鈴木有布子のレビュー一覧
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のんびりしっかり
40歳作家のダンナさんと20歳の奥さん、やいちゃんのお話。
ゆったりした空気感の中でしっかりしている、しっかりが身についているやいちゃんの前向きさに魅かれました。読んでると、ふたりの馴れ初めもわかります。
そんな空気感の中でも、それぞれが人には見せたくない黒い部分もあるリアルさも自然とハマる要因のひとつかな。
続きとかないのかなぁ。
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購入済み
泣ける!の一言
月村さんの作品の名で、大好きな作品の一つです。自分だけ家族じゃないといじける智朗と、智弘の従兄の克己の話が中心で、いじけた視点から見る人生や人間関係の景色と、心を強くもち、温かい視点から見える人生の景色の違いを明確に示してくれる作品でもあり、高校生たちの自分の想いが上手く表現しきれないもどかしい気持ちがよく表現されていて、何度読んでも感動の嵐です。研ぎ澄まされる前の繊細だったり、痛々しい感性がとても美しく描かれていました。あんなに明るい克己の過去、厳しい伯父さんの想い、伯母さんの温かさなど、自分自身を振り却って、学びたいことが沢山ありました。
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一本の映画を見終わったような気分になりました。
曾祖母の遺品の中から出てきた、曽祖父とは違う名前の婚姻届。16の時に四国から農地を求めて北海道へやってきて北海道で結婚したということしか知らなかった曾祖母、曽祖父と「理想の夫婦」であったはずの彼女のことを知るために、主人公高瀬あかりはひとり四国へ向かう。そこで耳にする曾祖母の話には良いものは無かった。
曾祖母の住んでいた家を探すために訪ねた役所の窓口でさっそく冷たくあしらわれたり、年寄り連中は何かを知っているように口をつぐんだり。
最初のうちは人物像が見えなかった曾祖母の、本当の姿が見えてくる後半はもう、ハラハラして読むのが止まらなかった!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ1巻の最後での急展開を受けての2巻目。一歩はもう無邪気な中学生ではなく、ほおずきを追うのもやめて 幼馴染の望音(もね)という彼女もいる高校生。
だが一歩は 蛙の精 ましろから聞いた秘密を 決してほおずきに 話さない と決めて 本当の気持ちは押し殺していた。
一方ほおずきも 自分から一歩が卒業していくことに これまで感じたことのない 心の揺れを覚えていた。
後半の展開が少し早い気もするが 2巻で終わるのは分量的に丁度よい感じがする。
ほおずきの心の揺れの描写は結構好きかも。
続編を描けば描けるんだろうけど この物語はここで終わるのが余韻を残して いいのかな。
優しい、いい -
Posted by ブクログ
ネタバレ「木霊(こだま)」と呼ばれる木の精霊が人に嫁ぎ、その子孫には植物を「起こす」力がある・・・それが当然の事実として受け入れられている星河町では、町の人間は皆木霊の子孫。だが人に混じった木霊達も寿命を迎えていき、今は樹齢1200年のケヤキの精、 ほおずき をただ一人残すのみ。通常は夫が寿命を迎えれば、嫁いだ木霊もやがて消えるのだが、ほおずきの夫 天馬 は海で消息を断ち、今も帰りを待つ彼女は生き続けている。もう130年も。
ほおずきの直系の子孫 一歩は 「起こし」の力も持たず 勉強もできない問題児だが、五代前の先祖であるほおずきに幼少時命を救われ、冗談にまぎらせながらも強い思慕の気持ちを持ち続け -
Posted by ブクログ
素晴らしい。泣いた。萌えた。痛々しいだけじゃなくて。人の心にあるエゴ、ドス黒さ、自己嫌悪、愛されたい、必要とされたい思い、その先に救いもあって。それぞれの気持ちに揺さぶられた。展開も緩急テンポ良くて引き込まれた。
出生に翻弄される登場人物たち。まさかの真実と展開に、えー!連発w ここに女子を混ぜていいスパイスにしてしまうとは。それも単にヤキモチとかの話でないのがいい。
伯父さん「ウチの息子が…」ってカッコ良かったよ。伯母さん、単に当たりのいい人ではなかったなぁ。正直な気持ちを言える勇気ある人。胸が詰まった。
何度絶望感を味わったんだろう。それでも逃げずに前を向いている克巳の精神力も凄いし -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
父を知らずに育った智朗は、たった一人の家族だった母を亡くして伯父の家に引き取られた。けれど頑固な伯父とは衝突してばかりのうえ、従兄の克巳からは屈託もなく言い寄られ、智朗は早くこの家を出て独り立ちしたいと思っていた。ところが、心臓の病にも負けずに明るく見えた克巳には、実は智朗が思いもよらぬような秘密があり…。きみを守りたい、そして癒したい―あの名作が、書き下ろし短篇とともに甦る。
青い!青くさい!だがそれがいい
しっとり素敵なお話でした
設定だけ見ると暗くて痛いかんじなのに、実際にはどこか安心して読めるというか、月村さんの作品のそういうところが好き
読後感も良かったです