判断できない官能という魅力にぶち当たりどう折り合いをつけていくのか、ということだったのだろうか。しかし物語は終わってもこれについて解決がされているわけではない。
    この時期ってすべてに説明を求めてしまう。嫌悪感も増して、孤独感も増して、魂の清さを求めるんだけども、ちがう感覚も目覚めていて…。

    0
    2016年01月26日
  • 普及版 数の悪魔

    Posted by ブクログ

    わかりやすくするために説明が省かれている部分も多い。そのため、逆に分かりにくくなっているような気もしないではない。でも、子供ができたらば読ませよう。

    0
    2015年08月07日
  • ツァラトゥストラ(上)

    Posted by ブクログ

    比喩的にいろいろな主張を吠えているが,考え方,楽しみ方がまだわからない.とりあえずは下巻を読んでからかな.

    0
    2015年04月26日
  • 普及版 数の悪魔

    Posted by ブクログ

     算数の不思議を、夢の中で子供が悪魔から学ぶというストーリー。素数を始めとする数字の不思議が理解できる。子供向けのお話だけど、大人もふんふんと改めて思い出すような内容。
     九九を勉強して、暗記中心の小学校の算数。でも、数学の本質は、数という発明を利用して、真理を追求する学問。数字は神秘的だ。それを少しかじることができる本。夢の中で悪魔に教えてもらうという話だけど、夜読んでると本当に眠くなる。。。

    0
    2015年02月15日
  • ツァラトゥストラ(上)

    Posted by ブクログ

    ツァラトゥストラはかく語りて
    ではなく、ツァラトゥストラはこう言ったと書かれると、何か軽く感じてしまう。

    0
    2014年03月09日
  • ツァラトゥストラ(上)

    Posted by ブクログ

    30歳のとき、ツァラトゥストラは故郷を捨て、故郷の湖を捨てて、山に入った。そこで自分の精神を楽しみ、孤独を楽しんで、10年間退屈することがなかった。だが、とうとう心が変わった。

    それから彼の没落がはじまった。
    なにかを考え、なにかをなしとげようとすることはすごいと思う。自分がなんにもなしとげてなく、なんにも考えてないってことを感じた。
    精神の幸せというのは、油を塗られ、涙で聖別されて、犠牲の動物になることなのだ・・
    今の社会では没役やら犠牲やら負のかんじがするけどそうではないのだなあ。逆の価値観で社会は構成されている気がする。

    0
    2013年03月01日
  • ツァラトゥストラ(上)

    Posted by ブクログ

    既存の価値観をまるごとひっくり返してしまう、その激しい主張は痛快で鮮やかでさえあると思った。難解でわからなかった部分が多かったが、宗教や神を否定し、己の身体や生き抜く強さを信じて突き進む指南には勇気を与えられた。もう何度か読んで理解を深めたい。

    0
    2012年06月15日
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    読み終わったこっちもなんだか混乱。ホント、混乱というタイトルそのものって感じ。まあでもこれも青春というものなんでしょ。

    0
    2011年11月09日
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    ドイツのBL。だから少々観念的、一筋縄ではいかない。本文にもあるが、「すべてのものがダブルミーニングになる」瞬間を刻々と描く。表と裏がひっくり返り、覆いを取れば内実がまた新しい覆いとなって現れる。セクシャリティに関することもそうで(ちなみにプルーストは『失われた時を求めて』でほとんどの登場人物のそれを物語の後半にひっくり返した)、テルレスがエクスタシーに達するのはそのような反転のインパクトによってである。

    0
    2010年11月25日
  • 寄宿生テルレスの混乱

    Posted by ブクログ

    曖昧な代名詞にてこずった。

    登場人物がことごとくいけ好かない奴らで、特に、生々しい欲望を理論で正当化しようとする態度が、気に食わない。
    終始一貫、その不快感が纏わりついて、それでもなお読み進めた。
    認められないことを受け入れられないのは少年期特有では、あるよね。

    そういえば、テルレス少年と同様、ビートたけしさんも虚数の感覚について語っていた。
    賢い人間は謎に興味を持って突き進むが、僕みたいな人間は、ぶち当たって挫折する。
    妄想も勉強も、対する姿勢ってのは大事です。

    0
    2009年10月20日