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Posted by ブクログ
「利己的な遺伝子」で有名なドーキンスが、英国王立研究所で子ども達に行ったクリスマス・レクチャーの全訳ということで、楽しみにして読みました。
子ども達が対象のレクチャーということで、話は非常にわかりやすくありながら、自然選択による進化のメカニズムが実に論理的・具体的に説明されていて、とても勉強になりました。十二分に大人が読んで耐える内容です(特に文系で生物学の知識が不十分な僕のような者にとっては)。
レクチャーの全訳の後、第6章として加えられていた、翻訳者とドーキンスとの一問一答もおもしろく、ためになりました。これらが、これまでにドーキンスが著してきた本のダイジェストにもなっており、さらに勉強してみたいと思ったときのよい手引き書にもなっています。
それにしても、神や迷信を一切寄せ付けないドーキンスの合理性の徹底ぶりは凄く、真理の探求に対して真摯で、かつ人生に対して前向きな態度はすばらしい。
読後感も非常に良く、ぜひ子どもにも読んで欲しいと思いました。
Posted by ブクログ
文系脳の私でも読めた科学の本であり、この世界や生き物をできるだけ理解しようと、前向きになれる一冊。
この本は、リチャード・ドーキンスが91年に行った子どもたち向けの「進化」についての講義を書籍化したもの。子どもたち向けなので、難しい数式とか図とかは一切出てこないし、わかりやすい例えや図で文系脳の私でも苦なく読めた。
読んでいると、自分という存在を俯瞰しすぎて不思議な感覚に陥る。
太陽系が終焉するといわれる2億世紀の中のいち部分を生きている自分、デザインされたように見えるけど、進化の結果として生まれた自分、共通のDNAをもつすべての生命の中の一種としての自分。スケールの大きさにも気が遠くなるが、そんな世界を解き明かせる科学の力に驚かされる。
そして、科学は、世界や生物に対しての素晴らしさを教えてくれる。進化を経た今を生きていることの貴重さと一緒に、何か温かい気持ちになる。
古賀史健さんの書く人の教科書を読んでから、「一冊の本を読むように世界を読む」ことを意識しているが、それを更に後押ししてくれるような本だった。
Posted by ブクログ
英国王立研究所で、電磁気学・電気化学の研究で有名なマイケル・ファラデーが1825年に始めた“クリスマス・レクチャー”において、現在最も注目される進化生物学者のひとりリチャード・ドーキンスが『宇宙で成長する』と題して、1991年から5回に亘って行ったレクチャーの内容を編集・邦訳したもの。
ドーキンスは、ダーウィンの思想的後継者とも言われる学者であるが、本レクチャーの中で、様々な実験・実例を使って、進化の問題を考える上で最も重要な以下のようなポイントについて、易しく見事に説明している。
◆現存する生物の進化のためには長い時間が必要であったが、人間にその長さがイメージできないだけで、実際にはそれに十分な時間が存在していたこと。
◆(神が世界を創造したと考える)「創造説」論者が、「神こそがデザインした」と言うようなデザインの生物(瓶のような食虫植物や小枝と見間違うようなナナフシ等)こそ、ダーウィンの「自然選択」という考え方で説明可能であること。
◆「創造説」論者が、「進化途中の中途半端な状態では役に立たない」と言う眼や翼のような機能でも、無いよりはあったほうが生存競争には有利であり、進化とは長い時間の中で幸運を僅かずつ積み重ねて、不可能と思われた山に登るのと同じであること。
また、本レクチャーのテーマである「宇宙で成長する」とは「権威や伝統や個人的な啓示ではなく、証拠とオープンな議論とに基づいた、しっかりした科学的な宇宙観というものに移行していくということを意味する。・・・「超自然的な解説」というものに逃げてしまわずに、実際宇宙がどのようになっているかを知ろうと地道に努力を積み重ねていくことを意味する」と言い、今我々が存在するこの世界が如何に驚くべき素晴らしい事実に満ち溢れているか、そしてその美しさを詳らかにするのが科学の力であることを繰り返し語っている。
訳者はあとがきで「ドーキンスの著作のエッセンスが網羅されているので、彼の世界への入門としても格好の書」とも述べている。
進化論の世界を実感として捉えられる良書。
(2015年1月了)
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