北原みのりのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2日で読み終わりました。
あっという間、3人の殺害をしたとされる彼女はさぞかし貧しい生育環境だったんだろうと浅はかな先入観。実にインテリジェンスな育ちをされていました。ただ、両親が彼女と本当の意味で向き合えてこられたかはどうなんだろうか。心を許していた父親の友人の方は少なくとも彼女の将来を真剣に考えていたのだろう。幼い頃の過ちを毅然と指導できなかった周りの大人たち。
男と女の関係。すごく絶妙な価値観が本人の中でもぶつかり合っていたと思われるがどういう折り合いをつけていたのか。
昨今、そして今後加速度的に深刻になるであろう社会問題が凝縮されていた。男女格差。殺害された方々も含まれるであろう社会が -
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以前BUTTERを読み、木嶋佳苗という人に興味を持ちました。この人のサイコパスというか狂気じみたところは、一体どこが発端なのか。読んでみると、歪な部分もあるものの、まぁ普通の家庭じゃないか。と思いました。持って生まれた何か、そんな気さえしました。
では、この人に関わった男達は本当に悪くないのか?そこも謎です。大体直ぐに大金を出してしまうなんで
ちょっとでも下心はなかったか?色々考えさせられる。
BUTTER、毒婦。どちらも読んでも分からないのは、木嶋佳苗のほんとの気持ち。ずっと演技し続けているように感じるのは私だけ?本当は誰を愛していたのか?誰も好きじゃなかったのか?分からないままです -
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大出さんがなくなったは、佳苗と出会って23日後。
怒涛のメールをだし、500万を受け取っている。
傍聴していたの若い女性の会話。
「(被害者の男性は)中だしは(佳苗に)いわれたままにするのに、結婚は親に反対されたから駄目だなんておかしいよ!」
千葉県からやってきた30代の主婦は、「申し訳ないんですけど」と前置きしながら、「被害者の男性に、同情ができないんです」と話した。
「男性の結婚観って、古いですよね。介護とか、料理とか、尽くすとか、そういう言葉に易々と引っかかってしまう。自分の世話をしてくれる女性を求めているだけって気がするんです。佳苗はそういう男性の勘違いを、利用したんだと -
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知の巨人・佐藤優とフェミニズムの開拓者・北原みのりの対談集。
佐藤はこの対談を通して「自分自身の思考がいかに暴力性を帯びているかについて反省」したと語る。
一方、北原は佐藤のことを「差別と暴力を、握り拳のなかで感じられる人」と。
共鳴し合う二人の共通項は「獄中闘争」。
凄まじい経験した二人が共通して語る。
「拘束される恐怖と屈辱感」こそが差別の正体なのだと。執行猶予が終わった後、自由になった後こそが、恐怖で当時のことが書けないのだと。
二人の対談を通して、気付かずに差別する側になってしまうことに愕然とする。
でも、知ることが第一歩なのだ。
自分自身の胸に刺さる、抜き難き一本の矢。差異 -
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購入済みクールな殺人者
とても興味深く最後まですいすい読む事ができた。佳苗はとても頭が良い。自信も虚栄心も強い。その結果誰にも剥がされまいとする仮面をつけて生きてきた彼女。彼女は、男とは/女とは何者か、そしてセックスとは何かを諦観している。佳苗の唯一の弱点といえば、父との関係だろうか。満たされなかった父との関係を再現するかのように他者を借りて殺人を繰り返したのかもしれない。家庭が子供に与える心理的な影響についてもっと学びたいと思った。
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読みやすくて、あっという間に読んでしまった。
キジカナとほぼ同世代のわたし。
なんであの容姿で、一億円近くの金額を男性たちから巻き上げられたのか?
当初からとても興味があった。
揺るぎない自信と、魅了する声と、知性と…容姿の不器量さをやすやすとカバー出来る、さまざまな魅力、いわば吸引力がカナエにはあったのだと思う。
悪女の見本みたいだ。
美人が女を売り物にするのは納得できても、ブスが女を売り物にするのは、許せないのが同性というもの。
モヤモヤしながらも、読み進めるうちに、カナエの手腕に不謹慎ながら感服してしまった。
と同時に被害者たちの孤独と純粋さが可哀想に思えた。
男って哀しいなー。と -
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「不美人を笑う男たちを利用した不美人の犯罪」。婚活サイトで出会った男たちを「ケア」しながら騙し、あげく殺した木島佳苗のルポで、エンタメ+社会批評として最高に面白い。著者が公判で目撃した佳苗は決して「不美人」ではなかった。毎回服装と髪型を変え、女としての自分を演出しながら、被害者の男たちにいらだち、弁護士と談笑する佳苗。「リングイネ」を知らない検事に対して「そんな男に佳苗を裁いてほしくない!」という著者の絶叫には笑ってしまったが、「リングイネ」を知っている男の方がかえっていやらしいんじゃないか? このエピソードからしても佳苗のやったことは女子の女子による女子のための犯罪という感じがするけれど、著
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思わず、女性専用車輌に乗ってしまった時と同様の戦慄は、終始拭えなかった。当たり前か。
NPO法人ウィメンズアクションネットワークと出版社主催の鼎談書籍化。
自分ではない何かになろうとして、婚活サイトを利用し死刑に至った木嶋佳苗から、97年に殺人事件の被害者となった東電勤務の女性、その他にも元オウム信者同士で逃亡生活を続けた斎藤明美、2006年に報道されたセレブ妻殺人事件の三橋歌織などを題材に、毒婦を生む背景に切り込む一冊。
上野先生が終始、韓流ではない事をアピールし続けるのに笑った。
あとがきで触れられる壇蜜の「はい。日本の矛盾が生んだ空っぽのただの32歳、それが壇蜜です。」には、それ -
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ネタバレかなりおもしろい。というか気持ちいい。女たちの目線で世の中を見ること。言葉を獲得していくといことが真実の見え方にどれだけ影響するかを思い知った気がする一冊。思考停止していたのかもしれない。マスメディアが流す一元的価値観に自縄自縛に陥っていた自分の後頭部を思いっきり金槌で殴られた気がする。メディアが男社会であるという意識もなかった。男の股間のケアを要求する社会に逆手にとって現れた「毒婦」たち。毒婦は自分であるという目線。「言葉を持って女目線で現実をちゃんと暴きだすことが必要。(上野)」上野千鶴子の歯切れの良さ、好き嫌いハッキリわかれそうな人だけに、好きだと思った。
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Posted by ブクログ
こちらはティーン向けだけあり、同意がいかに難しいものか、という例から始まる。そして、誰かと親密な関係を築くこと、性行為、性被害、の話がメインテーマとなっていく。だが、愛や性に限定しなくとも、人と人との日常的なやりとりすべて(「Tシャツ貸して」とか)において「同意を得る」ことが必要であり、本当の同意のためには「安全」が絶対条件であること、困ったときの相談先「セーフティネットワーク」を用意しておくことなど、学ぶべきことがたくさん書かれていた。
横書きで、イラストや吹き出しが多く、さらっと読みやすい。一家に一冊置いておきたい。
以下、備忘メモ。
・バウンダリー=自分にとって精神的・物理的にO -
Posted by ブクログ
柚木麻子さんの『BUTTER』からこちらに流れ着いた。木嶋佳苗の事件当時、私は20代前半だった。その頃は、へえ、なんか大変な事件が起こったんだな、くらいの関心しかなかった。もう20年近く前の事件に興味を惹かれるのは、ルッキズムやミソジニーの社会的状況が当時と変わっていないからだし、私自身がそこにちょっと敏感になっているからだろう。いくつかの事件をとおして、男とは、女とは、男女の関係とは、について、ここまで断定的に迷いなく語ることができる御三方に憧れのようなものを感じたし、御三方間の捉え方、見方も違っていて(特に上野先生と信田先生は社会学=マクロ、心理臨床=ミクロというモノの見方の違いがあるんだ
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Posted by ブクログ
『なぜ、男たちは彼女の『毒牙』に次々とかかっていったのか?―』本書は「稀代の婚活詐欺師」「平成の毒婦」と呼ばれた木嶋被告の100日間にも及ぶ裁判の傍聴記録を筆者からの『女性からの目線』で綴った物です。
彼女の事件については朝や夜のニュース番組で断片的に少し知るくらいでありました。裁判のイラストでの木嶋佳苗の着ている服ですとか彼女の赤裸々なまでの『ヰタ・セクスアリス』についてですとか、『男性からお金をもらうのが、当たり前だと思っていました』などの発言を聞くくらいで、特に関心は払っていなかったのが正直なところでございました。
しかし、こうしてまとめられたものを読むと事件の裏にある男女の深