栗田有起のレビュー一覧

  • お縫い子テルミー

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    流しのお縫い子・テルミーは、女装の歌手・シナイちゃんに恋をする・・・。表題作のほか、「ABARE・DAIKO」を収録。

    飄々としつつ、どこかユーモアが漂う語り口が特徴。これはわりと好き嫌いが分かれるところかもしれない。
    私は文章には結構好感を持てたのだが、内容のほうがあまり感情移入できず、さらさらーと読んでしまった。
    面白かった。面白かったのだが、なんか物足りない。読んでいる間は気持ちいいんだけど、こういうテーマで書くなら、もうちょっと痛みがあるのが本当ではないの?という気もしてしまう。
    家族にしても、恋にしても、あまりにも主人公テルミーが割り切りすぎているのだと思う。それが物語を飄々とした

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    2011年07月09日
  • マルコの夢

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    マルコはパリの三ツ星レストランの看板料理に使われている日本産キノコ。そのお店のキノコ管理担当者である一馬。オーナーから日本でのマルコの仕入れを任されたことから、一馬はマルコの秘密そして家族の秘密を知ることになるのです。栗田由起さんはいつもどこか不思議な物語を紡ぐ方ですが、いちばんヘンなのがこのお話。思いもよらぬラストに、キツネにつままれたような気分になります。

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    2010年05月08日
  • マルコの夢

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    大学を卒業しても就職が決まらず、フラフラしている主人公の青年は、パリで暮らす姉に誘われるまま、これまたフラフラと仏蘭西へ渡ります。やがて、青年はパリの三ツ星レストランで、キノコ担当として雇われることになりますが、このレストランでしか扱っていないキノコが筆舌に尽くしがたいほどの超美味。ところが、人々の舌を魅了してやまない通称マルコと呼ばれるこのキノコの在庫もあとわずか。青年はオーナーの命により、名前も正体もわからない幻のキノコを求めて日本へ舞い戻ります。徐々に明らかになっていく、青年とキノコの因縁・・・・。
    不思議なキノコの魅力に取り付かれた人々の、奇妙奇天烈な物語です。あっという間に読み終えて

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    2010年04月22日
  • マルコの夢

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    おもしろかった。けど、なんか短くて……あれ??って感じ
    この作家さんは、最初に読んだ「お縫い子テルミー」がやっぱり一番おもしろい。

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    2009年11月03日
  • マルコの夢

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    久しぶりに手に取った栗田作品。
    幻の絶品きのこ「マルコ」を巡る摩訶不思議なおとぎ話。
    主人公の草食系男子・一馬くんがいい。すっとしてて。話の流れなんてあってないようなものなんだけど、(しつれい)くすくす笑える面白さがあった、それに脇役陣もいい味だしてます。まるで短いお芝居を観たような気持ちになりました。嫌いじゃないです!

    *個人的に憎めないパリジャン役のピエールが好きでした。映画「アメリ」に出演できそう!

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    2009年12月02日
  • マルコの夢

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    きのこ料理が食べたくなりました。
    それだけ。
    それ以外あんまり残らなかった。
    けど、この雰囲気がすき。

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    2009年10月09日
  • オテル モル

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    ネタバレ

    題名に惹かれましたが、

    結構つらい状況にある主人公が、人のせいにもせず、投げやりにもならず、きちんと人生を生きて行こうとしているのが良かった。
    誘眠顔=仮の死顔=現状から逃げ出したい
    ということなのかもしれませんが、逃げ出したいと思っているということは、少なくと今はまだ逃げ出していないということですから、
    彼女の環境を考えるとかなり立派なことだと思います。

    ただ、妊娠を感じさせる描写があったので、
    この先あの家族は良いほうへ行かないのかもしれないと思うと心が痛みます。

    あと、オテルの謎は、あそこまでファンタジックにしなくても良かったのではないでしょうか。
    だって普通にちょっときたないです

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    2012年08月31日
  • お縫い子テルミー

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    2010年12月05日
  • ハミザベス

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    好きだなーこの懇切丁寧な文章。
    豆姉妹のアフロのくだり、ガツンときた。

    デリケートだけど、心は丈夫で、ある意味冷静。
    消化するのが上手なひとなんだと思う。

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    2010年10月10日
  • オテル モル

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    ネタバレ

    ナツイチのくじが引きたい! という娘のために、「もう読みたいと思うのあらかた買っちゃったよ〜」と言いながら苦労して選んだのがこれ。
    買って気づいた、「あ、これ『お縫い子テルミー』を書いた人の本だ…」。
    『お縫い子…』が、私の中ではイマイチだったので、「この本もどうだろう」といぶかしみながら読みましたが、これは結構おもしろかった。
    寝る前に読むと、自分も眠くなってきていいかもしれないな。
    これは「本がつまらないから眠くなる」という意味ではなく、ね。
    主人公のセリフが時々おもしろかった。

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    2011年08月12日
  • ハミザベス

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    オテル モルよりもっと軽快なおはなし。現実の世界のようで、数ミリずれている世界がここちよい。
    淡々と進んでいくのに、なぜか物足りなくない。でもなんどもくりかえし読みたくなる。

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    2009年10月04日
  • オテル モル

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    ネタバレ

    「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」という会員制の地下13階からなるホテルの話です。
    快適な眠りのために存在するホテルで、リネンから空調、明かりまですべてにこだわっています。
    睡眠、ホテルを題材にしたストーリーでおもしろかったです。ほんわかとまったりとした空気と時間の流れの中に揺るぎない何かを感じました。
    わかっているものへの安心感からか、椅子やシーツに素材の表示がされている。これはなんだろうと思うものより、目に見えて確かなものに対して人は安心感を抱くものなのかもしれないと思います。
    不思議な空間ではあるけれど、不眠症になったらホテル「オテルモル」に行くのががおすすめかもしれません。

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    2018年08月04日
  • ハミザベス

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     私はこの本を売るだろうと思う。
     いや、つまらなかったんじゃない。だいぶ面白かったんです。よく考えたらかなりぶっとんだ内容なのに、まるで誰にでもおこりうる当たり前の日常のように描ききっているところが恐ろしい。面白いよ、本当にー。
     でも売る。なぜなら、あまりにもありふれた日常のように描かれているから。普通の日が思い出にならないのと同じことで、この本をわざわざ残しておくものではないように感じるからです。この本は私にとって、通り過ぎるひと時の幸福でいい。

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    2016年01月05日
  • お縫い子テルミー

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    あの遠い、夏の日みたいな

    全てはギラギラうるさいくらいに眩しくて
    手を伸ばせば、掴めると思ってたあの青い空。
    恋をしても、夢を見ても、砕けても
    それでも前に前に歩んで行こうと決めたあの日。

    そんな遠い日の事を思い出す様な、ビターな小説。

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    2013年06月03日