【感想・ネタバレ】進化とは何か ドーキンス博士の特別講義のレビュー

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Posted by ブクログ

今から30年ほど前に行われたドーキンスの講演録である。
地球上のあらゆる動物の存在理由は遺伝子の複製であり、進化とはその複製過程で生じた突然変異が生存に有利に働いた場合に次の世代に受け継がれる、という営みが数千数万世代繰り返されて漸進的に達成される。
私たち人間が精々100年程度の時間感覚しか持ち得ないため、数億年をかけて実現される進化の過程にピンとこないのだ。

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

『利己的な遺伝子』で有名なドーキンス氏の、1991年に行われた講演+編訳者によるインタビュー。
豊富な実験を示しながらのレクチャーで、進化論の予備知識などなくとも分かりやすく、楽しめる。
創造説をバッサリ斬り捨て、科学的真実の美しさを語るドーキンス氏の語り口は痛快の一言。
科学への興味が増進すること間違いなし。
子供にも読んでほしい本。

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2016年02月13日

Posted by ブクログ

「利己的な遺伝子」で有名なドーキンスが、英国王立研究所で子ども達に行ったクリスマス・レクチャーの全訳ということで、楽しみにして読みました。
子ども達が対象のレクチャーということで、話は非常にわかりやすくありながら、自然選択による進化のメカニズムが実に論理的・具体的に説明されていて、とても勉強になりました。十二分に大人が読んで耐える内容です(特に文系で生物学の知識が不十分な僕のような者にとっては)。
レクチャーの全訳の後、第6章として加えられていた、翻訳者とドーキンスとの一問一答もおもしろく、ためになりました。これらが、これまでにドーキンスが著してきた本のダイジェストにもなっており、さらに勉強してみたいと思ったときのよい手引き書にもなっています。
それにしても、神や迷信を一切寄せ付けないドーキンスの合理性の徹底ぶりは凄く、真理の探求に対して真摯で、かつ人生に対して前向きな態度はすばらしい。
読後感も非常に良く、ぜひ子どもにも読んで欲しいと思いました。

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2015年03月23日

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ドーキンスがこどもを対象に「進化」についてレクチャーした内容の書籍。
進化というう難しい話をとても分かりやすく解説している。訳も読みやすい。
とても収穫になった!

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2015年03月09日

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 文系脳の私でも読めた科学の本であり、この世界や生き物をできるだけ理解しようと、前向きになれる一冊。

 この本は、リチャード・ドーキンスが91年に行った子どもたち向けの「進化」についての講義を書籍化したもの。子どもたち向けなので、難しい数式とか図とかは一切出てこないし、わかりやすい例えや図で文系脳の私でも苦なく読めた。

 読んでいると、自分という存在を俯瞰しすぎて不思議な感覚に陥る。
 太陽系が終焉するといわれる2億世紀の中のいち部分を生きている自分、デザインされたように見えるけど、進化の結果として生まれた自分、共通のDNAをもつすべての生命の中の一種としての自分。スケールの大きさにも気が遠くなるが、そんな世界を解き明かせる科学の力に驚かされる。
 そして、科学は、世界や生物に対しての素晴らしさを教えてくれる。進化を経た今を生きていることの貴重さと一緒に、何か温かい気持ちになる。
 古賀史健さんの書く人の教科書を読んでから、「一冊の本を読むように世界を読む」ことを意識しているが、それを更に後押ししてくれるような本だった。

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2021年09月11日

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元は講義なので非常に平易。
この講義を実際に聞きたかった。

出張の1日目の午後で読み終わってしまった。
後2日、何か買わないと・・・

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2019年03月05日

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ドーキンスのレクチャーを書籍化したもの。
豊富な実験で、レクチャーが分かりやすく説得力のあるものになっています。
動画で見たいですね。

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2016年03月13日

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英国王立研究所で、電磁気学・電気化学の研究で有名なマイケル・ファラデーが1825年に始めた“クリスマス・レクチャー”において、現在最も注目される進化生物学者のひとりリチャード・ドーキンスが『宇宙で成長する』と題して、1991年から5回に亘って行ったレクチャーの内容を編集・邦訳したもの。
ドーキンスは、ダーウィンの思想的後継者とも言われる学者であるが、本レクチャーの中で、様々な実験・実例を使って、進化の問題を考える上で最も重要な以下のようなポイントについて、易しく見事に説明している。
◆現存する生物の進化のためには長い時間が必要であったが、人間にその長さがイメージできないだけで、実際にはそれに十分な時間が存在していたこと。
◆(神が世界を創造したと考える)「創造説」論者が、「神こそがデザインした」と言うようなデザインの生物(瓶のような食虫植物や小枝と見間違うようなナナフシ等)こそ、ダーウィンの「自然選択」という考え方で説明可能であること。
◆「創造説」論者が、「進化途中の中途半端な状態では役に立たない」と言う眼や翼のような機能でも、無いよりはあったほうが生存競争には有利であり、進化とは長い時間の中で幸運を僅かずつ積み重ねて、不可能と思われた山に登るのと同じであること。
また、本レクチャーのテーマである「宇宙で成長する」とは「権威や伝統や個人的な啓示ではなく、証拠とオープンな議論とに基づいた、しっかりした科学的な宇宙観というものに移行していくということを意味する。・・・「超自然的な解説」というものに逃げてしまわずに、実際宇宙がどのようになっているかを知ろうと地道に努力を積み重ねていくことを意味する」と言い、今我々が存在するこの世界が如何に驚くべき素晴らしい事実に満ち溢れているか、そしてその美しさを詳らかにするのが科学の力であることを繰り返し語っている。
訳者はあとがきで「ドーキンスの著作のエッセンスが網羅されているので、彼の世界への入門としても格好の書」とも述べている。
進化論の世界を実感として捉えられる良書。
(2015年1月了)

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2016年01月11日

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ネタバレ

「利己的な遺伝子」の著者リチャード・ドーキンスが1991年に英国王立研究所で行った、子どもたちを対象とした「進化」についてのレクチャーと著者へのインタビューをまとめた一冊。進化論と科学への啓発で、分かりやすくて面白い。しかし、「私たちは、DNAがひたすら同じDNAのコピーを作るために組み立てられた機械なのです」というメッセージは、おそらくそれが事実なのだろうが、特に子どもにはショッキングな内容で、レクチャーの中でケアが必要な気がする。

このメッセージの解釈は人それぞれだと思うが、我々人間は生きる意味や目的を求めてしまう生き物である。しかし、デザイノイド(デザインされたように見える物体)である我々には、本質的には生きる意味や目的は無い。ということは、意味や目的が欲しければ、自分の意思で決めればよいのではないだろうか。生きる意味がないからといって悲観的になったり、死に急ぐ必要はない。「生きる」ということに意味はないが、「生きている」ということ自体は信じられないほどの幸運である。そうであれば、この幸運に感謝しながら、自分の意思で好きなことをすればよい。ドーキンス自身は、この幸運がどのようにしてもたらされたのか、つまり宇宙は一体どうなっているのか、生命とは何かといったことを追求する「科学」に時間を費やすのが最も有意義だと考えている。
このように解釈すれば、とりあえずショックは軽減される気がする。さて、私は何のために生きようか。

・第一章 宇宙で目を覚ます
・第二章 デザインされた物と「デザイノイド」(デザインされたように見える)物体
・第三章 「不可能な山」に登る
・第四章 紫外線の庭
・第五章 「目的」の創造
・第六章 真実を大事にする―吉成真由美インタビュー

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2015年12月08日

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2015/09/08

創造説を切る所が面白かった

目 翼

単純な目でもないよりは便利

不可能な山に登る
※下れない

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2018年09月08日

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科学的であることが何よりも重要、そんな著者の思いを込めてダーウィンの進化論をとても分かりやすく(元々子供向けののレクチャーを書籍にした)解説し、返す刀で神秘体験なども切る科学の啓蒙書です。終章のインタビューでAIDSに耐性をもった遺伝子がアフリカで見つかったとの話には驚きました。人類は今も進化している!

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2015年08月09日

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「利己的な遺伝子」などの著書で知られる世界的な生物学者であり、また徹底した無神論者としても知られる著者が、「宇宙の中で進化すること」をテーマに子供たちのために行った特別レクチャーの内容を収録した講義録。

ダーウィンの進化論をベースとして、生物の遺伝子が自己複製するために、「自然選択」や「自促型共進化」と呼ばれるプロセスによって、人知を超えた長い年月をかけて、“乗り物”である生物を漸進的に進化させてきたことを、豊富な実演を取り入れた講義によって分かりやすく伝えている。

そのような進化の産物である人間の脳が、進化の時間軸でみれば“つい最近の出来事”として「目的」をもつようになり、宇宙の謎の解明に挑む一方、その想像力が生み出すテクノロジーが“諸刃の剣”となっていることに対し、著者はダーウィンの“後継者”らしく、科学的なアプローチによる真実の追求こそが解決策であると説く。決してお子様向けでは片付けられない、大人にも十分に読み応えのある良書。

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2015年06月08日

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電磁気学を作ったマイケル・ファラデーは1825年に英国王立研究所で「子供達のためのクリスマスレクチャー」というものを始め、これが伝統化して今日につながる。本書はそのクリスマスレクチャの1991年、「利己的な遺伝子」で有名なリチャード・ドーキンスが担当した回の内容を文字化したものである。

物質や生命の進化、特に生命の"不可能な山"を漸進的に登っていくメカニズムとその無目的性(本書ではそれを「デザインされた物」と「デザイノイド」との違いで解説している)について、子供でも分かるように多数の実例を用いて解説をしてくれている。

最終章では、人間と他の生物の違いについて特に詳しく解説し、その最大の違いは、時間軸の取り方。つまり人間以外の生物は「いま」のみを生きているが、人間は「過去・現在・未来」の時間軸を用いて活動しており、特に未来、つまり未来をシミュレートする能力において他の生物とは決定的に違うすばらしい能力であることを説いて終わりとなっている。

こういう話を聞いた子供とそうでない子供とでは、その後の生き方や好奇心の持ち方もだいぶ変わるような気がするなぁー。

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2015年04月05日

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我々が生きていることはとてもラッキーなこと。生きていることに感謝し、とても厳かな気持ちになれる一冊。
現実は残酷な部分もある一方で、それを上回る面白さ、すばらしさがある。このプラスの面に目を向けて楽しむのが、素敵な命の使い方ですね。

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2015年03月04日

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ドーキンス博士のクリスマスレクチャー「Growing Up in the Universe」を書籍化した一冊。

講義の内容をそっくりそのまま書籍に落とした感じなのでライブ感を感じれる一方、ストレートに諸々のエッセンスを吸収するのはかなり大変だった...。(自身がエッセンスを本当に理解できたかは謎です...。内容も簡単そうで簡単じゃなかった。)

本講義はYoutubeで観覧できたりするので(2019年11月時点)、1H×5setとヘビーであるが、後でじっくり鑑賞予定です。

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2019年11月16日

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『エリートだけが祖先になる。』適応能力と自然選択からなる「進化」。 偶然の賜物や、神がかりの存在と思えるものも、科学的な分析と検証によって、必然の進化である事が説明出来る。 いやはや、サイエンスの力がこれ程大きく感じられた事は無かった。

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2015年06月03日

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 新聞の書評で紹介されていたのですが、最近ちょっと「生物の進化」に興味をもっているので手に取ってみた本です。
 本書は、イギリスの著名な進化生物学者であるドーキンス博士が、1991年、英国王立研究所が子供たちのために開催しているクリスマス・レクチャーとして行った講演を再現したものとのこと。私としては、「進化論」についての幅広い概要、たとえば進化論の本質とか、科学史の中での進化論の位置づけとかについての初心者向け解説書かと思っていたのですが、ちょっと内容は違っていましたね。

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2015年04月17日

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ドーキンスの主張を,まずざっと知りたいときにはこの本が良いだろう.ただ,元は講義であり,やはり図書化された際に迫力はなくなっているだろう.
『利己的な遺伝子』や『盲目の時計職人』といった多くの著書を,がっつり読むと「本ならではの迫力」が存在していることがわかる.興味がある人は6章の対談で紹介されている過去の書籍にあたるのが良いだろう.

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2015年04月07日

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リチャード・ドーキンス博士の描く進化の様相を一般市民向けにわかりやすく講演した内容の書籍化。話自体は1991年のものでYoutubeで無料でみれる。氏の著作を読む前に軽く予備知識をいれるのによい本。
本筋とは関係ないが、科学のデータをたんなる数字にとどめておかず自分の肌身で感じられるように工夫を重ねておられるんだなという点が印象に残った。

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2015年03月23日

Posted by ブクログ

本書はオクスフォード大学等で講義をするリチャード・ドーキンス博士が進化について10代へ講義した内容を書籍化した作品である。進化がいかに幸運なことかについて教えてくれる。

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2015年03月17日

Posted by ブクログ

インテリジェント・デザイン説による反論を意識しながら、自然選択による漸進的進化が可能であることを懇切丁寧に解説してく。豊富で的確な図版を用いており、授業するということはこういうことか、と思わされる実に良く出来た一連の講義。

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2015年03月02日

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