栗田有起のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
彼女に裁縫があって良かった。と心から思う。彼女が食べるのも寝るのも忘れるほど没頭できるほど布に魅入られて良かった。と心から思う。
お縫い子テルミーは、流しの仕立て屋として顧客の家に居候しながら仕事をするという少し現実味を帯びない設定で走り出す。
・学校に通わせてもらえていない
・布団で知らぬ大人と夜を共にすることに慣れている
・母親が自分に依存
一見すると過酷で苛虐な生活を強いられてきた主人公。ただ本人はそれが当たり前となっているため疑問に思わず目の前の仕事に打ち込む日々。
そして親元を離れ1人となり、意思決定も責任も全て自分に還る状況に置かれた時にテルミーは思う。
「好きなように生 -
Posted by ブクログ
眠りについて本を読みたくなったら手に取りたくなる一冊
これは時期的にすばるで読んだのかしら、それとも芥川賞予想で候補先読んで行ったときに読んだのかしら。なんとなく、単行本で読んではいなかった記憶があります。
そのあと出たマルコの夢は単行本で読んだけど興味はなく、それで栗田作品は以降読まなかったな。
ただ、この間の白河夜船を読むにあたって、眠くて眠くて仕方がない物語に対して、眠るためのホテル、眠りに困っている人への物語をあてがいたかったのですね。
それで、約10年ぶりの再読です。
いいわぁ。このホテルの具合を想像していくだけで眠くなりますよ、私は。
読み進めて行って、ああああ双子だった -
Posted by ブクログ
多くの人が言っているように表題作の『ハミザベス』より、同録の『豆姉妹』の方が楽しい作品です。突如成り行きと思い付きで巨大アフロヘアにしてしまった女子高生の主人公の様子が何とも笑えしまいます。
この2週間ほど、栗田さんの作品を遡るように読んできました。
過去に戻れば戻るほど、不思議な舞台設定は現実的になって行きます。栗田さんのデビュー作であるこの本では、確かに奇妙な設定もあるのですが(例えば巨大精子・卵子)、それは物語の片隅に追いやられています。ただ、どこか不思議な雰囲気をもつ登場人物は最初からあるようです。
どんどん個性が際立ってきている作家さんのような気がします。
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