桐谷知未のレビュー一覧

  • メイフェアのおかしな後見人 あるいは侯爵の結婚騒動

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    ネタバレ

    こういうジャンルの王道はちょー分かってる、はずの王道なのに面白かったラブコメ小説がこちら。意外性のあるなしは気にしない。
    技巧すぐれた文は引きこまれます。

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    2020年11月12日
  • 雪降る夏空にきみと眠る 下

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    上巻ではまだバラバラだったピースがどんどんまとまって疾走感を増してくる。ヘンな人たちの本性も次々明らかになるけど、どれもこれも意外。チャーリーは記憶力がいいということ以外目立った能力はなさそうなんだけど、ナイーブなまでの正義感があって、どこか人を引きつける。それってフォード作品の主人公の特徴? だから奇想天外で、振り回されながら読んでいても、どこか清々しい気持ちになるのかも。

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    2019年07月17日
  • メイフェアの不埒な紳士 あるいは夢見ぬ令嬢の結婚騒動

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    そういえば、ちょうどこの本を読んでいる頃にシンデレラの映画を観た。シンデレラも義理の姉たちも(もちろん義母も)、舞踏会に呼ばれて結婚相手を…と意気込んでいるのは承知のストーリー。しかし今まで、本当のところでその「結婚相手を見つけるためのパーティー」とはなんなのか理解していなかったが、そうか、これがメイフェアシリーズの舞台である「シーズン」のことなのかと腑に落ちた。

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    2018年09月03日
  • メイフェアのおかしな後見人 あるいは侯爵の結婚騒動

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    一作目に続いて面白かった。恋愛騒動がうまくいきそうな流れはさておき、噂、しきたり、服装、階級社会…今のイギリスを知る上でも、こういうベースがあったんだということを知る勉強になると思う。

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    2018年09月01日
  • メイフェアの不運な花嫁

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    ダウントンアビーを見終わって喪失感に襲われている時に最適。時代設定は19世紀でかなり違うし、白粉やら髪粉やらずいぶん旧時代なしきたりが多いが、階級社会のおかあいなプライド、晩餐会、嫁取り騒動…いつの時代も変わっていないのかもと思わせる内容

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    2018年08月30日
  • メイフェアの不運な花嫁

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    ロマンス小説…なのかな?一冊に2話入っていて、1話が結構短いのでサクサク読めます。割とドタバタな、コメディ風味で楽しんで読めました。ちょっとピリッとした毒のある感じというか容赦のない感じもあって痛快。登場人物の心理描写を丁寧に読みたい時には不向きかも。
    主役は屋敷の使用人達なので、屋敷の借主の恋愛パートは割とあっさり進んで行く感があります。使用人達には幸せになって欲しいな。続きも買ってあるので読むのが楽しみ。シリーズは全部で6話書かれているらしいので、以降の邦訳も早く出るといいな。

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    2017年02月10日
  • ハイパーインフレの悪夢―ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する―

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    「国を打ち倒したかったら、まずは通貨を破壊せよ」
    想像を絶するハイパーインフレの実態。。。というか、ほとんどどのページを見てもパンが一日で30%値上がりした、とかそういう話ばかりで逆に眠たくなるくらいだ。

    1914年に50%程度だったドイツのエンゲル係数は、1919年には75%になっていたという。1913年から1923年までに、丸くは実に1兆分の1の価値にまで暴落(というか微小すぎて無視していいレベル)

    WW1:軍部:戦争したい→政府:戦費調達→インフレ
    (兵士の戦意をある程度くじくくらいのインフレだったようだ)
    ベルサイユ条約(フランスがありったけの恨みを込めて創り上げた条約)
    マルク安にして重工業の国際競争力をあげるため(ウォン安みたい)、見た目の賃金をあげるため(実際はすごいインフレで銀行員の年収で4人家族を1ヶ月食べさせられるのがどうにかってくらいだったらしい。。。死ぬしかないやん)
    「ドル・物価が上がる」との認識。マルクが下がる、との認識はなく、より多くのマルクを求める。

    貯金などの資産価値は激減
    とにかく通貨をモノに変えようとして、老人が子供服を買ったりするくらい
    「パニックがあらゆる法を無視せよと言っている」

    インフレ→外国人にとっては旅行が激安(日本人もカメラ買いに行ってたらしい)→困窮する自分、豪遊する外国人→外国人嫌い
    インフレ→金融=ユダヤ人の陰謀説(なるほど!)→反ユダヤ主義

    ブルーカラーの給料がホワイトカラーの給料を凌駕。「頭脳にはもはや市場価値はない」と大学教授が嘆いたほど。(なるほど!知識階級に多かったユダヤ人がアメリカに行ってもいいやと思えただろうな。後から考えたら馬鹿としか思えないけど、これなら納得。)

    農民(=減少しない価値有るモノを持った人)のほうがいい生活。グランドピアノを小麦少しで手に入れるなど。

    中産階級の崩壊、反ユダヤ主義→ヒトラー台頭の温床に

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    2011年12月05日
  • 陽の光が消えた町で

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    設定はSFだけどいまを生きる私たちが抱える問題や悩みが扱われている。困難な状況で助け合えるコミュニティを構築していく表題作を読んで、人と関わるのが苦手な私が「私もここで暮らしたい。世界にはこうあって欲しい。私はこういう行動が取れるだろうか?」と思ってしまった。
    味わいが異なる短編集で、どれも読みやすく面白かった。解説に紹介されている他の作品も早く日本で出版されて欲しい。

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    2026年10月04日
  • 陽の光が消えた町で

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    6つの話が入ったSF短編集。どの話も読みやすくて面白かった。
    最終話「アルゴリズムでよりよい生活を」が印象に残った。このアプリは使っちゃう。

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    2026年09月30日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    久しぶりのSFというかファンタジーの長編で、ミステリーの要素もふんだんに盛り込まれていて、没入感を楽しみました。
    続編の邦訳出ないかな。
    映像化も良さそうだけど、一番メインの木が生えるシーンをどうするかが問題だ。。

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    2026年09月12日
  • 陽の光が消えた町で

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    心があたたかくなったり、ちょっと怖かったり
    SFの分野にはいるそうですが
    ほんの少し未来の想像できるストーリー。
    6篇どれも面白かった。
    コミュニティーがキーワードかな。

    特に「陽の光が消えた町で」は
    災害国の日本でも持ってる人が持っている能力や物資をを提供して
    共に生き抜けたらどんなに良いかと思いました。

    結局、人は昔からコミュニティーのなかで生きていて
    自分のコミュニティーをみつけられれば
    その中で自分の出来る役割をみつけ
    積極的に行動して
    そうすることで自分の居場所となって
    心穏やかに生きていけるのかもかもしれないと考えさせられました。
    どんな時代になっても人との繋がりは大切ですね。

    他の5篇も面白かったのでおすすめです。

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    2026年08月06日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    ファンタジーとミステリが絶妙に入り混じってる。
    体は人間の形ではなさそうだけど心が人間のままなのが興味深い。軍が出てくるので制服好きな私にも合う。続編があるそうなので期待。文庫が出たら揃えたい。

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    2026年08月04日
  • 陽の光が消えた町で

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    ネタバレ

    受賞作を集めた短編集ということで、それなりに面白かった。エンタメ・ライト寄りではあるけど。

    「陽の光が消えた町で」表題作。何かの理由で日照量が下がった近未来で、人のつながり・優しさというものがある話。正直都合のよいハートウォーミングストーリー感が拭えなかったw、面白かったけど。

    「怪物」好きな作品そのいち。無二の"親友"(と関係性を括りたくないが、1:1の深い関係)が、疎遠になり、最後は相手を殺す/解放するという、愛の形の一作。SFというよりかはバイオホラー?仲良くなる過程で、SFの本を貸し合うのが可愛かった

    「海を見渡す四姉妹」いちばん好きだった作品笑。こちらもSFというよりかは、ファンタジー/ホラーという感じ。ここまで読んで、男性への嫌悪感というものより強く感じることになり、そしてそれが一定共感できるものであった。アザラシに飲み込まれてしまえばよいこと、あるよな、、

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    2026年07月19日
  • 陽の光が消えた町で

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    『友だちが怪物になってしまったなら、そうするしかないからだ』
    「流れ星にだけじゃないよ。一番星とか、白い馬とか、なんにでも。いつだって友だちが欲しいって願ってた」
    ー怪物

    「あなたのママはここの一員だからね」
    ー海を見渡す四姉妹

    ちょっとひやっとする話があったり、不思議な話があったり。
    怪物に出てくるふたりの大切な関係が、せつなかったり。四姉妹に出てくる、『ここの一員』。
    ぞわぞわするセリフ、何か起こりそうな不思議な感覚。

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    2026年07月18日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    世界幻想文学大賞・ヒューゴー賞受賞。
    海からリヴァイアサンが襲ってくるため環状の防壁を建て、人間は様々な特化した能力を持つように改変され、変異した植物をテクノロジーで制御する、そんな世界で起こった事件。体から巨大な木を生やして絶命するという奇妙な謎に、捜査官のアナと、全てを記憶する改変を受けた助手のディンが挑む。
    特殊設定ミステリでもあるが、それよりもファンタジーとしての魅力がある。鬱蒼とした雰囲気の中で淡々と話が進むのに、面白くてスルスル読めてしまった。表紙の絵も素敵。
    続編もあるようなので翻訳されたら読みたい。

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    2026年07月11日
  • 陽の光が消えた町で

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    ネタバレ

    短編集でサクサクと読みやすかったです。
    人と人との関わりやその繋がりの温かさを感じた。「怪物」は少し切なかった。親友のアンドルーが殺人をおこしてしまって主人公が制裁を加えなくてはいけない。だけどアンドルーが最期にパスワードを教えて、そのパスワードが主人公の名前だったのは、なんか哀しいけど感慨深かった。AIから見た人間を描く独特な世界観を持つ話「報酬は猫の写真で」も面白かった。AIが意思を持って人間に関与することって実際にあるのかなあって考えながら読んだ。
    最後の「アルゴリズムでよりよい生活を」も
    AIが管理?したプログラムされたアプリの話で、人間の生活を管理していくんだけど、人間は人間らしさを取り戻すために一度管理されないとできないのかなと思った。でも最後はアプリに頼らずに自分の感覚を取り戻せて良かったと思った。うまくまとまらないけど、面白かったです。

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    2026年07月04日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    未知の物語の世界観や設定、登場人物の性格を理解できるまで少し時間が掛かったが、ひと通り理解できた後はかなり面白かった。

    しかし、私は記銘師ではないため、登場人物の名前が全然覚えられなくて、『この人だれやったっけ??』となった。なんならクライマックスですら…。申し訳ない。

    記銘師的な記憶力に移植(グラフト)や侵染(サフュージョン)してる人はきっと五倍は楽しめると思う。わたしもやれるなら改変したい。

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    2026年06月29日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    探偵役やワトソン役、世界観は魅力的
    ストーリーも面白い
    木に殺されるというのも幻想的

    でもリヴァイアサンや城壁やら能力者やら出て来て、そこが謎解きと絡み合って、ミステリの解決とともに世界の秘密が明かされる、みたいなものを期待したのでちょっと肩透かし

    この世界でないと成立しないミステリかというとそうでもない気がする

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    2026年06月26日
  • 陽の光が消えた町で

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    情報過多SFと必要最低限SFの2つがあるなら今作は後者の方。
    1つ目の話が1番好きでした。
    善意から始まったやり取りが思わぬ方へ飛んでいって、このあとどうなってしまうんだろう?って思ってからのすぐに終幕!いいテンポでした。
    全部クオリティ高くて、話のトーンも全話合ってて、ちょい怖だったり、笑えるのもあったりちょうど良し度がぴったし。
    翻訳は桐谷さんですからもうバッチシ!安心ですね。

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    2026年06月25日
  • 人体大全―なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか―(新潮文庫)

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    新潮文庫のScience&Histroryシリーズの1つだったため、手に取った書籍である。書籍の章立てとして、脳やホルモン等のトピックごとに分け、それらがどういった経緯で発見、研究が進んだのか、それに携わるエピソードを解説する形となっている。各章ごとに興味深い内容が紹介されており、面白く読むことが出来た。
    書籍全体、というか人体に関する内容としては、他の科学分野のなかでもなかなか解明が難しい、というか「臨床」という学問自体が事例に合わせた研究・分析が必要な分野であり、研究対象の複雑さに研究・技術自体が追い付かない、追い付けない分野などだと感じた。
    また、人体の研究をするにあたり、人道的・道徳的な難しさがあるのは外野から見てて思っていたが、それだけではなく、経済や世間の印象や認識に大きく研究内容が左右される印象を持った。

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    2026年06月25日