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Posted by ブクログ
この人の本はクセがある。クセがあるぶんテーマ設定や読み手であるこちらのコンディションによってはピンとこないこともあるにはあるのだが、この本の多くはおもしろかった。
まず「止めたバットでツーベース」って題名からして秀逸だ。軽く常軌を逸した題名だが、一発で覚えられるし、想像力が掻き立てられる。これ自体が人生訓のようで哲学的だ。
numberはなぜこの題名で連載させなかったんだろう?
numberだからか。ネット記事とはいえ決して権威ある雑誌の連載とは思えないもんな。
そうなんだよ。この本自体が威厳や権威とは遠いところにあると思う。
選手が中心でもなければデータが中心でもない。
この本の多くは市民が野球とともに歩んできた人生をテーマにしていた。
プロ野球の外側にいる人達の生活や野球との向き合い方がわかる本。野球と共生してきた市民の本なんだよな。
プロレスを見ていてこういう本や企画があればいいなと思うことは何度もあった。それをこんな形で野球が表現してしまうとは。悔しい思いもある。
市民がプロスポーツ、エンターテイメントとどうお付き合いしているのか、そこにはどんな哲学やお作法があるのか。
自分が好きなラーメンを他の人はどう食べているのか?何を思ってこの店に通っているのか?
店のレシピや味のこだわり、売れる要因を探ることもおもしろいけど、隣の誰かにとってこのラーメンがどんなものなのか知るのもまたおもしろい。
おとなもこどももおねーさんも。
作家も芸術家も坊さんも。
元プロ野球選手もプロレスラーもそして作者自身も。
かくもプロ野球は広い。大きい。そういうプロ野球の持つ広さを感じさせてくれる本でした。
Posted by ブクログ
人の観る野球のど真ん中にいない者にも,人生があり,生き様がある.プライドや生きがいなんて前向きな言葉では表せない,怨念とか意地みたいなものが突き動かす人生があることも見逃せない.そんな事実にひたすらスポットライトを当てた短編集.シリアスさだけでなく,村瀬さんならではの滑稽さも織り交ぜながら,何もなくスイスイと読み進められるわけではないかもしれないけど,グイグイと読み進めたくなるように引き込まれる秀作.
個人的には,第6章『ヤクルト芸術家』の描く「ひとりの人間の生き様」,第8章『カープのセカイ』にひたすらあふれる純粋さとコミカルさがが好き.
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