桐谷知未のレビュー一覧

  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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     一応はミステリに分類したけれど、ファンタジーあるいはSFにも分類できそう。舞台は、神聖カナム帝国の辺境。雨期になると、東の海から巨獣リヴァイアサンが上陸を試みてくる。それを防ぐために帝国は三重の環状防壁を築き、さらに海岸線近くに臨海防壁を築いていた。そして人と資源を軍団につぎ込んで国を守っていた。このへんの設定は、『進撃の巨人』を思わせる。もしかすると、作者は読んでいたのかもしれない。

     そして、上陸を阻止した巨獣の死体から流れ出した血がしみ込んだ土地からは、変異した植物が生えてきた。これらの植物の不思議な力を利用して、動植物を<生体改変>している。これは人間にも応用されている。主人公ディ

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    2026年06月16日
  • 陽の光が消えた町で

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    6編からなる短編集.
    帯には「ヒューゴー賞,ネビュラ賞ほか英米SF賞 計8巻」と宣伝されている.
    8冠は伊達ではない内容だが,「SF」を期待するとチョット違う.確かにAI,ドラッグ開発,大災害後,等々,テーマはSFには違いないのだが,それは背景の一部に過ぎず,描かれるのは市井の人の生活で,その人たちが皆それぞれ少し救われる,という話ばかり.

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    2026年06月10日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    驚くほど面白かった。
    壮大なファンタジーの世界に圧倒された。事件が解き明かされる様子にどきどきした。
    夢中になって一気に読んだ。手が疲れた。
    早く続きが欲しい。

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    2026年06月10日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    CL 2026.5.20-2026.5.24
    ファンタジー世界のミステリ。
    細部まで見事に作り込まれた世界観。
    帝国に海獣リヴァイアサン、改変、移植、浸染。生体改変した記銘師、数理師、怪力師。
    体の中から植物が生えて殺されるなどという、想像もできないような殺人事件を捜査するお話なんだけど、わたしたちの生きる世界と同じように正義感や苦悩や腐敗が描かれていてとても共感できる。主人公のアナとディンはじめ登場人物たちも皆魅力的で、すごく面白かった。
    海外のファンタジーでこんなにも没入できる作品ははじめてかも。

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    2026年05月24日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    ​ミステリー、SF、ファンタジーの醍醐味がすべて凝縮された、
    自分にとって最高にドストライクな作品だった。
    特に、入念に作り込まれた「人体への移植や浸透」
    という異質な生体技術の設定が素晴らしく、
    物語の世界へ一気に引き込まれた。
    緻密に張り巡らされた伏線も秀逸で、
    「もしかしてこれが繋がるのか?」
    と推測しながらページをめくる時間がとにかく楽しかった。
    本国ではすでに続編が出ており、
    5部作の構想もあるとのこと。
    この記念すべき第1作目をリアルタイムで味わえた興奮を胸に、
    早くも次巻の翻訳が待ち遠しくてたまらない。

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    2026年05月23日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    ネタバレ

    今年のベストがもう決まってしまった。
    本当に出会えて幸せな一冊。
    とにかく面白い!アナとディンのキャラクターも最高だし、世界観も唯一無二でダークファンタジーを兼ね備えているミステリなのがめちゃくちゃ贅沢。

    ディンが自分の秘密をアナに明かすところは泣いてしまった。なぜだか自分が救われたような気持ちになる。

    訳者のあとがきを読んでびっくり!
    アメリカでは去年続編が一冊でており、今年も一冊刊行予定とか。
    しかも現時点で五部作の予定らしい
    早く読みたくて仕方ない
    もはやアメリカ人になりたい
    英語の小説を読めない自分を殴りたくなってしまう

    最高の小説!

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    2026年05月20日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    ネタバレ

    毎年、雨季になると巨獣・リヴァイアサンに侵攻を受ける神聖カナム大帝国。巨獣の撃退に多大な犠牲を払いながらも、まさにその巨獣由来の成分を用いた人体改造で超人を作り出したり、様々な動植物を改変することで生活の質を向上させたりと、薄氷の上といえども長らく文明を維持してきたその帝国で、リヴァイアサンの襲来と時期を重ねるようにして奇妙な連続殺人が起きる──といった筋立ての、ファンタジーであり、SFであり、作品世界がよく作り込まれたミステリ小説。

    世界設定は当初は難解に感じられたけれど、登場人物が生き生きとしているからかすぐに物語に没入することができた。
    主役のディンとアナはそれぞれのキャラクターも、ふ

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    2026年05月19日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    ネタバレ

    アメリカの作家、ロバート・ジャクソン・ベネットのファンタジーミステリ。世界幻想文学大賞とヒューゴー賞を受賞し、MWA最終候補というとんでもない作品。

    神聖カナム大帝国の辺境の州で、政府の高官が体の中から樹に食い破られて死亡する事件が発生する。完全記憶能力を持つ記銘師のディンは、上司で変人のアナと調査を開始するが…

    間違いなく今年度ベスト級の作品。名だたる賞の受賞も納得の作品。
    読みやすさもさることながら、ストーリー展開やミステリ的な意外性もしっかりしていて、のめり込んでしまった。
    特殊能力や海からやってくるリヴァイアサンなど、ファンタジーの材料でもあるが、それらをしっかりと推理に活用してい

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    2026年05月11日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    とても読みやすくぐいぐいと世界観に引き込まれてしまい、読み進める手を止めることが難しかった。
    いろいろな細かい設定に、伏線回収等満足できる点が多く自分としては当たりだなぁと思えました。
    続編あるのかな?あればぜひ読みたいし、なければ是非とも書いてほしいなと思いました。

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    2026年05月10日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    ヒューゴー賞(SF)および世界幻想文学大賞(ファンタジー)受賞、そしてMWA賞(ミステリー)候補という、まさにジャンルを超越した大興奮長篇小説。
    舞台となるのは“リヴァイアサン”という怪物にたびたび襲われる世界。怪物と戦うために帝国は様々な手段を駆使する。なかでも白眉は、怪物退治の副産物ともいえる“血”を用いた人体改変だ。
    主人公は捜査官助手のディン。あらゆることを記憶する“記銘師”である彼はその能力を駆使して、上官のアナと共に不可解な殺人事件の謎に挑む。
    本年度ベスト級の傑作。続篇も楽しみだ。

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    2026年05月04日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    ネタバレ

    面白かった。ミステリ色の強いファンタジー&SFといった感じだけど、犯人・謎解明に向けたストーリー展開が素直に進むので、SF的なガジェットやファンタジー向け設定などが普通に馴染んできてすごく読みやすい。その分、ミステリとしての満足感は浅く、ファンタジー的にも掘ってほしいところはあっさりとかわされたりするので、それぞれのコアなファンには物足りないかも。しかし、シリーズものの第1巻としては満足で、この世界は奥深く、続刊が出たら迷わず手に取ってしまうだろうと思う。出てくるアイテムもそれぞれとても魅力的。おすすめ。

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    2026年05月01日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    家から出ない安楽椅子探偵が、助手を現場に派遣して事件の全容をつかみ、最後に関係者全員を集めて謎解きをする、殺人ミステリの王道を行くスタイルなのだが、表紙カバーのイラストが無気味で、ホラーか何かと勘違いされて敬遠されてしまいそうだ。ミステリ好きの読者はどうか安心して読まれるがいい。とんでもなく面白いことは保証する。

    しかし、ただのミステリではない。まず、移動は馬、通信手段は鳩ならぬ「伝書鷹」、武器は腰に下げた剣という、西欧中世あたりを思わせる、神聖カナム大帝国辺境地帯が舞台。そう聞くと歴史小説みたいだが、雨季になるとリヴァイアサンという巨獣が深海から浮上し、帝国東部に幾重にも巡らした堡塁を襲う

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    2026年04月27日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    むっちゃおもしろかった。〈ゴジラ的な巨獣が年に一度襲ってくるので、それに対抗するため、能力の改変が行われている帝国〉という世界の作り込みがすごいのと、その中で記憶する能力を極限まで高めた「記銘師」ディンが、体からいきなり樹が生えてきて死ぬというわけのわからんグロい事件の捜査に突っこまれて、あたふたしながらすごい才能を発揮していく姿が痛快。
    能力の改変を受けて「記銘師」になっているのだから「才能を発揮」するのは当たり前かもしれないけど、ディスレクシアであることをひた隠しにしていたりして、ちょっとしたデコボコがあるところがいい。上司のアナも天才的な安楽椅子探偵みたいな人でクセ強。ホームズというより

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    2026年04月21日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    超★5 海の巨獣に襲われる帝国、木に殺された男の謎… 重量級の幻想ミステリ #記銘師ディンの事件録

    ■あらすじ
    舞台は神聖カナム大帝国、海に面したこの国が恐れているのは、海の巨獣リヴァイアサン。この災厄に対抗するために、人々は身体能力を改良する特殊能力を得ていた。

    ある日、地方豪族の邸宅で高官の死体が発見される。彼は体から巨大な木を生やした姿で亡くなっていた。記銘師ディンと捜査官アナは、この奇妙な事件の捜査を始めるが…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    超★5 おもろい! 重量級の幻想ミステリー、今年必読の一冊ですね。

    カテゴリ分けするとファンタジー、SF寄りになっちゃうと思うけど、謎解き

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    2026年04月08日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    ネタバレ

    凄く飲み込みやすい設定、分かりやすくて読みやすい翻訳、こんな楽しいファンタジー小説を買った自分を褒めたい!表紙みた感じもっと堅い感じやと思ってたのに読んだ瞬間にこれは……ってなる。今年1番面白かった!じわじわ捜査が進み、事件の全容が明かされる楽しさプラス、世界設定がどんどん馴染んでくる楽しさもあって最初から最後まで飽きることない。仕事で疲れて1ページしか読めない時でも楽しかった。この本のおかげでこの数週間仕事頑張れましたね。


    ファンタジーミステリーものでこれに似た感じの特殊な世界設定、迫り来る脅威なんかは折れた竜骨を思い出しました。

    主人公と探偵、他のキャラクター造形がほんと素晴らしい。

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    2026年04月03日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    ロバート・ジャクソン・ベネットの『記銘師ディンの事件録』は、ファンタジーとミステリとSFを融合させた独創的な作品であり、その魅力は何よりも圧倒的な世界観にある。雨季になると海から巨大な怪獣が襲来するという過酷な環境の中で、人々は生体改変技術によって適応し、独自の生態系と社会を築いている。この“環境そのものが物語を動かす”構造が非常に新鮮で印象的だった。

    中でも、天才的な推理力を持つアナの存在は際立っている。冷徹な論理で事件を解き明かしながらも、真実への強い執着を感じさせるその姿は非常に魅力的で、物語の核を担っている。一方、語り手であるディンもまた印象深い。完璧な記憶力という特殊能力を持つ観測

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    2026年03月25日
  • 生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て

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    最近よくきく愛着形成についてわかりやすく、かかれた本
    どんな生い立ちでも、いつでもスタートできるので前向きな印象があった
    特にネットでは毒親からの連鎖は断ち切れないようなことを書く人が多いが、かなり大変ではあるが断ち切る方法を提示している
    冒頭にあった通り、シンプルだけど簡単ではないのでこれから本の内容を忘れずに子供が安心できる存在になれるよう頑張りたい

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    2026年02月22日
  • ハイパーインフレの悪夢―ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する―

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    新政権による財政支出の方針が固まり、10年、20年、30年の国債金利がヒストリカルなターニングポイントを超える水準まで上昇し始めたことは、日本のデフレがついに収束し、インフレの扉が開いたことを意味する。

    現在の日本の財務官僚や政治家たちは、ドイツのハイパーインフレの推移を知り尽くしているはずだろうし、自国通貨の価値を保全することの重要性は承知しているはず。一方で、インフレは巨額の債務価値を一気に減少させることも事実であり、「コントロールした形のインフレ」は望んでいるのかもしれない。

    今後の日本の数十年間という時間軸では、デフレに戻る可能性よりも、インフレが恒常化する可能性のほうが高く思える

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    2025年11月22日
  • ハイパーインフレの悪夢―ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する―

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    継続的に増税をしても、根本的な解決には結びつかない。新たに税率を上げるたび、自動的に物価は上がり、通貨の購買力は下がるので、その結果一層のインフレと財政の不安定化がもたらされる/インフレのせいで、あらゆる悪が助長された。急進主義者によって対立があおられやすくなった。インフレには差別意識を駆り立てる性質があり、そのせいで誰もが自分の最も悪い部分を引き出された。インフレによって外国人を毛嫌いする感情も芽生えた。法と秩序を破壊しようとする行為も増えた。インフレは大恐慌とそのあとの最悪の展開の前触れでもあった

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    2025年02月06日
  • 人体大全―なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか―(新潮文庫)

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    普段何気なく疑問に思っていることを解説してある。
    健康について世の中にはフェイクが多いってことを改めて感じる。

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    2025年01月25日