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Posted by ブクログ
以前カフカの『変身』を含む短編集を読んだ際、不可解さとともに奇妙に魅力を感じたため別の短編集も読むことにしました。本書はカフカの短編小説が8編も掲載されている薄い本ですが、全体的な感想を述べたのちに各編の感想を書くことにします。
全体を通じて、意味不明な展開を通じて何らかの隠喩を乗せていることは明確なように思われます。しかし、何が何を意味しているかが全く明確ではないので、人それぞれの解釈が生じるタイプの作家なのでしょう。読まれることで、すなわち、読者との相互作用によってはじめて一つの作品として完結するという意味で素晴らしい小説家なのかもしれません。しかしながら、現代の読者としては、メタファーの働きを感じながらも具体的なことを何も感じないことにもどかしさも感じます。人気の理由はわかりますが、私はあまり好みではないです。
◇『インディアンになりたい』
さすがにわかりません。開放感を求める勢いを感じます。
◇『突然の散歩』
「わからない」と言いたいところですが、不思議とわかるような気もします。実家暮らしのころ、何とも言い表せない窮屈さというか、家族といるのに感じる不思議な寂寥感に追い込まれて、意味もなく深夜外を出歩いたことがあります。そういう気持ちを思い起こさせられる一節です。
◇『ボイラーマン』
内容はさておき雰囲気としては一番『変身』と同じものを感じました。あらすじだけ示せばシンプルになるかもしれませんが、登場人物の心情・行動・発言がところどころめちゃくちゃです。文学の専門家であれば何かメタファーを読み取れるかもしれませんが、私には読み取りようがありません。何なんだ?
◇『流刑地で』
状況も何も分かったものではありません。私が買った版の帯には「『?』のエンターテイナー」と書いてありますが、私にはこれがエンターテインメントなのかどうかもわかりません。生理的嫌悪感をもたらす不条理かつ残虐な展開に対して登場人物が妙に達観して納得している点に当然何らかの作為の存在を感じ取るわけですが、それが何なのか簡単には理解できず、確かに「?」が残ります。カフカの作品は面白いのか、面白くないのか、それすらよくわからなくなってきました。
◇『田舎医者』
理不尽度は一番高いかもしれません。どういうこと?何を言いたいの?本感想を書き終わった後に世間の解釈を探してみようかなと思いました。
◇『夢』
夢すぎるでしょこれ。私も意味もなく自分が死んで墓に入る夢をみたことがあります。
◇『断食芸人』
小説としては本作が一番わかりやすいのかもしれません。とはいえ本書はかなり複層的な作品ではあり、シンプルな小説家としてのカフカの技量も感じます。
◇『歌姫ヨゼフィーネ、またはハツカネズミ族』
あまりにわかりみが浅い。そりゃ読んだは読んだよ?だからって何なんだよ?
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