別冊NHK100分de名著 「幸せ」について考えよう (島田 雅彦;浜 矩子;西 研;鈴木 晶)
アダムスミス、フロイトなどの過去の識者は幸福をどうとらえたのか?を総合的に解説。
まず資本主義の開祖アダム・スミス。どちらかというと自由放任のイメージがあるが、金銀財宝の量に富の源泉を見出す重商主義を否定し労働によってこそ価値が生まれるという労働価値説を展開しました。重商主義ならぬ「重人主義」。
人々に、話す力と同じくらい黙っている力があれば、世の中はもっと幸せになるだろう。──スピノザ
「幸福」について、初めてちゃんとしたかたちで語った哲学者はアリストテレス(*)です。『ニコマコス倫理学』という本のなかでアリストテレスは、人間が求める最終の目的こそ幸福。
いざ「好きに生きていいよ」ということになると、今度は何のために生きているのかわからなくなってしまう人も出てきます。十九世紀の末にニーチェ(*)が「ニヒリズム」。
自己意識つまり人間には、 ①承認されたい ②自由に生きたい という二つの欲求
「人間は絶対に承認欲求から逃れられない存在である」
「自己意識」を持とうとするがゆえに、人間は自由を求めるようになったが、自由を手に入れると同時に、孤独に苦しむことになったとも述べています。これは新フロイト派の心理学者、エーリッヒ・フロムが書いた『自由からの逃走』
他者との関係性の中にしか人間の幸せはない」
問題の根本は、自分の「心情」(心に感じたもの)がそのまま、「みんなにとってよいこと」だと素朴に思い込んでいる点にあります。自分の感ずることがほんとうに普遍性をもつだろうか、と確かめるプロセスを彼は経ていません。彼の正義は心のなかで勝手に思い込んでいるロマンティックな正義にすぎませ
「いい仕事をしている」という「評価の承認」ではなく、駄目なところも含めて、ただ「あなただから好きなのだ」と言ってくれる。これは「存在の承認」