北原みのりのレビュー一覧
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とても引き込まれたのに、感想を書くのがとても難しい本だと感じた。
著者が言うように、被害者が女性であったなら全然違う取り上げられ方をしていただろう。女性がホテルにいけばついて行った本人も悪いと言われるのに、そう言われない男性。男性の純情を弄んだとばかりに責め立てる男性検事も、被害者が女性であれば女性の純情を弄んだ、と同じように攻め立ててはくれないだろう。
佳苗のことを擁護するつもりはないし、罪は罪だと思うが、どこか責め切れない気持ちがある。
そして、美人ではないが多くの人間が引き込まれてしまうということは、きっと人を惹きつける魅力のある人間なのだろう。
仮に売春が自分を大事にしない行為と -
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読むか迷っていたのだが、佐藤優の「はじめに」を3行読んだところで、これは面白そうだな、と悟る。
おおよそ3時間で読めます。
10代のの頃に読み漁った北原みのりを久々に見かけて買った本。2016年刊行とのことで、ある程度古いのだが、状況はそう変わってはいない。
慰安婦問題から現在の性風俗の、状況や語られ方についての対談。
矯風会、矢嶋楫子、広岡浅子、市川房枝のことが語られているものを、何か読みたいなと思った。坂本龍馬みたいに、もっと、エンタメになっていても良いのに、ってことでもあるよな。
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その恐怖と屈辱感。この屈辱感を味わわされることが、そもそも差別の正体だなって。
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社会学者の上野千鶴子さん、心理学者の信田さよ子さん、女性向けアダルトグッズの店をやっている北原みのりさんの対談本。テーマは「毒婦」(と呼ばれた女たち)。木嶋佳苗や角田美代子、東電OL、畠山鈴香など。
その事件だけにはとどまらず、女性を取り巻く社会について、さまざまな視点から描かれている。私が1番衝撃を受けたのはここ。
P143-144
『彼女たちは、誰かの性的対象になることで、自分のアイデンティティを復活させようとする。アイデンティティって言うのもおかしいんだけど、性的対象にならなければ自分というものが存在しないっていう自分、を持っている人たちが一定数いるわけですよ。…中略…自分が性的な女性と -
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ネタバレメロスのようには走らない。女の友情論。
そりゃ走らないよなー。だって女ってそこまで友情に対して義理堅くないもん。
女同士の友情で命かけるわけないじゃーん。
って思って読み始めたら、全然違った内容だった。
私はどちらかっていうと、女同士の友情だとかそういうの、まったく信じてないし、まったく興味がない。
専業主婦か働く主婦か。とか、既婚か未婚か。とか、はたまた美人かブスか。というふうに、女性の人生をなんでもかんでも二極化したがるこの世の中。そして、「女の敵は女」とばかりに執拗にけし掛けるようなこの風潮。
それって、なんか間違ってるよ。って言い切る北原さんの文章が、なんだかとても清々しかった -
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検事の発言や判決など、すごく男性的だなと思った。
殺人は悪いことなのはもちろんだけど、容姿を叩くのはおかしい。
美人だったらどういう反応だったんだろと思うし、彼女の所作や文字のきれいさ、料理の腕、声など、他の魅力を考慮せず、デブとブスだけで批判し過ぎ。
被害者男性の詳細を初めて知ったけど、結婚相談所やアプリにいそうな未婚の非モテ男性で、女性からTwitterで非難される男性像そのままでびっくり。
端的にいうと、バカで変な人多いなという印象。
木嶋佳苗自体はよくわからない人だなと改めて。
でもすごいな。
殺すのは悪いけど。
犯罪レベルではないけれど、ころっと騙されて上手いこと転がされてる人は -
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この事件は、「よくある」結婚詐欺事件を超えている。
木嶋被告は相手からお金を引き出すだけでなく、次々と殺人を犯していく。
それも、愛ある手料理を振る舞い、まめにメッセージを送り、相手の心を魅了しながら…
連続殺人事件という点ではなく、「なぜこの女が?」という、被告の容姿や言動に注目して集まった。
だいぶ前の事件であり記憶が薄れていたが、本書を手に取り、事件を知った際に受けた衝撃が蘇った。
事件の詳細だけでなく、裁判における被告の言動や、開設していたブログの内容、子どもの頃の作文の内容や後から公開された手記についてなど、被告の人間性に迫る記録となっていて、大変興味深かった。 -
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慰安婦問題からAVの問題まで、対談形式で語られる。女性は欲望の対象であり、その事を前提に社会システムが出来ている。それは、男性が欲求を制御できない事を前提としており戒律や法律で禁止した所で、統制しきる事はできない。北原みのりは、そうした男性的社会を不平等で、作り直さなければならないものと断じ、異常な変態性を軽蔑し、性風俗店をペットショップのように人権無視の上に成立すると言い切る。佐藤優をおおよそ同意しているように見える。しかし、本当にそうか。女性が性の対象となるのは当たり前であり、欲求を満たしたい衝動も、人生に付随する綺麗事ではない側面ではないか。その意味でも、2人は橋下徹の米軍に風俗店が必要
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北原さんの本も佐藤さんの本も読んだことがない。そんな二人の対談。論を闘わすというよりは、共感のなかで話が進んでいく感じ。二人の話にほぼ私も共感。
自分のなかでは曲者的な印象だった佐藤さん。ちょっと読まず嫌いだったかなと思った。2015年の日韓合意が見直されることになると看破していたのはさすが。
なるほどなと思ったのは、北原さんが話していたんだと思うが、女性が性暴力と隣り合わせであることに、男性に思いを寄せてもらおうとするときの「自分の妻や娘がそういう目に遭ったらと想像してみろ」という常套句を突いたところ。自分の妻や娘がでなく、自分がそういう目に遭ったらと想像して対せるようでないと駄目なんだ。妻 -
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フェミニズム的な価値観を多少なりとも持ちながら、オタク(二次元やサブカルチャーを好む人という意味でのオタク)でもある女性には、ジレンマがあるんじゃないだろうか。
AKBや美少女アニメのような「ロリコン文化」を(異性愛者でマジョリティに属する)男性に近い目線で好み、そこにいる女の子たちを値踏みしたり、応援したりすることを楽しんでいる。一方で、それが少女たちを支配し消費する暴力的な行為だという認識もあって、同じ女性である自分が荷担してしまっていることに罪悪感を覚えてもいる。少なくとも私はそうだ。
常に頭の隅にそういう思いがありながら、二次元やサブカルチャーを娯楽にしている。そこでこの本を見かけて手 -
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北原みのり『佐藤優対談収録完全版 木嶋佳苗100日裁判傍聴記』講談社文庫。
ムムムっ。ヤられた!読んでいて気付いたのだが、『毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記』を改題し、巻頭に佐藤優との対談を追加しただけではないか。
証拠が少ない中での死刑判決。男女の生臭い関係を背景にしたセンセーショナルな事件。
巻頭の対談はオマケ程度で、大したことがない。
女性コラムニストによる木嶋佳苗事件裁判の傍聴記録。週刊誌のゴシップ記事レベルのソフト・ルポルタージュといったところか。
本編では特に男達をセックスと嘘で騙し続けた木嶋佳苗の生々しい記述ばかりで、事件の核心に斬り込むこともなく、上辺だけしか描かれ -
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北原みのりさんと同じく、木嶋佳苗はじめ、女性が起こした事件に興味を持っていて、ついこの手の本を読んでしまう。
あたしは壇蜜と同い年のエンコー世代で、毒母持ちであり、男と同等の評価が欲しいと社会で苦しむ、結婚をゴールとしない独身女である。
…このお三方の研究分野にすっかり当てはまってしまった。
しかし、あたしはエンコーコギャル世代ど真ん中でしかも比較的都会にいたのに、その時期、人生で最も輝く10代を、みっともない脂肪にまみれて暮らしていて、誰からも性的に求められなかった。現実から目を逸らして暮らしていた。
大人になって、ああ、あれは肥っていたからだ、そう思っていたのだ。
木嶋佳苗には、だから -