丘沢静也のレビュー一覧

  • 暦物語
    幅広い年代の史実や人物を題材にした物語が多い。しかしそれは物語にならないような筋書きのものが多く物語の顛末を期待して読むと肩透かしを食らう気がする。
    物語の雰囲気はよい。一方で理解に苦しむ文脈もあり、賛否は分かれそう。
    最後のコイナーさんの物語が印象的。解説にも触れているが、本当に作者の分身なのか。
  • この人を見よ
    ニーチェ。皆さん読んだことありますか?

    実は私は初めてででありました。

    何となく中二病、のイメージがあったんです。自意識やプライドが高く、劇的で劇画的。著作のなかの「神は死んだ」「ルサンチマン」などの言い回しは、哲学に関心のない方でも耳にしたことはあるのではないでしょうか。

    ただ、最近はどうで...続きを読む
  • 普及版 数の悪魔
    数学のおもしろい法則を物語仕立てにして、読みやすくした印象です。
    子どもから大人まで楽しめそうな本で、挿絵もかわいらしくていいです。
  • 変身/掟の前で 他2編
    初カフカ
    独特な言い回し、繰り返しが多くて面白かった。
    「答えが質問に衝突したのだ」とか
    読みやすいが、一瞬で解釈できる文が多いかというと実はそうではない。
    『掟の前で』の寓話感
  • 変身/掟の前で 他2編

    見た目がまったく大きく変わったグレーゴルと、それに劣らず変わっていく家族の関係。

    淡々とした文体なのに心にくるものがあった。
  • この人を見よ
    最近、自分の人生とそのあり方について考え、(就活のため)その結果、ニヒリズムに出会いました。
    ニーチェの考え方等に惹かれ、読んでみました。

    しかし、内容はほとんど理解できないまま読み切ってしまい、落胆しています。私はニーチェにお馬鹿さん認定されそうです。

    読書家の先輩と「読書は自分のレベルに合っ...続きを読む
  • 田舎医者/断食芸人/流刑地で
     初読の作品
     「ボイラーマン」
     「歌姫ヨゼフィーネ、またはハツカネズミ族」

     「ボイラーマン」が『失踪者』の第一章に相当するということは知っていたし(自分が小説を熱心に読んでいた頃は『アメリカ』として文庫本にもなっていた)、小説らしいと言えば小説らしい展開。

     それに対し、「ヨゼフィーネ」。...続きを読む
  • 永遠の平和のために
    1795年に公刊された平和論の古典、『永遠平和のために』の新訳。既存の、言ってみればお堅い翻訳を一新することを狙っているであろう訳語・訳文が随所に散りばめられており、従来の邦訳とはだいぶ違ったイメージをもたされる。また文庫本ながらアカデミー版のページ数が記載されており、研究の役に立つだろう。
  • 普及版 数の悪魔
    これは数学的センスの有無をふるいにかける本。

    奥深い数学の世界がカジュアルな文体で書かれているため、親子で読んでみるとよいかもしれません。 
  • 論理哲学論考
    高校生向けの解説つきでしたが、それすら私は難しかったです。本文も辛うじて読み通しましたが、よく解らずじまいでした。ですが、所々、気になる文章が出てくるので、他の解説書などを読んでから再チャレンジしたいです。
  • 暦物語
    1949年初版のドイツの庶民向けミリオンセラー短編集。全17篇。

    1編目の「アウクスブルクの白墨の輪」は、親権争いで二人の母親が幼児の腕を引っ張り合い、手を離した方が母親として認定されるお話。(キリスト教世界の定番ネタ?)

    「異端者の外套」は、仕立て代金の回収に奔走す老婆と、獄中から支払いを試み...続きを読む
  • ルイ・ボナパルトのブリュメール18日
    ジャーナリストとしてのマルクス、もしくはアジテーターとしてのマルクスか。筆が走るままに書いているような勢い。この人が現代にいたらツイッター中毒になっていたのでは、などと要らんことを考えてしまった。

    マルクスといえばロンドンのイメージが強いので、フランスの事情になんでこんなに詳しいのだろうと思って調...続きを読む
  • 普及版 数の悪魔
    この系統だとサイモン・シンの「フェルマーの最終定理」が抜群におススメだけど、中学生くらいの子供が読む分にはなかなか良い本だと思います♪「数学なんて何の役に立つんだ、くだらない」と言っている子供に読ませてみると良いかも??…ただ、全ての子供がこの本を読んで面白いとは思わないような気がしていて、何と言う...続きを読む
  • 寄宿生テルレスの混乱
    2021年 16冊目

     もう、無邪気に小動物をいたぶり殺す子供ではない。物の分別と残酷さへの憧れの境界線にいる少年たち。性衝動の嫌悪、憧れ。少年の心理発達を真横で鑑賞しているような気持ちになりました。
  • 賢者ナータン
     十字軍時代のエルサレムを舞台に、ユダヤ人の賢者ナータンは、金の調達に困っているスルタンのサラディンから、ユダヤ教、イスラム教、そして十字軍戦士が信仰するキリスト教、この3つの宗教のうち、本物の宗教はどれか、という罠を仕掛けた問いを出される。果たしてナータンは如何に答えるのか。 
     宗教間の対立、相...続きを読む
  • 普及版 数の悪魔
    滑り落ちていく怖い夢ばかり見るロバートの夢に、突然数の悪魔と名乗るおじいさんが出てきた。そして、数の不思議を教えてくれる。12夜に別れた数のいろいろ。ちょっとした頭の体操。
  • ルイ・ボナパルトのブリュメール18日
    マルクスの文章や分析には興味を覚えるが、当時の政治的背景等について一定の知識、理解がないと、本当のスゴさが分かりづらいと思われる。
  • 普及版 数の悪魔
    この本、いつ買ったんだんだっけ。奥付をみると、2009年5月26刷とあるから、10年ぐらい積読したのかな。通勤電車内では読むのには合わない本だよね。

    数学は得意ではないけれど嫌いじゃないので、ある程度(理系じゃない人の真ん中やや上と思っている)は出来ると思っていたので、まあ、子供向けの本だしと思っ...続きを読む
  • この人を見よ
    ごめんなさい、私の理解力がなさ過ぎるため、ほとんど頭に入って来なかった。
    最後の訳者による解説、あとがきで何とか「読んだ気」になった程度。。
  • 普及版 数の悪魔
    子どもから大人まで楽しめる、楽しい数学の物語。

    少年、ロバートは普通の男の子。算数はちょっぴり苦手。というか、学校で算数のボッケル先生が出す計算問題が嫌いだ。
    そんなロバートの夢の中に、毎夜毎夜、数の悪魔が現れるようになる。
    悪魔はロバートに数のいろんな不思議を話してくれる。それはボッケル先生がロ...続きを読む