吉成真由美のレビュー一覧
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ノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、マーティン・ウルフ、ビャルケ・インゲルス、フリーマン・ダイソンといった政治学教授、発明家、経済ジャーナリスト、建築家、数学者といった知の先端をいく人たちへのインタビュー集。
AIが指数間的に成長していく未来を描くレイ・カーツワイルの話が一番面白かったし再読したい。
どの人たちも専門分野以外にも深い知識を持っているのが参考になる。
インタビュアーの吉成さんの質問が全部的確で勉強量も含めて頭の良さがにじみ出ていると思う。あとがきの見解の「不確実社会では感情に訴えるようなシンプルストーリーはプロパガンダだと思ってファクトチェックを重ねて熱狂を避ける」というところに同意。
各著者におすすめの本を聞いているのがありがたい。 -
Posted by ブクログ
「利己的な遺伝子」で有名なドーキンスが、英国王立研究所で子ども達に行ったクリスマス・レクチャーの全訳ということで、楽しみにして読みました。
子ども達が対象のレクチャーということで、話は非常にわかりやすくありながら、自然選択による進化のメカニズムが実に論理的・具体的に説明されていて、とても勉強になりました。十二分に大人が読んで耐える内容です(特に文系で生物学の知識が不十分な僕のような者にとっては)。
レクチャーの全訳の後、第6章として加えられていた、翻訳者とドーキンスとの一問一答もおもしろく、ためになりました。これらが、これまでにドーキンスが著してきた本のダイジェストにもなっており、さらに勉強してみたいと思ったときのよい手引き書にもなっています。
それにしても、神や迷信を一切寄せ付けないドーキンスの合理性の徹底ぶりは凄く、真理の探求に対して真摯で、かつ人生に対して前向きな態度はすばらしい。
読後感も非常に良く、ぜひ子どもにも読んで欲しいと思いました。 -
Posted by ブクログ
テーマは利己性と利他性、社会性。集団によってどのように暴力性は生まれるかといった考察は興味深い。
エドワード・O.ウィルソン
高度な社会性を形成する真社会性は、生物進化の歴史上、少なくとも17回実現している。テッポウエビで3回、スズメバチで2回、キクイムシで2回、ハダカデバネズミで2回など。人類では、300~100万年前にグループ間の競争があった。競争を好む性質は、群選択によってもたらされた。社会的生物では、グループの中では利己的な個体が有利になるが、グループ全体として行動する場合は利他的なグループが有利になるという法則がある。宗教信仰は部族主義から生まれてきた。哺乳類のバイオマスのうち、人間が36%、家畜が60%を占め、野生動物は4%にしかならない(PNAS, 2018/6/19)。
ティモシー・スナイダー
ポピュリズムによって出てきた人物が、自分は人々の声の体現者であると言いつのることによって、法や体制が意味を失っていき、障害物として払拭されることが危険であり、こうしてポピュリズムはある種のファシズムに変化していく。インターネットでは、嘘は真実より70%も多くリツイートされ、6倍速く広く深く伝わる(Science, 2018/3/8)。ナチのヘルマン・ゲーリングは、「人々を戦争に同意させるのは簡単だ。我々は攻撃されたと言いふらし、平和主義者を国に危機をもたらす愛国心を欠いた卑怯者と言って貶めればいいだけだ」と言っている。
ダニエル・デネット
哲学者は、繰り返し問いかけ批判することで思考を深め、より適切な問題設定をすることに長けている。意識はひとつではなく、非常にたくさんの事柄が一緒になったもの。ありとあらゆる能力とは別に、意識というものが特別に存在すると考えるのは誤り。宗教への信仰をもたない人たちの数は急速に増えている。イスラム過激派の台頭などは、宗教の最後のあがきを見ている。安定した持続力のあるコミュニティには、入口と出口の非常に厳しいルールがある。内部ではかなり透明だが、外部を嫌い、コミュニティからの離脱を厳しく罰する。
ノーム・チョムスキー
アメリカで生まれた多国籍企業は、世界の富の約半分を占めている(ショーン・スターズ2014)
最大の暴力は考えることをせずに素直に指示に従ってしまう善良な一般人によって行われる(ハンナ・アーレント)。 -
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文系脳の私でも読めた科学の本であり、この世界や生き物をできるだけ理解しようと、前向きになれる一冊。
この本は、リチャード・ドーキンスが91年に行った子どもたち向けの「進化」についての講義を書籍化したもの。子どもたち向けなので、難しい数式とか図とかは一切出てこないし、わかりやすい例えや図で文系脳の私でも苦なく読めた。
読んでいると、自分という存在を俯瞰しすぎて不思議な感覚に陥る。
太陽系が終焉するといわれる2億世紀の中のいち部分を生きている自分、デザインされたように見えるけど、進化の結果として生まれた自分、共通のDNAをもつすべての生命の中の一種としての自分。スケールの大きさにも気が遠くなるが、そんな世界を解き明かせる科学の力に驚かされる。
そして、科学は、世界や生物に対しての素晴らしさを教えてくれる。進化を経た今を生きていることの貴重さと一緒に、何か温かい気持ちになる。
古賀史健さんの書く人の教科書を読んでから、「一冊の本を読むように世界を読む」ことを意識しているが、それを更に後押ししてくれるような本だった。