丘沢静也のレビュー一覧

  • 永遠の平和のために
    カントを読んだのは、高一の時に純粋理性批判でやられて以来である。確か100ページもしないうちに、その難解な訳文に耐えられず、結局読まずじまいに終わった。それ以来、カントのことは、頭の片隅に追いやっていた。
    しかしこの偉大な作者の晩年の作品は、驚くほど読みやすく、親しみやすい文体が流れていた。軍事強国...続きを読む
  • 恋愛の授業 恋は傷つく絶好のチャンス。めざせ10連敗!
    恋愛の授業 恋は傷つく絶好のチャンス。めざせ10連敗! 。丘沢 静也先生の著書。恋愛に正解はない。恋愛にマナーも常識もない。恋愛で傷つくのは恥ずかしいことでもなんでもない。傷ついた経験がないと成長できない。傷ついた経験があれば自分にも他人にも優しくなれる。どんどん恋愛で傷つけばいい。
  • ツァラトゥストラ(上)
    ドイツの思想家・古典文献学者ニーチェの思想のエッセンスが詰め込まれた本。

    名前だけ借用したゾロアスター教の開祖ツァラトゥストラの口を通して、ニーチェの思想が語られる。キリスト教聖書のパロディでもあり、物語でもあり、詩でもある。

    人生は無意味だ。でも、だからこそ、無意味から始めてみなくちゃあならな...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    『変身』は非現実的なお話だけど、現実社会をとても考えさせられる作品でした。

    主人公に「可哀想に…」と同情してしまうと同時に、現実社会で「私も無意識的に、主人公と同じような気持ちにさせている誰かがいるのではないか」と感じました。

    改めて自分自身を見つめ直すきっかけともなった作品です!
  • 普及版 数の悪魔
    大好きで、何度も何度も呼読んでいる本。
    この本のおかげで高校数学がなんと楽しかったことか。「悪魔が言っていたやつが出てきた!」と授業の中で気付いた時の嬉しさは今でも覚えています。
    やっぱり、素数は魅力的ですね。
  • ツァラトゥストラ(上)
    一言でいうと
    【徳を積み過ぎたツァラトゥストラが街に降りてきて徳について話してくれる内容の本】

    ニーチェの最高傑作と名高い「ツァラトゥストラ」。何も知らない時は、私はそれが人物の名前だと気づかなかった。

    山で徳を積み過ぎて、「あー、暇になりすぎた!太陽だって持っている燦々とした日光を何の見返りも...続きを読む
  • 普及版 数の悪魔
    小学生低学年の子供用に買ったが、少し早いかな。
    ルートや階乗が出てくるので。

    私自身すごく数学苦手で家庭教師つけてもらってたのだけど、中学生の頃にこれを読んでいたら少し違ったかなぁ?
    三角形の数やパスカルの三角形など面白かった。わかりやすいだけでなくウィットが効いているのが良い。
    大きくなったら子...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(下)
    「人生は何事もなさぬにはあまりにも長いが、 何事かをなすにはあまりにも短い」と中島敦は言っていますが、苦しみを何度味わっても自分の生を肯定的にとらえ上昇を希求すれば、何度繰り返しても足りない。学ぶことは永遠にある。って言ってる気がしました。
    最後は、全てのものごとは繋がっている、喜びは苦しみが深いほ...続きを読む
  • ツァラトゥストラ(上)
    この本は聖書のパロディーだと訳者あとがきに書いてあったけど、聖書を知らなすぎて元ネタが全くわからなかった。でも、パロディーなんだとしたら当時のキリスト教世界の人々にとって衝撃的な問題作であったことは容易に想像できる。私なら、お釈迦様とかのエピソードを色々出してきてそんでもって「釈迦は死んだ」とか言わ...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    かれこれ20年ぶりぐらいになるだろうかというぐらい離れていたカフカ。だいぶ印象が違う。若い頃に読む『変身』と今読む『変身』はやはり違う。主人公が可哀想でありながらしかし家族の邪魔になり、かつ最後家族は解放されている?家政婦への態度や間借り人たちへの態度からも分かるとおり、何か釈然としない感情は引き続...続きを読む
  • 普及版 数の悪魔
    小学生の時、休日を過ごす父が寝転がって読んでいた懐に潜り込んだのがきっかけ。一緒に出てくるトリックを解いたり、工作や色塗りをしたりした。高校以降の成績から言うと私は明らかに文系科目の方が得意ということになる訳だが、それは「数学の問題を考えるのは好きだけど当たらない」という不器用な片想いのような現象が...続きを読む
  • 普及版 数の悪魔
    1,0,素数,無理数,三角数,フィボナッチ数などの数学的な話を頭が痛くならない程度に、対話形式で展開する。
  • ツァラトゥストラ(下)

    大きなあこがれについて

    おお,俺の魂よ,俺はお前に全てを与へた.俺の手は,お前に触れて空つぽになつてしまつた.ところが,いま!いまお前は俺に微笑みながら,実に憂鬱さうに云ふ.「私と貴方では,何方が感謝すべきなんでせうね?与へる側が,受け取つてもらつた事を感謝すべきなんぢやないかな?プレゼントする...続きを読む
  • 賢者ナータン
    作者のこともこの著作のこともまったく知らなかったが、好きな『光文社古典新訳文庫』の新刊で、梗概が面白そうだったので読んでみた。

    一神教三兄弟のユダヤ教、キリスト教、イスラム教、のいがみ合いに対して、キリスト教徒である作者が、キリスト教に対してもっとも厳しい視点で、宥和を説く戯曲。
    デカメロン第一日...続きを読む
  • 普及版 数の悪魔
    面白かったな〜
    僕の夢にも数の悪魔が出てきて数学を教えてくれたらいいのに。
    そしたら寝たまま勉強できちゃう。
    頭良くなれるし。
    でも買ったやつ中古だから書き込みあった(笑)
  • ツァラトゥストラ(上)
    子供に音読してもらって聞いているのだけど、内容の深遠さよりも、描かれている状況のバカげた感じに打ちのめされて爆笑するしかなくなる、稀有な作品。
  • 変身/掟の前で 他2編
    なんとなく「読んだことある」作品を読む。
    ある青年に、家族に、降りかかる災厄。
    『掟』も、初読だったけど面白かった。
  • 変身/掟の前で 他2編
    1回目は、意味がよく分からず自分の読書力の無さに愕然とした。ウィキペディアの解説を見てから再読したところ、味のある話だと分かった。
    リンゴをぶつけられるところがシュールで面白い。

    仕事とか、家族とか、当たり前と思われている概念が、状況の変化で崩壊していくのがリアリティがあった。
  • ツァラトゥストラ(上)
    岩波文庫版で一度読んだが、ニーチェがこの本で伝えたかったことがいまいち掴みきれなかったことに悶々としていた為、光文社の新訳で再読。岩波文庫版よりだいぶ砕けた訳で、平易な言葉のためとても親しみやすい。こちらの訳も読んでみて正解。
  • 変身/掟の前で 他2編
    ある日目が覚めたら虫になっていた。
    頭の中はまだサラリーマン。
    4時の電車に乗らなくちゃ。
    何本もの足をもにょもにょ動かす。

    家族はみんなで虫を避ける。
    悲しんでいるのか哀れんでいるのか避けているのか嫌悪しているのか、あるいはそれら全てなのか。

    悲しいような辛いような、
    はたまたゾッとするような...続きを読む