丘沢静也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
世界的文学作家、カフカの史的批判版。実は初めてカフカを読んだ初心者だ。独特の世界観を持つ天才作家というふわっとしたイメージで読んだが、海外作品で且つ、古典となると日本人の感覚としては読みづらい。きっと初心者が読むならこの作家というセオリーはあったに違いない。それでも引き込まれる部分があったのはカフカという作家が書く文章に力があったからに違いない。最後の解説や訳者あとがきを読むことで違った解釈を得ることができたため、読み深めていく作品なのだと解釈した。現時点では3つ星だが、読者のレベルを高めてくれる著書。次回読んだ時に星が増えるのか否かを楽しみたい。
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Posted by ブクログ
設定だけは誰もが知る不条理作品である「変身」。筋書きは全く知らなかった。
虫になった初日朝、アポありのセールス先への遅刻の心配をするところから始まり、徐々に視力やらが虫化し、そのうち家族からも疎んじられ、父親から林檎を投げ付けられたり、お手伝いさんに殺されそうになったり、とひたすら虫ケラ化していく。最後は、食事というかエサも貰えず餓死し、家族は開放感に酔う。
描写を信じる限り、虫は、足多めの巨大ゴキブリ。虫の世話で生活に困窮した家族が間借り人を三人引き入れるも巨大ゴキブリを目にされて契約を破棄されたのは、そりゃそうだろう。
もうひとつの表題作「掟の前で」は僅か3頁の掌篇ながら、名作と名高 -
Posted by ブクログ
ネタバレ風刺を感じるトガッた小説だった。
判決 では介護問題?
変身 では障がい者問題
アカデミーで報告する では動物愛護の問題
掟の前で ではグズグズ生きて死ぬ前に後悔する人間
翻訳本の割にスルスルと読めたし、ちょっとSFチックな題材のチョイスにワクワクを感じた。
でも内容を真に理解するのがすごく難しい。というか全然理解できてない笑
判決 は、ペテルブルクの友達が出てきた意味がよくわからなかった。なんで主人公が自殺したのかも。
変身 が1番面白かったが、表現がちょっとグロテスクな上に、問題に対する出口のなさに心が痛くなる。
アカデミーで報告する は正直不完全燃焼感を感じた。サルが人間の知能を手に -
Posted by ブクログ
砕けた言葉が使ってあるけど、すっと理解出来ない。まるで詩を読んでいるようだ。しかも、どちらかと言うと売れない詩人の。。
あのニーチェの、あのツァラトゥストラ、という予備知識、先入観無しに読んだら、多分駄作と思った気がする。
気に入った、あるいは、えーっと思ったフレーズはこんな感じ。
P26
俺が愛するのは、サイコロで自分にいい目が出ると、恥ずかしく思って、『あれっ、いかさまやっちゃった?』とたずねる人間だ。
P133
女はおもちゃであれ。まだ存在しない世界の美徳に照らされた宝石のように、純粋で上品な、おもちゃであれ。
お前たちの愛のなかで、星の光が輝いてあれ!『超人を産みたい!』が、お -
Posted by ブクログ
ルイ・ボナパルトこと、ナポレオン三世はとっても変な人で、良い独裁者だったのではないか。民主的な考えを取り入れた独裁者だったと述べたのは鹿島茂氏。本著を読む前に、内田樹氏との対談に目を通した。
『資本論』がマルクスの資本主義論であるとすれば、本書はマルクスの民主主義論。うん、いたるところ支離滅裂で嘘八百でわけがわからない。だがそれでいい。これは、成田悠輔氏の言。うん、わけがわからない。
いざ。ページを開く。
ー ヘーゲルはどこかで、すべての世界史的な大事件や大人物はいわば二度あらわれる、と言っている。マルクスはそれに付け加える「一度は悲劇として、もう一度は茶番として」ダントンの代わりにコシデ