【感想・ネタバレ】記銘師ディンの事件録 木に殺された男のレビュー

あらすじ

世界幻想文学大賞・ヒューゴー賞受賞、MWA賞最終候補。『進撃の巨人』風異世界の本格派ミステリ

帝国辺境で技術省高官が変死した。体から突然、巨大な木が生えたのだ。捜査を開始したアナとディンは十人の技術省技師が同様に死亡し、海から現れる巨獣を阻止せんための防壁が破壊されたと知らされる。帝国を揺るがす事件の謎を二人は解くことができるのか!?

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Posted by ブクログ

超★5 海の巨獣に襲われる帝国、木に殺された男の謎… 重量級の幻想ミステリ #記銘師ディンの事件録

■あらすじ
舞台は神聖カナム大帝国、海に面したこの国が恐れているのは、海の巨獣リヴァイアサン。この災厄に対抗するために、人々は身体能力を改良する特殊能力を得ていた。

ある日、地方豪族の邸宅で高官の死体が発見される。彼は体から巨大な木を生やした姿で亡くなっていた。記銘師ディンと捜査官アナは、この奇妙な事件の捜査を始めるが…

■きっと読みたくなるレビュー
超★5 おもろい! 重量級の幻想ミステリー、今年必読の一冊ですね。

カテゴリ分けするとファンタジー、SF寄りになっちゃうと思うけど、謎解き要素もしっかりあってミステリーとしても読みごたえ十分。表紙が不気味で物々しくって手に取りづらいかもだけど、ビビんなくても大丈夫。超エンタメな内容なのでワクワクしながら読めますよ。

さて本作は架空の国カナムが舞台。この国に住む人々は、海にからの巨獣リヴァイアサンからの強襲に日々恐れている。何重にも防壁を建築し、大砲まで準備している。

さらに人々はワンピースのゴムゴムの実みたいに、身体能力を改良できる技術を発展させてきた。怪力、記憶力、計算能力、空間能力など、様々な特殊能力を得ることができる。中世のファンタジーを思わせる世界観で、もうこの設定だけで面白そうでしょ

さらに帝国と地方豪族の力関係だったり、帝国軍内部の部署ごとや上下関係のイザコザなど、解像度高く物語に組み込まれてるから社会派&人間ドラマとしても読みごたえがあるんですよ。

もちろん謎解きミステリの要素もある。体から巨大な木を生やした姿で死んでるっていうインパクト抜群の事件から始まるんだけど、その後も次々と不可解な事件が発生する。事件の謎解きの他にも、いくつか隠された秘密があって、読み手を引きつけて止まないんですよね~

そしてリヴァイアサンという海の巨獣がでてくるってことは、もちろん街が襲われるんです。殺人事件は解決するのか、街は救わるのか――総じて超エンタメなファンタジーに仕上がっている本作、具材たっぷりな濃密パフェを食べているような気分。もはや食べ始めたら止まりません。

またキャラクターも好きすぎるんすよ。事件解決に奔走する主人公の記銘師ディン、庶民の出の彼は頭脳明晰で性格も真面目な好青年。香水を嗅ぐと飛躍的に記憶力が伸び、詳細まで忘れなくなる能力をもてるよう身体改造をしている。

一方、事件を解決に導く探偵役アナ。ディンの上司でもある。40歳くらいの中年の彼女は、普段から必要以上に情報を入れない。家から出ずに目隠しをして生活をしているという人物で、もはや変態。彼女から放たれる台詞も強烈で、思わず笑っちゃうこともある。

この奇妙なホームズ&ワトソンコンビが難事件に立ち向かっていくんだけど、これが何とも可笑しくて小気味いいのよ。上司部下だから主従関係ではあるんだけど、当然最初はギクシャクしててさ。でも事件が展開するごとに、ちょっとずつ関係性が(特にディン目線で)変化してくところがいいんですよね。終盤に重大な事実が明かされるんだけど、これも二人らしいエピソードで好きだったな~

あと私のイチ推しキャラはミルジンですね。これまで帝国のために生涯を尽くしてきたベテラン、イメージはタンク役の軍曹。ディンとの会話が新人兵と老兵みたいで、話が通じてるのか通じてないのかわかならいのがおもろい。力だけと思いきや、ちゃんと狡猾に物事をみているのもベテラン兵らしくてカッコイイんすよ。

さて次々起こった一連の殺人事件。本作はファンタジーではあるんだけど、こんな事件を起こすにはちゃんと理由があるのです。ここにも人間の傲慢さや弱さがあってさ、読み終わって振り返ってみると切ない想いが胸に広がりました。

■ぜっさん推しポイント
特殊能力を得られるなんざ、興味深いですよね。もし現実にそんなチートみたいなことができたら試してみたいですね。でも記銘師なんて職種はかなり大変そう。なにせ良い記録も悪い記録もずっと脳みその中にあるんですから。

世界中、いつの時代も辛い歴史ばかり、その裏側では人間たちのどんな記録があるんでしょう。記銘師がストレスなく生きられるような世の中であって欲しいですね。

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2026年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

凄く飲み込みやすい設定、分かりやすくて読みやすい翻訳、こんな楽しいファンタジー小説を買った自分を褒めたい!表紙みた感じもっと堅い感じやと思ってたのに読んだ瞬間にこれは……ってなる。面白かった!じわじわ捜査が進み、事件の全容が明かされる楽しさプラス、世界設定がどんどん馴染んでくる楽しさもあって最初から最後まで飽きることない。仕事で疲れて1ページしか読めない時でも楽しかった。この本のおかげでこの数週間仕事頑張れましたね。


ファンタジーミステリーものでこれに似た感じの特殊な世界設定、迫り来る脅威なんかは折れた竜骨を思い出しました。

主人公と探偵、他のキャラクター造形がほんと素晴らしい。キャラクターが多いので名前を覚えるのが大変ですが、必殺のメモ帳に名前を書くで乗り切りました。
特殊設定も多くて、鍵、壁、感染症。すごい数の名称が出てくるけどすぐにどういうものか、分かるよう実際に使ってみせるところがあるから理解しやすい。丁寧ですね。

続編読みたいなぁ、どうか売れまくって続きが日本で出版されますように。
ハヤカワのファンタジーは前に大ハズレ引いて、それは翻訳の本屋大賞とってたけど、これがなんかのランキングで1位にならんかな〜。
こういう面白いのを力入れて宣伝してほしい。Tiktokでバズった本じゃなくて。

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2026年04月03日

Posted by ブクログ

ロバート・ジャクソン・ベネットの『記銘師ディンの事件録』は、ファンタジーとミステリとSFを融合させた独創的な作品であり、その魅力は何よりも圧倒的な世界観にある。雨季になると海から巨大な怪獣が襲来するという過酷な環境の中で、人々は生体改変技術によって適応し、独自の生態系と社会を築いている。この“環境そのものが物語を動かす”構造が非常に新鮮で印象的だった。

中でも、天才的な推理力を持つアナの存在は際立っている。冷徹な論理で事件を解き明かしながらも、真実への強い執着を感じさせるその姿は非常に魅力的で、物語の核を担っている。一方、語り手であるディンもまた印象深い。完璧な記憶力という特殊能力を持つ観測者としての役割があり、アナとの絶妙な会話が物語にポップさを与えている。

本作は単なる謎解きにとどまらず、人間の認識や理解の限界に迫る物語でもある。世界と人物、そして事件が密接に結びついた、極めて完成度の高い一作だと感じた。

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2026年03月25日

Posted by ブクログ

奇怪な死に方をした男の調査から始まる物語。どんどんと謎が解明されていくとともに新たな謎が出てきます。
探偵役の推理がすごすぎてテンポよく物語が進んでいきます。最後まで飽きずに読めて面白かったです。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いや〜〜面白かった!なかなかグロテスクな描写もいっぱいで想像して うっ ともなるんだけど、幾重に絡んだ謎もヒントがいっぱいなので予想しながら楽しめたしハラハラ展開も不安なる程ひどい事にならなかったので割と焦らず最後まで読めました。

え、あの、ケフェウスその雰囲気ってまさかそういう・・?ってなってからは事件よりそっちがどうなるか気になってしまったけど(笑)だってまさかここまで見てきたあのディンにそんな展開くると思いもしなかったし!!予期せず萌ツボを刺激されてとてもニヤニヤでした。ちなみにこれがどの性別の組み合わせであろうとああいう関係性の生まれ方大好きです。

ただ色んな固有名詞の読み方がなかなか覚えられなくて(錬薬省:アポセティカルは最後まで無理だった)章ごとに毎回ルビ振ってくれてありがとうと思いつつもいっそ全部につけてくれという気持ちでした。
既にシリーズ2冊目出てるし3も出るそうだけど翻訳版はいつになりますか!リヴァイアサンの謎を知りたい気持ちでいっぱいだよ!!

追記
原書2巻目買いましたw

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2026年04月08日

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