村瀬秀信のレビュー一覧

  • 気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
    コロナ前のデフレがずっと続いていたころの気分が泣けそうに懐かしい。こういう感じが続きそうに思えた。時代の空気がみっしりと戻ってくる。書き手の力というのはこういうものか。いやいや違うだろに始まって言いたいことはいろいろあるし、おいおいというのも少なくないけれど、それらを吹き飛ばす喚起力がある。
  • 止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集
    面白い!
    タイトルも野球用語だしサブタイトルにも「野球短編」とあるんだから、当たり前のようにプロ野球選手もしくは甲子園の話ばかりかと思ったら、ほぼ「その周辺」の人々の話で構成されている。
    硬軟使い分けた文章はどちらも読みやすく、一行目からついつい引き込まれてしまった。
  • ドラフト最下位
    2020年プロ野球セ・リーグの首位打者であった
    佐野恵太選手は、2016年のドラフトではDeNA
    ベイスターズの最下位である9位だったことは、
    多くのメディアで周知のことです。

    プロ野球でのドラフト会議では、毎年絶対に1位
    指名されると予想される話題の選手が出てきます。

    その反面、最初から順に指...続きを読む
  • ドラフト最下位
    エピソードが濃い。ドラフト最下位だけあって遠回りをしてプロに辿り着いている。今野選手は2020年からヤクルトでプレーしてるので応援。
  • ドラフト最下位
    ドラフト初期から育成ドラフト夜明け前、そして最近と、長い期間の中からピックアップされた(元)選手のエピソード。
    時の状況に翻弄される人と逆にそれが追い風となる人。
    ドラフト最下位だからこそ、上位の面子よりも運命のいたずらが作用することが多いのでしょうか。
    最下位指名に対する捉え方、プロ野球に対する考...続きを読む
  • ドラフト最下位
    その年のドラフトで一番最後の指名だったプロ野球選手を取材した作品。全16名。「野球太郎」に連載のコラムから。

    プロ入りすれば順位は関係ないとの見方もあるが、やはり最初のチャンスは大きく異なる。順位=スカウトの評価でありやはり下位指名から活躍する選手は少ない。本書の登場人物では先日引退した千葉ロッテ...続きを読む
  • 止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集
    NumberWEBで読んだ記憶があるものもあるけど、こういう群像劇を集めた短編集にはそれ相応の良さがあると思う。「ヤクルト弁当屋」とか「宮本武蔵、大谷二刀斎を語る」とか、なんといっても茶化し方が絶妙だし、最後にもってきた表題作のインパクト(特に前半)は凄まじい。どうやら少なくとも一回は著者に会ったこ...続きを読む
  • 止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集
    この人の本はクセがある。クセがあるぶんテーマ設定や読み手であるこちらのコンディションによってはピンとこないこともあるにはあるのだが、この本の多くはおもしろかった。
    まず「止めたバットでツーベース」って題名からして秀逸だ。軽く常軌を逸した題名だが、一発で覚えられるし、想像力が掻き立てられる。これ自体が...続きを読む
  • 止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集
    人の観る野球のど真ん中にいない者にも,人生があり,生き様がある.プライドや生きがいなんて前向きな言葉では表せない,怨念とか意地みたいなものが突き動かす人生があることも見逃せない.そんな事実にひたすらスポットライトを当てた短編集.シリアスさだけでなく,村瀬さんならではの滑稽さも織り交ぜながら,何もなく...続きを読む
  • 気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
    食べ歩きコラムにチェーン店を持ってきたうまさだよね。盲点だったなあ。みんなチェーン店利用してるし似たような感想も持ったりはしてるんだけど、不用意にブログとかで書くとディスってる感が出ちゃう。そこを、もう力技で「文芸」を成立させてしまう筆力。面白かったしこの人じゃなきゃ書けないとも思う。団塊ジュニアの...続きを読む
  • 地方に行っても気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
    本書に取り上げられている中で、以下は食べた事あり。

    ぎょうざの満洲 … 読んだら無性に食べたくなり二週連続で行った。

    桔梗屋 … 桔梗信玄餅がここまで全国区になるとは。

    炭火焼きレストランさわやか … 子供の頃はさわやかでステーキばかり食べてた罰当たり者も、今は地元を代表するものと言えばさわや...続きを読む
  • それでも気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
    自分の記憶にあるお店をかいつまんで読んだけれど、それでもチェーン店っていいよね!って気持ちにさせてくれる一冊。私もチェーン店大好き。
  • ドラフト最下位
    あんまり現役時代を知ってる選手おらへんかったけど、読み物として面白かった。

    印象に残ってるのは、由田と三輪。

    由田はオリックスにおったから知ってたけど入団経緯は初めて知った。早稲田で鳥谷・青木と並んでる選手ってイメージやったけど、全然違ってて、なんというかって気持ちになった。

    三輪はこんなマイ...続きを読む
  • それでも気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
    チェーン飲食店を紹介する連載集の第二弾。
    当然だけど、チェーン店の数にも限度があり、数店しかなかったり、まさかの一店舗だけのお店も掲載されている。また、地方にしかないようなお店も本来であれば対象外だったのではなかろうか。
    とは言え、掲載されているのはどこも興味を惹くチェーン店であり、近くにあるなら寄...続きを読む
  • ドラフト最下位
    続けて面白い本に巡り合えてうれしい限り。
    テーマはタイトル通りの「ドラフト最下位」。掲載順も良い並びだと思えるのは、今現在私が30後半だからだろう。同年代から上に下に。
    しかしまぁ改めて厳しい世界だ。普通の社会人なら若手で通る20代後半ですら、現役のNPB選手として続けられているのは一人しかいないん...続きを読む
  • ドラフト最下位
    まえがきによると、野球人口に対するドラフト指名率は0.03%で東大合格より狭き門。

    指名された選手はそれだけでエリートのはずだけど、本書に出てくる選手たちは「底辺」からの脱却するためにひたすら練習に明け暮れる。時には試合に出ることなく、ほぼ一年。しかし、それが報われるとは限らない。

    本人たちの苦...続きを読む
  • ドラフト最下位
    ある年に、最後に名前を呼ばれた男たちを追って―。福浦和也、田畑一也、三輪正義、伊藤拓郎、今野龍太、長谷川潤ほか。球界の片隅にあった驚き、苦悩、思いがけない栄光を描く。

    着眼点がよい。野村再生工場、ありましたね。
  • それでも気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
    「散歩の達人」連載の人気エッセイの第2弾。ネタ切れしつつあることを作者も自覚してる感じがほのぼのとしている。さすがにローカルなチェーン店が多い。

    最近のプロ野球に関する作家としては五本の指に入るだろう筆者。ほぼ同世代ということもあり、小ネタに思わず笑ってしまう。

    第二弾ともなると残念ながらネタ切...続きを読む
  • それでも気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
    チェーン店の食レポなんてどうやってやるのだろう。
    と思っていましたが、これが非常によく出来ています。

    各店毎にその時の紹介文にテーマを持たせて、おもし
    ろおかしく読ませます。

    「オリーブの丘」という東京の武蔵野あたりだけで
    展開しているイラリアンレストランを紹介する回は
    「サイゼリア」という巨大...続きを読む
  • 止めたバットでツーベース 村瀬秀信 野球短編自撰集
    主役になれない人たちにもドラマがある。人生、誰でもドラマチックに生きることができる。野球に関わる熱い脇役たちの物語がバカバカしくも羨ましく思えてくる。