高峰秀子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家にあったので正月休みに読むか~と気楽に手に取ったら結構重い本でした。上巻は女優という特殊な立場ではあるものの一人の民間人が体験した戦争史として非常にわかりやすく貴重な経験談だと思うし、彼女の生い立ちや来歴は当時の世情やナマの歴史というのがヒシヒシと感じられるので面白いし。それにしてもよく色々と覚えてらっしゃるなぁというのが素直な感想です。まぁ普通の人とは違う波乱万丈な人生だったという事も関係しているのでしょうが。
そういえば自分の父母や祖父母の時代は子供が多かったので養子をもらっただの養子に出しただの、そういう話をよく聞いたなと思いだしました。自分の家も父方の祖母は伯父の家の養女になったそうだし、母の弟は養子に出されたというし。
高峰秀子の幼少時代、彼女を引き取って養育したいと申し出た人が作中何人か出てきたのも富める人が貧しいものに施すというか、面倒見るという風潮が普通にあったためかなぁなんて思ったりもしました。
私は彼女の現役時代を知らないし、そもそも映画自体をあまり見ていないので名前ぐらいしか知らない女優さんでしたが苦労されたんだなぁという事はよくわかりました。
特に家族や親子の縁はこじれると一番収集がつかなくなるというか醜く腐敗するような。でもそれでもスッパリ切ることが出来ないというのが血のつながりというものなのかなぁ。あまり感心することの出来る母親ではなかったのでしょうが、それでもなんだか可哀想に思えるのは高峰秀子の文章に後悔というか上手く行けたら良かったのにという願望が透けて見えるからなのかもしれません。
そして写真を多用しているので物理的にも重い本でした。多分良い紙使ってるんだろうな~ -
Posted by ブクログ
10代のころ、ハリウッドのクラシック映画にはまったことがあるが、20代後半ころから日本の昔気質の作り手の心意気のカッコよさを知ってから、古い邦画も見るようになった。それがきっかけで
昨年逝去した高峰秀子という昭和の大女優の一人が執筆の才能も絶賛されているのを何かで読んで俄然興味が湧き、丸善で彼女のエッセイを探しさんざん迷った挙句、なかでもひときわ評判のよさそうな「わたしの渡世日記」の上下巻のうち、下巻を購入した。
本を購入するというのをあまりしない私にとっては、いきなり上下巻購入するのはちょっと勇気がでなかったのと、目次やぺらぺらページをめくった感じでは下巻のほうがおもしろそうだったからだ。
で、ようやく感想になるんだけれど、スクリーンの中の彼女のキレのいいネエチャンキャラそのままの無駄のないさっぱりとした文章力。こころにジーンとくる文章も大好きだけど、「そんなことどうってことないよ、くよくよしてないでさあ次いくよ」という突き放した暖かさが辛口の文章からも感じられて、「はい、姐さん」って私の心はいつしか秀子姐さんの背中を追いかけているようだった。
決して親族に恵まれたとは言えない環境で、華やかでもつらいこともたくさんあっただろう彼女だからこそ、書けた自分史なんだろうな。私のone of roll modelsとして大切にしたい一冊です -
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文藝春秋、2002年7月
文春文庫、2005年7月
文春文庫で読んだ。
そうか! 北野武か!
あと名文あり。
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目次
あなた食べます ●池波正太郎、辻静夫、沢村貞子、嵐山光三郎、邱永漢、北野武
店仕舞
もうすぐ春です ●柿の葉ずしを送ってくれるファン
住所録 ●灰田勝彦の縁でYさんにバンコックに招かれた
人間スフィンクス ●小津安二郎
クロさんのこと ●黒澤明
老いの花道 ●淡谷のり子
私だけの弔辞 ●木下惠介
私のご贔屓・松竹梅 ●安野光雅、沢木耕太郎、松山善三
たけしの母と秀子の母 ●北野武、養母
栄作の妻 ●佐藤栄作玉寛子
五重塔と西部劇 ●幸田露伴、ジョン・フォード
美智子さまへのファンレター ●皇后陛下美智子さま
呼び名 ●名文。チャン、秀坊、デコちゃん、ディアモン・ノワール、おねぇ(越路吹雪)、先輩、麻布の奥さん、秀さん(松山善三)、お姉ちゃん(加山雄三)、先生、姐さん(中島誠之助)。
身辺あれこれ・年金化粧
私の死亡記事「往年の大女優ひっそりと」 -
Posted by ブクログ
文藝春秋、1998年5月
新潮社、2012年1月
新潮文庫で読んだ。
1976「わたしの渡世日記」から20年以上を経ても、「ひとこと多い」と「ただ今自分と出会い中」にて、養母に言及されていて、棘の深さを思う。
しかも養母への憎しみと、嫌悪と、がヒタヒタしているのに、だからこそ、か、名文に感じられてしまうのは、私の色眼鏡ゆえか。
「午前十時三十分」は国語や道徳の教科書にもいいのではないか。
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目次
四十三年目のウェディングドレス
オッパイ讃歌 ●乳ガン疑惑
おへそ ●小津安二郎、木下惠介、黒澤明、現場の人たち
ひとこと多い ●小役時代と養母、死の感慨。名文。
馬よ ●山本嘉次郎監督作を思い出す
梅原龍三郎と周恩来
風の出会い ●幸田文
午前十時三十分 ●魚屋の前で数年に一度会った、車椅子の少年と母親
ウー、うまい ●松山善三の偏食
きのうの「人間」きょうの「人」 ●呉服屋、植木屋
アコヤ貝の涙 ●お疲れパール
ただ今自分と出会い中 ●老人性痴呆、谷川徹三夫人、有吉佐和子、谷崎潤一郎夫人松子、梅原龍三郎夫人艶子、養母のヘルペス痴呆
死んでたまるか ●人生の店じまい
ピエロのおへそーー文庫版のためのあとがき
あの頃のこと〜亡き母・高峰秀子に捧ぐ 斎藤明美 -
Posted by ブクログ
潮出版社、1992年5月
文春文庫、2004年7月
文春文庫で読んだ。
本書もやはり人名録になっており、高峰秀子がどれだけ人を見ていたか、人と係わっていたか、がわかる。
そういう人だからこそエッセイストに転身できた、ということなのかも。
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目次
私の丹下左膳 ●大河内傳次郎
パリのバラ、東京のバラ ●イヴ・モンタン
『小僧の神様』 ●志賀直哉
気になる本『浮雲』 ●林芙美子
夏のつぎには秋が来て ●室生犀星、内田百閒、宮城道雄
縫いぐるみのラドン ●花柳章太郎、伊東深水、万耀
レースのショール ●宮本三郎
ふしぎの国のオギス ●荻須高徳
ヘチャプリ大王 ●藤田嗣治
ちょっと描いてみたくなっちゃった ●前田青邨
マリー・アントワネット ●梅原龍三郎
薔薇 ●梅原龍三郎
翡翠 ●円地文子
甘茶でカップリ ●斎藤茂吉未亡人、梅原龍三郎
人間たらし ●司馬遼太郎
「アンノー」という人 ●安野光雅、有吉佐和子
おいしい人間 ●料理店敦煌の市原さん
タクシー・ドライバー
しあわせな位牌 ●水野正夫、養母
お姑さん ●松山善三の母
おかげ人生
死んでたまるか
喫煙マナー
羽ふとん
カメラの中の私
自力回復—台湾薬膳旅行
梅原龍三郎と、キャビア ●梅原龍三郎、バベットの晩餐会(アイザック・ディネーセン原作、ガブリエル・アクセル監督)
出口入口 ●松山善三
眼から芽が出た ●カレーライス
白日夢—北京宮廷料理
文庫版のためのあとがき