あらすじ
〈セクター12〉に到着したチャーリーは、ナイトウォーカーを食べると言われている局長トッカータをはじめとして変人ばかりの冬季取締局のメンバーたちと働くことに。
さらに〈セクター12〉で噂される、“伝染性の青いビュイックの夢”を見た彼は冬眠薬モルフェノックスをめぐる謎と奇妙な事件に巻き込まれてゆく。
その夢は見たひとを殺すというのだが、何人ものひとが同じ夢を見るなんてことがありえるのだろうか?
そしてチャーリーはベルギッタを守ることができるのだろうか?
奇才ジャスパー・フォードによる、厳しい冬の中の切ない夏の物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
上巻ではまだバラバラだったピースがどんどんまとまって疾走感を増してくる。ヘンな人たちの本性も次々明らかになるけど、どれもこれも意外。チャーリーは記憶力がいいということ以外目立った能力はなさそうなんだけど、ナイーブなまでの正義感があって、どこか人を引きつける。それってフォード作品の主人公の特徴? だから奇想天外で、振り回されながら読んでいても、どこか清々しい気持ちになるのかも。
Posted by ブクログ
過酷な氷河期に見舞われている地球上で越冬のため冬眠するようになった人類。越冬期間であっても、厳しい冬それ自体を含め様々な危険があるため、数%の人は眠らずに冬を越す。主人公チャーリー・ワーシングはそんな眠らず冬を越す冬期取締官の見習いとなる。見習い仕事として、越冬に失敗したナイトウォーカー(ゾンビみたいなもん)を運ぶことになったチャーリーは、その仕事を終えた後今まで見たことがなかった「夢」を見る…。
タイトルと挿絵と裏表紙のあらすじで持っていこうとしている話の方向とかなりずれた本筋だった。確かに少年の成長譚の部分もあるが、どっちかというと巻き込まれ系迷惑トラブル被り男子が実は世界を救う系。
これを甘いひと夏の初恋物語のように誘導するのは詐欺に近い売り込み方じゃないか?きちんと読めばそれなりに面白いSF小説なのに、余計な印象が先行してるので情報が邪魔して楽しめなかった。残念