圷香織のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルからも解るように、第二次世界大戦下の英国モノ。
コージーちっくな表紙ではありますが、意外と内容はシリアスだったりします。
アメリカ育ちのイギリス人・マギーは、チャーチル首相のタイピストとして働くことになります。
ナチスドイツによる侵攻が迫るだけでなく、アイルランドの武闘派・IRAによるテロ行動など、様々な陰謀が渦巻く中にマギーも巻き込まれていきますが・・。
前半は、マギーとルームメイト達との暮らしぶりや、チャーチルのタイピストとしてのお仕事モノ的な部分と、一方でテロリストの不気味な動きが並行して描かれていていますが、話が進むうちに、スパイやテロといった国家レベルの陰謀と、マギーの死んだと思われていた父親の秘密や彼女の個人的な問題とが絡み合って展開し、しかもそこに恋・友情・LGBT等々・・・と、何だかメガ盛り状態です。
後半で、マギーが“広告の暗号”に気づく辺りから上記の要素が一気に動きだして、話の展開が加速していくのが面白く、手に汗握りながら読ませて頂きました。
加えて、戦時下のロンドンの様子もリアルに描かれているのも興味深かったです。
ラストではマギーが思わぬ転職のオファーを受けていましたが、本作はシリーズ化されているので、マギーのその後の活躍を次作で読めるということなのかな。是非チェックしてみたいですね~。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小学生の時、学級文庫にあった〈少年少女××文庫〉で読み、初めて物語の展開にドキドキして読み進めた思い出の本。紅はこべのかっこ良さに憧れていた。当然それは抄訳・意訳であったろうが、今回新訳で大人の本として読んでみると、記憶にあるハラハラワクワク感が全くなくて、あれっ?紅はこべってこんな話だったのか、、、とがっかり。
主人公は紅はこべではなく、その奥さんじゃん!
作者の、あのバーネット夫人はハンガリーの由緒ある男爵家に生まれたというから、そりゃ紅はこべ夫人であるブレイクニー准男爵夫人の描写が実に細かく丁寧にされているのも納得できたのでした。 -
Posted by ブクログ
前に読んだ本が面白かったので。こちらの方が先に書かれた作品だったんですね。
時代背景が古いので、お金の無い旧家の令嬢なんてロクなもんじゃないな、というのが一番の感想。働く場所もないし、勉強する場もないし、留学や社交するお金もない。家長である父親がやる気を出さないとどうしようもない世界で、娘の存在も忘れているような男に結婚の面倒なんか出来るわけないものなぁ。これだから男には任せられないよな~と現実をみたら奥さんは嘆きそう。
それにしても若くして亡くなった金持ち息子はなんでそれほど彼女に執着してたんだろう?作中語られた気もするけれどもあまり記憶に残らない。そしてマルチエンドのように3人も男性を用意したため、結局どうなるのよ?というあたりで話がボケてしまい、どっちつかずの結末が残念でした。まぁでも実際問題、世間知らずでつぶしも聞かない彼女はカネモの従兄と結婚するしかないのでは?途中までその一択だったのに、なんでそういう展開にしちゃったかな、とちょっと残念に思いました。
個人的には一番かっこよかったのはヒロインの母親だと思うけれども、彼女が亡くなったもの大分八つ当たりのとばっちりだし、それで死後はあれか、というと本当に救いがない。ドラマ版は色々変えているみたいですが、確かに登場人物と、特に恋愛部分をスッキリさせた方が面白くなりそう。舞台背景は面白いなと思ったので。 -
Posted by ブクログ
ナチスドイツの空襲が迫るロンドン。
イギリス人でアメリカ育ちのマギーは祖母の屋敷でハウスメイド達と暮らしていた。
アメリカに帰ってマサチューセッツ工科大で学びたいものの、イギリスにも愛着が出てきていた。
そんな時にチャーチル首相のタイピスト職の声がかかる。
ロンドンで暗躍する怪しい人々。
マギーの家族の秘密。
次から次へと出てくる謎とピンチ。
マギーは持ち前の負けん気と聡明さで立ち向かうが。
ナチスの影が迫り、食料も乏しく、動物園や市街地も閑散とするロンドン。
それでも、マギーの友人たちは軽口を言い合ったり、愚痴を言い合ったりしながら過ごしている。
色気たっぷりの親友ページ、恋人とラブラブなチャック、妖精のような双子、バレリーナのサラ。
男性陣も個性豊か。
職場の上司も厳しいながらも魅力的。
不安も不満も募るけれど、イギリスの人々の逞しさが悲惨な状況にも明るさを見いだす。
場面が度々変わるので、それについて行くのが大変だった。横文字の名前もあれ?誰だっけ?と何度も思ったし。
展開が早くてドンドン読めるけど。
もっとマギーの理系力が活躍してもいいのにと歯がゆい。結局、暴力が中心で知力の活躍の場があまりないのが残念。
マギーの知的な描写より、サラのバレリーナの描写の方がリアルだったなー。 -
Posted by ブクログ
表紙の絵柄に騙されないように!
全然コージーミステリではありません。
主人公マギーの生い立ちや生死不明の父親、IRAのテロリストだけでも相当ハードなのに、第二次世界大戦中、空襲まっただ中のロンドンで、相当ハードなスパイ物?。
最初からそういうつもりで読めば面白いとも思うけど、期待していたテイストが違いすぎて、読後疲れた。
自信満々なわりに自分勝手なマギーの性格にあまり共感できなかったけど、脇を固めるキャラはかなりいい。
特にチャーチル首相は史実にもあるが、本当困ったちゃん、という感じで、奥さまの絶妙なフォローがすばらしい。最初はマギーにボロクソ悪口言われてた上司や諜報部の長官など、実は年輩の方々の方が生き生きと描かれていて魅力的だった。いちおうマギーと恋人ぽくなるジョンは人物描写がイマイチで、登場場面は多いのになんだか影が薄い。
著者はポール・サイモンの「暗号解読」を参考図書にしたらしく、解説文はおもしろいのに、マギーが暗号を解いているシーンは具体性も臨場感もない。おそらく著者は「リケジョ」ではないだろうし、リケジョの性格や行動パターンもリサーチしなかったのだろう、それでマギーのキャラが中途半端なんだなぁ……と残念。
全体的にこの作品は、主人公や重要登場人物ほど魅力が伝わりにくくて、そこが最大のネックだと思った。 -
Posted by ブクログ
第二次大戦下のロンドンを舞台に、才気煥発なアメリカ(育ちの)娘、マギーが活躍するスパイ物。
というと、表紙デザインもあいまって、ラノベ的な雰囲気かと思ってしまいますが、いやいやどうして、なかなかに本格的な作品です。空襲のロンドンにテロリストに暗号にスパイに・・・本当に盛りだくさん。
盛りだくさん過ぎて、一気読みしてしまうのですが、読み終わってみると、マギーさんスイスイ活躍しすぎでは?感でいっぱいになります。紆余曲折する暇がないほど、いろんな要素がてんこもり。だから、案外一直線な作品です。
ただね。この主人公があんまり好きになれないんだなぁ。まだ男女間に社会的格差のある時代に、有能な女の子が、それもアメリカからイギリスへやってきて、不満があるのはわかります。でも、私が!私は!っていう自己主張の強さと暴走気味の行動力と、有能設定とモテ設定と、万能感と。
なんか鼻につくというか、ちょっと盛りすぎじゃないでしょうかね?
もちろん、マギーはとても素敵な子ではあるんですが、ちょっとばかりぺしょんと凹ませてやりたくなったりするのです。
それでも次作は・・・ちょっとばかり、気になります。文句言いながらも、私もマギーの魅力にやられたクチ、ということになるのでしょうか。