虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督

虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督

1,980円 (税込)

9pt

「なんでやねん?」 「じいさん、あんた誰やねん?」困惑するファンを尻目に、ニコニコ顔で就任会見に臨んだ岸一郎。一説には、「私をタイガースの監督に使ってみませんか」と、手紙で独自のチーム改革案をオーナーに売り込んだともいわれる。

そんな老人監督を待ち構えていたのは、迷走しがちなフロント陣と、ミスタータイガース・藤村富美男に代表される歴戦の猛虎たち。メンツを潰された球団のレジェンド、前監督の松木謙治郎も怒りを隠さない。不穏な空気がチームに充満するなかで始まったペナントレース。素人のふるう采配と身勝手に振る舞う選手たちは互いに相容れず、開幕後、あっという間にタイガースは大混乱に陥っていく……。

ファンでも知る人は少なく、球史でも触れられることのないこの出来事が単なる“昭和の珍事”では終わらず、タイガースの悪しき伝統である“お家騒動体質”が始まったきっかけとされるのは、なぜなのか?そもそも岸一郎とは何者で、どこから現れ、どこへ消えていったのか?

大阪─満洲─敦賀。ゆかりの地に残された、わずかな痕跡。吉田義男、小山正明、広岡達朗ら当時を知る野球人たちの貴重な証言。没年すら不詳という老人監督のルーツを辿り、行方を追うことで、日本野球の近代史と愛憎渦巻く阪神タイガースの特異な本質に迫る!

(著者について)
村瀬秀信 (むらせ ひでのぶ)
1975年生まれ。ノンフィクション作家。神奈川県茅ケ崎市出身。県立茅ヶ崎西浜高校を卒業後、全国各地を放浪。2000年よりライターとしてスポーツ、カルチャー、食などをテーマに雑誌、ウェブで幅広く執筆。2017年から文春オンライン上で「文春野球コラムペナントレース」を主宰するほか、プロ野球関連イベントの司会・パネリストとしても出演多数。著書に『4522敗の記憶』(双葉社)、『止めたバットでツーベース』(双葉社)、『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』シリーズ(講談社)などがある。

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虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ


    こんな話があったなんて、、、
    1955年の大阪タイガースの監督は、プロ経験のない60歳のおっさんだった!岸一郎。
    もっとも、早稲田と満州で好投手として鳴らしていたので、素人ではない。
    ただそれにしても、いきなりプロ集団のトップに据えるなんて、
    阪神球団、どうかしている。
    若手への入れ替えがミッショ

    1
    2025年02月17日

    Posted by ブクログ

    これは面白かった!
    ただ野球や阪神というチームに少しでも興味があればであると思うが。
    どんなに短期間であれ、王、大統領、首相、監督などになれば歴史に刻まれる。それを具現化した様な話しである。巷の人の記憶には残らなかったが、記録にはしっかりと残っている。
    ノンフィクションを読むたびに、事実は小説より奇

    0
    2025年08月26日

    Posted by ブクログ

    読売ジャイアンツのライバルと位置付けられ、熱狂的なファンを多く擁する阪神タイガース。その長い歴史の中で、僅か2ヶ月だけ監督を務め、今やすっかり忘れ去られた岸一郎という人物がいた。彼の正体に迫る評伝。
    自分は野球のことはろくに知らないが、なんとなく立ち寄ったスポーツ本コーナーで目にして、題材や帯コメン

    0
    2024年09月01日

    Posted by ブクログ

    1955年、あの阪神タイガースの監督に就任した
    一人の人物がいました。

    岸一郎という当時としては老人の域に入る年齢
    は60歳過ぎです。

    年齢もさることながら驚くのはその経歴です。
    なんとプロ野球の経験が無い、アマチュア出身
    です。ホントか?

    今では、いや当時でも考えられない人事です。

    何でも

    0
    2024年06月07日

    Posted by ブクログ

    かなり面白かった。阪神タイガース(大阪タイガース)第8代監督岸一郎を巡る、タイガースという球団の「うちがわ」と「外野」、そして岸一郎という人物の半生。生憎、岸一郎の資料のうち処分されたものも多く、深層にある「真相」が何か、そもそもそれ自体あるのかないのかも不明瞭だが、それでも充分に読み応えがあった。

    0
    2024年02月09日

    Posted by ブクログ

    阪神はなぜ勝てないのか。その答えは『虎の血』!?
    伝説となった山本由伸の熱投で締めくくられたワールドシリーズ。
大胆不敵な小久保采配を見せつけられた日本シリーズ。
この熱狂のロスを埋めてくれる一冊に出会った。村瀬秀信さんの『虎の血』だ。
    この本は、二つの物語として読むことができる。
一つは「組織論」

    0
    2025年11月06日

    Posted by ブクログ

    ノンフィクション物なのに小説の様な読み心地。面白かった。
    野球は全く明るくなく、登場人物も検索しながら読み進めた為少し時間がかかりましたが、ぐいぐい読んだと思う。

    岸一郎というおじいちゃん監督に焦点を当てた時、見えてきた謎と闇。
    腹の探り合い、策略、ずる賢さ。さらに余計な火種をつけるマスコミ。野球

    0
    2024年11月02日

    Posted by ブクログ

    リアルサラかん。まさかプロ野球未経験の監督が実在したとは。それも阪神タイガース。
    昭和30年、藤村富美男、金田正泰など生え抜きスター選手のつなぎで就任した岸一郎監督。選手に排斥され33試合で休養。
    元祖、お家騒動を遺された記録の少ない監督の知己を追い辿っていくノンフィクション。
    最終的にお家騒動と阪

    0
    2024年08月04日

    Posted by ブクログ

    1955年33試合だけ阪神の監督だった岸一郎。プロ野球経験のない60歳。なぜ彼が監督になったのか、謎に迫るドキュメント。

    面白かった。岸前後の阪神の歴史や当時の混乱ぶりがよく分かる。

    0
    2024年05月07日

    Posted by ブクログ

     なるほどなあと、この人物を掘りおこしてきたことには感心した。
     ただ、一冊の本にするには、ちょっと材料が足りない思いもあった。
     梅本さんが登場したのは、とても嬉しかったが。
     

    0
    2024年04月23日

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