仁科裕貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
売れない作家が起死回生策として、「座敷童が出る」と有名な古い旅館に泊まる。そこで見たものは、「何かしら、妖怪と遭遇したエピソードがあるとお客様に喜ばれるから」と、客が寝静まった後に足音を立てたりと座敷童のフリをした客引きをする人情家の河童だった…
旅館は何年か前に大規模な火災に遭い、座敷童は居なくなったのではないかと噂も出ている状態だった。
ハートウォーミングほっこり系妖怪譚。悪くはないけどちょっとありきたりな部分多目かな。基本、文章が「生真面目」でキャラ設定も大きなとっかかりがない形なので、ドタバタコメディ場面などが物凄くさらーっと書かれて終わっていたりする、そこらへんのさじ加減がやや物足 -
Posted by ブクログ
出版元に無茶な要求を突き付けられた、崖っぷち小説家。
起死回生にネタを探しに来たはずの旅館では
何故かお悩み相談を解決する羽目に。
連続短編で、旅館に住む妖怪達の悩みを解決したり
助言をもらったり、普通の悩みを解決したり。
最初の話以外は、完全に妖怪がらみ。
その最初の話ですが、よくもあんな所に…という
感心が先に出てしまいます。
河童の好きなものは、ろくろ首の正体は
あの人の幸せは…、と続いていくのですが
最後には、なるほど、な『人生』の正解が。
ほんわかと進んでいくので、おかげで悲壮感はなく
けれどそのせいで、しんみりする所はしんみりしていて。
誰だろうと、なんだろうと、友情はあるも