桐谷知未のレビュー一覧
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災害により食糧や電気が供給不安定になった社会、生命維持装置のため、近隣住人たちで自転車発電チームを結成することになる表題作・ほか6篇。
2026年海外文学ベスト本になるかもしれない…本当に読んでよかった!
未来への夢と希望、失った友情と過去、未知のものとの温かいやりとりなどなど、日常に少し不思議な要素が溶け込んだ読みやすく読後感のよい短編集。
SFがサイエンスフィクションではなく、藤子・F・不二雄的に「すこしふしぎ」に機能する笑
“終末モノ”すらほの明るく、主人公たちがタイプは違えど理知的な人物ばかりなのも良かった。
みんなが助け合ってる場所で暮らしたいよね。
「怪物」に登場する文学をすべて読みたくなっちゃうね。
猫の写真をアップし続けると、いいことがあるかもしれないね。 -
Posted by ブクログ
#記銘師ディンの事件録 木に殺された男
ファンタジー世界におけるミステリは、その世界観が矛盾なく確立していないと、謎解きに説得力がなくなる危険性がある。でも本作にその心配は杞憂。骨太のダークファンタジーの舞台が用意されている。
そこに性格破綻した安楽椅子探偵と、完璧な記憶力を持ちながら、陰のある助手が活躍する王道のバディ小説の風格。
SF・ファンタジー好き×ミステリ好き×バディものが好きな自分にとっては、この上ないご馳走様なのだ。
本国では2作目が刊行済みでこの夏には3作目も発売予定。全5部作の予定とのことで、生きる楽しみが増えた。
#読書好きな人と繋がりたい -
Posted by ブクログ
面白い。大当たり!
『ハイ・ファンタジー』+『サイバー・パンク』+『シャーロック・ホームズ』+『ゴジラ』(なんだこのバカっぽい煽り文句は)
でも面白い!
神聖カナム大帝国は、雨季になると東の海から姿を現す巨獣リヴァイアサンに悩まされている。辺境の町ダレタナで政府高官が不可解な死を遂げた。司法省捜査官助手になったばかりで、見たもの全てを記憶できる“記銘師”のディンは、変人の上司アナと共に捜査に乗り出すが…。
入念に創り込まれた『ハイ・ファンタジー』の世界観。独自の技術で“生体改変”された人々が、中世ヨーロッパ風のダークな異世界で捜査し、戦い、暗躍する。SF小説やダーク・ファンタジー好きにはうってつけの物語だと思います。好き。
「ここまで創り込んでおいて終わりはもったいないな」
…と思ったら続巻があるんですね。本書はアメリカでは2024年出版。2025年には続巻が出て、2026年8月には第三巻出版予定。著者は5部作を予定しているそうだから、早川書房さん!よろしくお願いします。
それと、本書タイトルは簡潔にして的確。良いタイトルだと思う。原題は『The tainted cup』(汚染された器)。ちょっと物足りない感じ。主人公であり視点人物名をタイトルにしたのは良い選択だと思います。次巻が出るのを楽しみに待ってます。
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Posted by ブクログ
一応はミステリに分類したけれど、ファンタジーあるいはSFにも分類できそう。舞台は、神聖カナム帝国の辺境。雨期になると、東の海から巨獣リヴァイアサンが上陸を試みてくる。それを防ぐために帝国は三重の環状防壁を築き、さらに海岸線近くに臨海防壁を築いていた。そして人と資源を軍団につぎ込んで国を守っていた。このへんの設定は、『進撃の巨人』を思わせる。もしかすると、作者は読んでいたのかもしれない。
そして、上陸を阻止した巨獣の死体から流れ出した血がしみ込んだ土地からは、変異した植物が生えてきた。これらの植物の不思議な力を利用して、動植物を<生体改変>している。これは人間にも応用されている。主人公ディンはビデオカメラ的な完全な記憶力を持ち、司法省の捜査官助手(見習い)をしている。上司の捜査官は、中年女性で変人のアナである。その他、数理師や怪力師といった多様な力を持たされた者たちが存在している。
アナとディンのバディが怪死事件を追う展開となっているのだが、異世界が舞台となっており、設定を飲み込むまで相当のページ数を費やしてしまう。全体の中頃までは、諦めずに読んだ方がよい。ここからが面白くなる。
全5部作になるとのことなので、設定を飲み込んでおけば次巻からは、物語に入り込むやすくなると思う。早川書房さんには、ぜひとも全巻出版してほしい。 -
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新政権による財政支出の方針が固まり、10年、20年、30年の国債金利がヒストリカルなターニングポイントを超える水準まで上昇し始めたことは、日本のデフレがついに収束し、インフレの扉が開いたことを意味する。
現在の日本の財務官僚や政治家たちは、ドイツのハイパーインフレの推移を知り尽くしているはずだろうし、自国通貨の価値を保全することの重要性は承知しているはず。一方で、インフレは巨額の債務価値を一気に減少させることも事実であり、「コントロールした形のインフレ」は望んでいるのかもしれない。
今後の日本の数十年間という時間軸では、デフレに戻る可能性よりも、インフレが恒常化する可能性のほうが高く思える。さらには、地震や噴火による天変地異が発生すると物資不足となり、短期的・局所的なハイパーインフレを起こす可能性は否定しえない。(コロナ初期のマスクのように)
この本は、第一次大戦が勃発した1914年から1925年にインフレが沈静化するまでの約10年間に、社会規範が完全に壊れ、さらにはファシズムの台頭へと繋がっていくまでの観察記録。約100年前、我々の3~4世代前の異国の話なのだが、既視感ある記述が多い。
インフレ初期においては、人々はインフレを通貨の価値の下落ではなく、物価の高騰と考えていた、という記述はまさに現在の日本円の置かれている状況と同じ。他にも様々な類似点あり。背筋がゾワっとなる。
この本は定期的に読み返す必要あり。 -
Posted by ブクログ
人体についてのエッセイ。
思えば人はどのくらい自分の体のことを知っているのだろうか。
この本を読むと、実は殆ど知らないことばかりのように思ってしまう。自分の体のことを知らなくても、生きていける。なんと不思議なことか。
ヒトを構築する元素は59種類あるそうだ。炭素、水素、窒素、カルシウム、リンの6種類で99.1%を占める。人体を構成する化学物質を金物店で買うと5ドル程度で買うことができるそうだ。まあなんて安いこと。
しかしこの原子、一個一個はなんの考えも意志もないが、どういうわけか集まると人体の組織をつくり、臓器を作る。それだけではない、一番不思議なのは、「意識」を作ってしまうことだ。しかも精緻な意識。微妙な感情や感覚を持つ。ただの原子の集合体がだ。なんて不思議なんだろう。
と思いつつ読み進める。
皮膚の話、微生物との共生、脳、睡眠、心臓、ホルモン、骨、胃などどれだけ人体が精巧につくられているか、不思議な構造をしているのかが語られる。だが、なぜそうなっているのか殆どよくわかっていない。
著者のビル・ブライソンは米国生まれのノンフィクション作家。
本書は、『人類が知っていることすべての短い歴史』に続いて2冊目。なんとも面白い本を書く人だ。 -
購入済み
カバーの印刷がレンブラント
カバーの印刷がレンブラントの有名な解剖場面の絵を使っていて非常に印象的である。解剖学的な概説は勉強にはなるがそれほど感銘を受ける話ではない。しかし巻末の終盤の現代医療や医薬に関する話には大変に感銘を受けた。確かに医学は急速に進歩しているが、今現在 正しいとされていたことが将来も正しいとは限らない ということがよくわかった。特別な健康法を実施するのではなく、食べて 運動して しっかり眠る ことが良い。
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Posted by ブクログ
泣いている子供に対して、「(今ここで諦めたらずっとダメなまま大きくなってしまうから、君の今後のためを思って)泣くな!頑張ろう!」
と励ましたことのある人は多いのではないかと思う。
勿論その方法も間違いとは言い切れない部分もある。だけどそのためには前提となる愛着を持ったコミュニケーションを交わしてきた土台があり、子供から自分自身が安心できる場所であると認識されている状態で初めて成立するものであり、それが整っていない状態で叱咤激励しても逆効果だ。
自分がやってきた子育ての間違いを識ると共に、激しい後悔のショックに頭を殴られたような感覚を覚える。
どうか、全ての親デビューする人が子育てを始める前に、出来れば妊娠・出産の困難に差し掛かる前のまだ比較的精神的肉体的余裕があるうちに、是非読んで欲しいと願う。
必読本として配布したいくらいだ -
購入済み
私は純粋に体の仕組みを自分なりに理解したく、情報として読みたいので、その点不要なエピソードが多いのだけど、発見に至った経緯、まだ未知な部分について今後も発展が厳しい理由、昔は出来たが今は倫理的にできない実験の話など、記憶に焼き付けるにはそのエピソードもまあ合っていいかな、というレベル。 頭から読む必要は無くて、興味のある部位を開いてフムフム、という感じ。 一度読んだらおしまい、というものでは無くて図鑑的要素満載だから、少々値は張るが、体に関心のある人なら持っていて損はない一冊だと思う。