丘沢静也のレビュー一覧

  • ツァラトゥストラ(上)
    NHKの100分de名著と併読。
    割とあっさり「神は死んだ」「超人」が出てくる。
    中身は、詩的、断片的で分かりづらい。後半から、自分が演説をしている気分になって読んでみたらようやく掴めてきた(?)
    出版当初は全く売れなかったというが、その後どのように世の中に受容されていったのか知りたい。
  • 変身/掟の前で 他2編
    「変身」シュールギャグであり社会風刺であり家族問題の警句であり純文学であり、はたまた別の何かである。読み手の解釈に依る。読み手の数だけ「変身」できるのが、この物語が世界中で読み継がれる所以なのかなと思う。
  • 寄宿生テルレスの混乱
    人とは不安に陥りやすい生き物でして、きちんととその正体と向き合えればいいのだけれど、全然違う対象に攻撃をしかけてしまいがちです。その対象になりやすいのが、思春期の若者が今何を考え、将来をどう思っているのか、ということが一つあると思います。「白と黒どっちがいいの?嫌ならグレーにすればいいわ」などと解っ...続きを読む
  • チャンドス卿の手紙/アンドレアス
    世紀末ウィーンのアイドルの書いた短編4つと未完の中編。1700年位の話。面白くない訳じゃないけど、感想はない。

    丸ビルで2000円のランチ食べたみたいだ。非常にうやうやしく持てなされ、ゆっくりと楽しい時間を過ごした。しかし何を食べたのか全く記憶にない。確かにセットみたいなの頼んだ、半個室だった。し...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    『判決』『変身』『アカデミーで報告する』『掟の前で』の4本。『変身』以外は、理論社ショートセレクション『雑種』の収録作品と重複。

    設定のショッキングさがあまりにも有名な『変身』だけれど、こんな終わりだったっけか。何十年ぶりかで読んだら、結構印象が違う。
    グレーゴルが我が身に起きたことを淡々と受け入...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    久しぶりにカフカを読んだか、最後に頭に浮かんだのはAuguste Renoirの"芸術が愛らしいものであってなぜいけないんだ?世の中は不愉快なことだらけではないか。"彼は美しいというより、楽しいものを描く傾向にあったが、その言葉には賛同できる。もし審美眼があるのであれば、美醜の二つを分別できるのだか...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    もしもカフカが日本人だったら芥川賞を獲っていただろう。というか、もしや芥川龍之介その人なのではないか?
    判決、変身、アカデミーで報告する、掟の前で、の4篇いずれもがよくわからない。それでいてどこか人間を皮肉っているような印象が残る。
    とりあえず、虫にはなりたくないものである。
  • 寄宿生テルレスの混乱
    ストーリーとしては、なんだかんだ言ってうまく逃げた奴。もっと何かあっても良かったのにって思った。

    寄宿学校でのイジメ、同性愛の中で、テルレスが自分の中にある第2の生が何なのか説明したいけど言葉で表せないという。
    哲学論調。

    イジメを見ました。自分は傍観のみ。
    でも、影ではちょっといじめてみました...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    グレゴールくんは、両親と妹を養うため社畜暮らしをしているが、とある事情で働けなくなる。
    もちろん、仕事はクビに。
    今までグレゴールくんの稼ぎに頼っていた家族は、少しながら蓄えはあるものの、それぞれ仕事につく。
    グレゴールくんのお世話は疎か。
    グレゴールくんなんていなくなったらいいのに、そんな言葉を聞...続きを読む
  • 普及版 数の悪魔
    面白かったし、数学に久しぶりに触れられて個人的には充実した読書時間を経験させて頂きました。
    でも、やっぱり文系専攻の自分としては好奇心までは刺激されず。学生時代、理系コースの友人に「文系って意味不明。架空の物語に出てくる架空の主人公の気持ちを知って何の得があるの?」って言われたんだけど、まんまその言...続きを読む
  • マンネリズムのすすめ
    南木佳士「薬石としての本たち」で紹介されていたので読む.
    精神よりも身体の優位を優先するところ,日々のマンネリと批判される営みに価値を置くところに二人の共感はあるのだろう.わたしもその点では同感できる点が多くある.一方で,著者はドイツ文学者なので,そのマンネリズムをありすぎる教養で包み込まずにはいら...続きを読む
  • 寄宿生テルレスの混乱
    テルレスの混乱ぶりを体験させられる本。笑
    自分も迷い込んでしまいそうになる。テルレスが未知のものにぶつかりわけもわからないまま自分の中の衝動に惑わされる描写は素晴らしい。正直よくわからない部分もあった。全部わかったらそれこそ自分もめちゃくちゃに混乱するんじゃなかろうか。善悪だけでは判断できない官能と...続きを読む
  • 普及版 数の悪魔
    わかりやすくするために説明が省かれている部分も多い。そのため、逆に分かりにくくなっているような気もしないではない。でも、子供ができたらば読ませよう。
  • ツァラトゥストラ(上)
    比喩的にいろいろな主張を吠えているが,考え方,楽しみ方がまだわからない.とりあえずは下巻を読んでからかな.
  • 普及版 数の悪魔
     算数の不思議を、夢の中で子供が悪魔から学ぶというストーリー。素数を始めとする数字の不思議が理解できる。子供向けのお話だけど、大人もふんふんと改めて思い出すような内容。
     九九を勉強して、暗記中心の小学校の算数。でも、数学の本質は、数という発明を利用して、真理を追求する学問。数字は神秘的だ。それを少...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    「アカデミーで報告する」「掟の前で」それと解説とあとがきだけ読んだ。「変身」「判決」は、もう読んだことがあるからだ。
    「掟の前で」の寓話は、オーソン・ウェルズ監督の『審判』の冒頭と終盤で使われていた。
  • 普及版 数の悪魔
    数学ガールと併せて「小中学生の頃に読みたかった」と思った本です。

    やっぱ数学って面白いなと純粋に思えました。
  • 普及版 数の悪魔
    おお!って思うこともあって面白かった。でも、一回読んだだけではよく理解できないところもあったので、もう一回読んでおきたい。
  • 変身/掟の前で 他2編
    難解なテーマを、不可思議な設定で描いているのに、さらっと読ませてしまうところが見事。違う訳と読み比べてみたいなぁ。
  • ツァラトゥストラ(上)
    ツァラトゥストラはかく語りて
    ではなく、ツァラトゥストラはこう言ったと書かれると、何か軽く感じてしまう。