丘沢静也のレビュー一覧

  • 変身/掟の前で 他2編

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    かわいそうなグレーゴル。突然の悲劇にもかかわらず、まず考えるのは「仕事に行きたくないなあ」「もう少し寝ちゃおう」なのが病んでいる。「わかるなあ」と思ってしまった私も、一人前に社会人失格。

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    2025年11月18日
  • 田舎医者/断食芸人/流刑地で

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    分かりやすく面白い話と、難解すぎる話とが混ざってる。
    救いなのは各話短いので、頑張って読み切ることが出来るところかな…
    巻末でカフカが"自分の作品で価値がある"と言っていたらしい作品は、確かに面白い。
    "流刑地で"と"断食芸人"は分かりやすくエンターテイメントで好きだった。
    最後のヨゼフィーネは何の話かずっと分からなかった… 世の中への風刺のメタファーとかなんかなぁ…

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    2025年10月25日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    世界的文学作家、カフカの史的批判版。実は初めてカフカを読んだ初心者だ。独特の世界観を持つ天才作家というふわっとしたイメージで読んだが、海外作品で且つ、古典となると日本人の感覚としては読みづらい。きっと初心者が読むならこの作家というセオリーはあったに違いない。それでも引き込まれる部分があったのはカフカという作家が書く文章に力があったからに違いない。最後の解説や訳者あとがきを読むことで違った解釈を得ることができたため、読み深めていく作品なのだと解釈した。現時点では3つ星だが、読者のレベルを高めてくれる著書。次回読んだ時に星が増えるのか否かを楽しみたい。

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    2025年05月29日
  • ツァラトゥストラ(下)

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    挫折! 「ペッパーズゴースト」で引用されていた「これが生きるってことだったのか。 よし、じゃ、もう一度!」だけ探して終了。

    「たった一度でいい。本当に魂が震えるほどの悦びを味わったのなら、その人生は生きるに値する。」
    これはニーチェ自身の言葉ではないらしい。

    ツァラトゥストラは2割も理解できなかったけれど、この考えと言葉は心に響く。

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    2025年04月23日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    挫折! 解説なしでは理解することはできなかった。
    キリスト教(聖書)を批判して、神は死んだのだから超人となり自分自身生きる意味を作り出せ、ただ生きる末人にはなるなという雰囲気は感じた。

    ニーチェ自身が「読書する怠け者を憎む」と書いていることからも、ツァラトゥストラを、読者に理解してもらおうとして書いているのではないことは分かった。

    「俺たちの曲をコピーするくらいなら自分たちで曲を作れ」と言ったハイスタンダードと似たものを感じた。

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    2025年04月23日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    設定だけは誰もが知る不条理作品である「変身」。筋書きは全く知らなかった。

    虫になった初日朝、アポありのセールス先への遅刻の心配をするところから始まり、徐々に視力やらが虫化し、そのうち家族からも疎んじられ、父親から林檎を投げ付けられたり、お手伝いさんに殺されそうになったり、とひたすら虫ケラ化していく。最後は、食事というかエサも貰えず餓死し、家族は開放感に酔う。

    描写を信じる限り、虫は、足多めの巨大ゴキブリ。虫の世話で生活に困窮した家族が間借り人を三人引き入れるも巨大ゴキブリを目にされて契約を破棄されたのは、そりゃそうだろう。

    もうひとつの表題作「掟の前で」は僅か3頁の掌篇ながら、名作と名高

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    2025年04月09日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    洋書の翻訳版は読みづらくて苦手と思っていたけど、意外とこれは読みやすくてすらすら読めた。起きたら虫になっているという衝撃なスタートだったけど、なかなか最後はなんとも言えない気持ちになった。

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    2025年01月11日
  • 普及版 数の悪魔

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    三角数・フィボナッチ数・パスカルの三角形・黄金比・順列など整数の不思議な性質を主に紹介する。図形の紹介はほぼない。数の不思議の紹介が主で理由の解説はほぼない。かなりの序盤で階乗の説明が入るのが面白い。

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    2024年12月26日
  • 普及版 数の悪魔

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    数学をファンタジー風な小説でわかりやすくというのがコンセプトなようだが、かえってわかりにくいような感じを受けた。
    もっと面白くなりそうな気もするが、少し古いだからかもしれない。

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    2024年12月12日
  • 普及版 数の悪魔

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    算数、数学を理解するためではなく、楽しむための一冊、ととらえて読みました。ファンタジー小説として可愛くて楽しかった。
    有名な定理がフランクな例え話から登場したり、数学者がキャラクター化して出てきたりと、数学に詳しい人ほどクスッとくる内容でもあるのかもしれない。
    数学をもう一度勉強してからまた読みたいなと思った。

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    2024年12月04日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    ネタバレ

    風刺を感じるトガッた小説だった。
    判決 では介護問題?
    変身 では障がい者問題
    アカデミーで報告する では動物愛護の問題
    掟の前で ではグズグズ生きて死ぬ前に後悔する人間

    翻訳本の割にスルスルと読めたし、ちょっとSFチックな題材のチョイスにワクワクを感じた。
    でも内容を真に理解するのがすごく難しい。というか全然理解できてない笑

    判決 は、ペテルブルクの友達が出てきた意味がよくわからなかった。なんで主人公が自殺したのかも。
    変身 が1番面白かったが、表現がちょっとグロテスクな上に、問題に対する出口のなさに心が痛くなる。
    アカデミーで報告する は正直不完全燃焼感を感じた。サルが人間の知能を手に

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    2024年06月29日
  • 永遠の平和のために

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    人間は、本来邪悪な存在で、放っておいたら戦争になる。「戦争を無くす」ことではなく、「戦争をいかにすれば回避することができるか」を考えるべき。
    NHKカルチャーラジオ 歴史発見「カント哲学と現代 平和論が私たちに問うもの」の助けを借りながら、読み進めた。カントの時代とは状況がかなり異なるが、現代にも通ずる考え方。2024.6.18

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    2024年06月18日
  • 田舎医者/断食芸人/流刑地で

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    リアリティをもって語られるカオス

    将校は旅行者の両腕をつかんで、あえぎながら顔をのぞき込んで、深い呼吸をした。話の最後のほうは将校が叫んでいたので、兵士と囚人までもがこちらを見つめていた。話の内容が理解できなかったにもかかわらず、ふたりはお粥を食べる手を止めて、口をモグモグさせながら旅行者の顔を見ていた。

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    2024年06月02日
  • ツァラトゥストラ(上)

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    砕けた言葉が使ってあるけど、すっと理解出来ない。まるで詩を読んでいるようだ。しかも、どちらかと言うと売れない詩人の。。

    あのニーチェの、あのツァラトゥストラ、という予備知識、先入観無しに読んだら、多分駄作と思った気がする。

    気に入った、あるいは、えーっと思ったフレーズはこんな感じ。

    P26
    俺が愛するのは、サイコロで自分にいい目が出ると、恥ずかしく思って、『あれっ、いかさまやっちゃった?』とたずねる人間だ。

    P133
    女はおもちゃであれ。まだ存在しない世界の美徳に照らされた宝石のように、純粋で上品な、おもちゃであれ。
    お前たちの愛のなかで、星の光が輝いてあれ!『超人を産みたい!』が、お

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    2024年05月25日
  • 普及版 数の悪魔

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    子供向けなのでサクサク読めた。
    子供向けでも肝心の数式や定義のところは、文字として理解はできるが、ピンとこない。
    やっぱり算数や数学は苦手なのだと実感した。

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    2024年05月08日
  • この人を見よ

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    全体的に言いたいことがなんなのかわからなかったが、ところどころからドイツ人を理想主義者と言って非難していることだけはわかった。
    「道徳とは生に復讐せんとする下心を備えていて、そしてそれに成功したデカダンの徒輩の病的特異体質である。」という文章から道徳は作り上げられた価値観に過ぎないのだと思った。

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    2024年04月29日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    『変身』を目当てに本を買い読みました。

    ある日、目が覚めると主人公が虫になっていたという突拍子もない展開から物語が始まるから、もっと主人公の内面的な葛藤とか苦悩が生々しく描かれているものかと期待していましたが、まさかの内容はルッキズム云々的なものであり思ったよりも淡々と物語が進行するので(翻訳の問題なのか?)肩透かしを食らったというのが正直な感想でした。洋書初心者なので単に自分に合わなかっただけかもしれませんが、、、。

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    2024年02月27日
  • ルイ・ボナパルトのブリュメール18日

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    ルイ・ボナパルトこと、ナポレオン三世はとっても変な人で、良い独裁者だったのではないか。民主的な考えを取り入れた独裁者だったと述べたのは鹿島茂氏。本著を読む前に、内田樹氏との対談に目を通した。

    『資本論』がマルクスの資本主義論であるとすれば、本書はマルクスの民主主義論。うん、いたるところ支離滅裂で嘘八百でわけがわからない。だがそれでいい。これは、成田悠輔氏の言。うん、わけがわからない。

    いざ。ページを開く。
    ー ヘーゲルはどこかで、すべての世界史的な大事件や大人物はいわば二度あらわれる、と言っている。マルクスはそれに付け加える「一度は悲劇として、もう一度は茶番として」ダントンの代わりにコシデ

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    2024年02月17日
  • 恋愛の授業 恋は傷つく絶好のチャンス。めざせ10連敗!

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    先生の大学講義の記録っていう感じ。こういうふうにやってるのか。音楽聞かせて自由にエッセイ書いてもらう、っていう感じ。授業記録なので読みにくい。むしろyoutubeとかで学生も含めてやってもらった方がよさそう。

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    2023年07月25日
  • ルイ・ボナパルトのブリュメール18日

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    1848年の2月革命から1851年のルイ・ボナパルトによるクーデターまでを、同時代人の、あのカール・マルクスが論じた本。
    ナポレオン3世のことを、凡庸でグロテスク、山師、男妾、と蔑称塗れで呼んでいるが、内容は冷静に政治過程を論じてある。

    難しい局面になると、議会政治が機能しなくなり、庶民の不満を求心力にした簒奪者が更に世の中を破滅に導く構図は、昭和日本と同じと思った。

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    2023年04月15日