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世界幻想文学大賞・ヒューゴー賞受賞、MWA賞最終候補。『進撃の巨人』風異世界の本格派ミステリ 帝国辺境で技術省高官が変死した。体から突然、巨大な木が生えたのだ。捜査を開始したアナとディンは十人の技術省技師が同様に死亡し、海から現れる巨獣を阻止せんための防壁が破壊されたと知らされる。帝国を揺るがす事件の謎を二人は解くことができるのか!?
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Posted by ブクログ
#記銘師ディンの事件録 木に殺された男 ファンタジー世界におけるミステリは、その世界観が矛盾なく確立していないと、謎解きに説得力がなくなる危険性がある。でも本作にその心配は杞憂。骨太のダークファンタジーの舞台が用意されている。 そこに性格破綻した安楽椅子探偵と、完璧な記憶力を持ちながら、陰のある助...続きを読む手が活躍する王道のバディ小説の風格。 SF・ファンタジー好き×ミステリ好き×バディものが好きな自分にとっては、この上ないご馳走様なのだ。 本国では2作目が刊行済みでこの夏には3作目も発売予定。全5部作の予定とのことで、生きる楽しみが増えた。 #読書好きな人と繋がりたい
面白い。大当たり! 『ハイ・ファンタジー』+『サイバー・パンク』+『シャーロック・ホームズ』+『ゴジラ』(なんだこのバカっぽい煽り文句は) でも面白い! 神聖カナム大帝国は、雨季になると東の海から姿を現す巨獣リヴァイアサンに悩まされている。辺境の町ダレタナで政府高官が不可解な死を遂げた。司法省捜査...続きを読む官助手になったばかりで、見たもの全てを記憶できる“記銘師”のディンは、変人の上司アナと共に捜査に乗り出すが…。 入念に創り込まれた『ハイ・ファンタジー』の世界観。独自の技術で“生体改変”された人々が、中世ヨーロッパ風のダークな異世界で捜査し、戦い、暗躍する。SF小説やダーク・ファンタジー好きにはうってつけの物語だと思います。好き。 「ここまで創り込んでおいて終わりはもったいないな」 …と思ったら続巻があるんですね。本書はアメリカでは2024年出版。2025年には続巻が出て、2026年8月には第三巻出版予定。著者は5部作を予定しているそうだから、早川書房さん!よろしくお願いします。 それと、本書タイトルは簡潔にして的確。良いタイトルだと思う。原題は『The tainted cup』(汚染された器)。ちょっと物足りない感じ。主人公であり視点人物名をタイトルにしたのは良い選択だと思います。次巻が出るのを楽しみに待ってます。
一応はミステリに分類したけれど、ファンタジーあるいはSFにも分類できそう。舞台は、神聖カナム帝国の辺境。雨期になると、東の海から巨獣リヴァイアサンが上陸を試みてくる。それを防ぐために帝国は三重の環状防壁を築き、さらに海岸線近くに臨海防壁を築いていた。そして人と資源を軍団につぎ込んで国を守っていた。...続きを読むこのへんの設定は、『進撃の巨人』を思わせる。もしかすると、作者は読んでいたのかもしれない。 そして、上陸を阻止した巨獣の死体から流れ出した血がしみ込んだ土地からは、変異した植物が生えてきた。これらの植物の不思議な力を利用して、動植物を<生体改変>している。これは人間にも応用されている。主人公ディンはビデオカメラ的な完全な記憶力を持ち、司法省の捜査官助手(見習い)をしている。上司の捜査官は、中年女性で変人のアナである。その他、数理師や怪力師といった多様な力を持たされた者たちが存在している。 アナとディンのバディが怪死事件を追う展開となっているのだが、異世界が舞台となっており、設定を飲み込むまで相当のページ数を費やしてしまう。全体の中頃までは、諦めずに読んだ方がよい。ここからが面白くなる。 全5部作になるとのことなので、設定を飲み込んでおけば次巻からは、物語に入り込むやすくなると思う。早川書房さんには、ぜひとも全巻出版してほしい。
驚くほど面白かった。 壮大なファンタジーの世界に圧倒された。事件が解き明かされる様子にどきどきした。 夢中になって一気に読んだ。手が疲れた。 早く続きが欲しい。
CL 2026.5.20-2026.5.24 ファンタジー世界のミステリ。 細部まで見事に作り込まれた世界観。 帝国に海獣リヴァイアサン、改変、移植、浸染。生体改変した記銘師、数理師、怪力師。 体の中から植物が生えて殺されるなどという、想像もできないような殺人事件を捜査するお話なんだけど、わたしたち...続きを読むの生きる世界と同じように正義感や苦悩や腐敗が描かれていてとても共感できる。主人公のアナとディンはじめ登場人物たちも皆魅力的で、すごく面白かった。 海外のファンタジーでこんなにも没入できる作品ははじめてかも。
ミステリー、SF、ファンタジーの醍醐味がすべて凝縮された、 自分にとって最高にドストライクな作品だった。 特に、入念に作り込まれた「人体への移植や浸透」 という異質な生体技術の設定が素晴らしく、 物語の世界へ一気に引き込まれた。 緻密に張り巡らされた伏線も秀逸で、 「もしかしてこれが繋がるのか?」...続きを読む と推測しながらページをめくる時間がとにかく楽しかった。 本国ではすでに続編が出ており、 5部作の構想もあるとのこと。 この記念すべき第1作目をリアルタイムで味わえた興奮を胸に、 早くも次巻の翻訳が待ち遠しくてたまらない。
とても読みやすくぐいぐいと世界観に引き込まれてしまい、読み進める手を止めることが難しかった。 いろいろな細かい設定に、伏線回収等満足できる点が多く自分としては当たりだなぁと思えました。 続編あるのかな?あればぜひ読みたいし、なければ是非とも書いてほしいなと思いました。
ヒューゴー賞(SF)および世界幻想文学大賞(ファンタジー)受賞、そしてMWA賞(ミステリー)候補という、まさにジャンルを超越した大興奮長篇小説。 舞台となるのは“リヴァイアサン”という怪物にたびたび襲われる世界。怪物と戦うために帝国は様々な手段を駆使する。なかでも白眉は、怪物退治の副産物ともいえる“...続きを読む血”を用いた人体改変だ。 主人公は捜査官助手のディン。あらゆることを記憶する“記銘師”である彼はその能力を駆使して、上官のアナと共に不可解な殺人事件の謎に挑む。 本年度ベスト級の傑作。続篇も楽しみだ。
家から出ない安楽椅子探偵が、助手を現場に派遣して事件の全容をつかみ、最後に関係者全員を集めて謎解きをする、殺人ミステリの王道を行くスタイルなのだが、表紙カバーのイラストが無気味で、ホラーか何かと勘違いされて敬遠されてしまいそうだ。ミステリ好きの読者はどうか安心して読まれるがいい。とんでもなく面白いこ...続きを読むとは保証する。 しかし、ただのミステリではない。まず、移動は馬、通信手段は鳩ならぬ「伝書鷹」、武器は腰に下げた剣という、西欧中世あたりを思わせる、神聖カナム大帝国辺境地帯が舞台。そう聞くと歴史小説みたいだが、雨季になるとリヴァイアサンという巨獣が深海から浮上し、帝国東部に幾重にも巡らした堡塁を襲うというのだから、これは架空の帝国。つまり、ミステリでありながら、ハイ・ファンタジーなのだ。 帝国は軍を派遣し、大砲、巨砲で応戦することで臨海防壁を防御してきた。ところが、今回は東海岸の一部で防壁の一部が崩れ落ち、巨獣はそこをめがけて「突破」をかけてきた。そんな非常事態下で、事件が起きる。地主貴族の屋敷で客が死ぬ。ただの死ではない。からだのなかで植物が芽を出し、一気に枝を伸ばして根を張り、人を引き裂いて成長し、根は床下に枝は天井を突き抜けているというから恐ろしい。 政府は凄腕ではあるが変人の司法省捜査官アナを送り込む。アナは感覚が鋭敏過ぎて外に出られない。今回は捜査官助手見習い中のディン・コル中尉が現場に向かう。帝国には、各種技能を持つ人材に、巨獣の死骸から生えた植物から抽出した薬液その他を使って人体を改変した卓越者という存在を各部門に有している。コルもその一人。見たもの聴いたこと、匂い、触感と五感をフル稼働し、それを記憶に留め、捜査官に報告するのが記銘師の務めだ。アナはそれをもとに事件を解決してゆく。 この人体改変や蔓性植物や羊歯紙でできた建築、その他諸々の次々と繰り出されるSF的なギミックが、単なるミステリを読むのとは異質の読書体験をもたらす。それでいて、およそ国家というものができ、階層が生じると、そこに腐敗堕落が起きるのは、いつどこの世界でも同じで、人間の欲が善や正義を脅かし、世界は悪や汚濁に飲み込まれることになる。ハイ・ファンタジーの世界であるのに、今と通じるリアルな世界観が作品に幅と深みをもたらし、情味あるキャラクター造形と相まって、得も言われぬ読書体験を約束してくれる。世界幻想文学大賞、ヒューゴ賞受賞の傑作ハイ・ブリッド・ミステリの誕生である。
むっちゃおもしろかった。〈ゴジラ的な巨獣が年に一度襲ってくるので、それに対抗するため、能力の改変が行われている帝国〉という世界の作り込みがすごいのと、その中で記憶する能力を極限まで高めた「記銘師」ディンが、体からいきなり樹が生えてきて死ぬというわけのわからんグロい事件の捜査に突っこまれて、あたふたし...続きを読むながらすごい才能を発揮していく姿が痛快。 能力の改変を受けて「記銘師」になっているのだから「才能を発揮」するのは当たり前かもしれないけど、ディスレクシアであることをひた隠しにしていたりして、ちょっとしたデコボコがあるところがいい。上司のアナも天才的な安楽椅子探偵みたいな人でクセ強。ホームズというよりは、フリーレンの師匠の師匠であるゼーリエを思い出したかな。いつも大きな椅子に座って何もかもお見通しなあたり。あと、しゃべりもちょっと似てる。 リヴァイアサンは進撃の巨人を思い出す人が多いようだけど、やっぱゴジラでしょ。とてつもなく恐ろしいのに天を衝くその体躯で上陸するところを見てみたいと思ってしまうのはなぜなんだ。 そしてさらにストロヴィ大尉へのほのかな想い? 続巻でも触れられるのかな。次も出るそうで、歓喜ですね。
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記銘師ディンの事件録 木に殺された男
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