鈴木敏夫のレビュー一覧
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禅語の表現の奥ゆかしさに触れていると、何気なく使っている言葉にも先人の知恵が受け継がれていると感じる。いかに生きるのかという問いは今も昔も変わらないのだ。
「言葉ではなく 間 で伝えていく」
「言葉では似て非なるもにしか伝えられない」
「“間” という漢字には「めぐり合い」という意味がある」
との一節が気になった。
言葉によって人が傷つく場面をたくさん見てきたけれど、それは「間」を忘れてしまっているのかもしれない。
言葉の使い方、伝え方が難しいのは、伝える人や受け手の人となりや背景、時代、言葉の組み合わせなどによって受け取られ方が変わってしまうからだ。
それらの「間」に想いを馳せ伝え -
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眠かったので、何度も途中で寝ながら読んだ。
そんなゆったりした読書に向く感じ。
【引用】
(細川)
「一日暮らし」という言葉があるんです。
白隠さんの師匠がおっしゃった言葉なんですが、
どんなつらいこともその日一日だと思えば
耐えられるし、どんなに楽しいことも
その日一日だと思えば浮かれることはない」
という意味です。
(鈴木)
そこでその方に、テーブルマナーを
教えていただきました。でもその方は
「だけど」とおっしゃるんです。
「一番美しい食べ方は、自分が正しいと
思ったことをちゃんとやること。
そうやって食べなさい。これ、一生役立つわよ」
って。(中略)ただしそれが、
「人から見た -
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ジブリ映画が何故ヒットしたのか、という手法を事細かに記した本。宣伝費を大量に使って、様々なメディアに映画情報を大量に露出すれば宣伝費に応じてヒットしますよ、と簡単に書いてある。ただ、よくよく読むと作品毎、時代毎に宣伝手法を切り替えたり、泥臭い事もたくさんやっており、この人のまねをするのは相当大変だし、同じようにやっても簡単にヒットする映画を作り出せるわけもないな、と思ったのも事実。時代の流れをうまく見極めて、その波にうまく乗っているな、と感じた。流れを掴むのも、流れを乗りこなすのも大きな才能だよな、とも思う。もちろん、映画本体が良くないとどれだけ宣伝してもダメという側面もあるので、宮崎・高畑と
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いやー。鈴木さんやり手だわ…さすがです。
数字を読む力。時代の気分を読む力。
映画作りって博打だな。
この人がいたから、宮崎駿ものびのび作品を作ることに専念できたんじゃないだろうか。
この本出したタイミングとかも、いろんな宣伝効果をしっかり図ってのことなんだろうなぁ。展示とかレッドタートルとか。
ジブリ好きにはたまらない、熱いジブリの軌跡。
もののけ姫の件は、実感を伴ったなるほど!だった。
宣伝って奥が深い。
まだ観ていなかったジブリ作品を観たり、漫画版のナウシカを読み返したりしたくなった。(これも宣伝効果だなとはたと思い至り、鈴木さんのニヤリと笑う顔が頭に浮かんだのでした。)
レッドター -
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宮崎駿、高畑勲というたぐいまれなる独特の才能を
コミュニケーションし、コントロールする鈴木敏夫。
自然体で やりたいことだけを やるという。
仕事が道楽と言える 豊かさ。ゆとり。
三者の情熱がぶつかりあう。
尊敬していないと言いながら尊敬しあうような関係。
そんなジプリが 次々に 新しい作品を送り出す。
日本でも、めずらしいタイプの会社。
ディズニーとは、違った 日本テイストの会社。
それにしても 徳間社長のカリスマ的経営能力。
その豪快さと繊細さが、副産物として ジプリができたのだね。
今後のアニメーションでは
宮崎駿を 超えることもできないし、
高畑勲を 超えることもできないと思う。 -
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新版はポニョ以降も収録。
仕事ぶりには生き様がでる。アーティストの人が好きで作品よりも人よりに動いてきた仕事人の話。何をやるかよりも、誰とやるかがあって、次になぜやるのか、という思考順なのかなぁと感じた。
短期目標、目の前とちょっと先しか見ない。道楽、野次馬というのは、適度な距離感や近づきすぎない心情をうまく現していて、なるほどなぁと感心しきり。誠実な人なんだなぁと思う。
コンテンツという言葉を嫌がるのもすごく理解できた。鈴木さんがいなければ、ジブリの作品群は世に出る事はなかったことが解る。
違う形で両氏は名を成しただろうけど、社会へのインパクトは全然違うと思う。だからこそ、今に至るまで -
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タイトルからして、宮崎駿と高畑勲の話に終始しているかと思いきや、それは出だし部分のみで、大半は鈴木敏夫のプロデューサーの思考的なお話。
その(本のタイトルによるミスリードで期待していたものと違っていた落胆もあった)ために★3つにしたが、内容自体は十分に面白かった。
多分★4つくらい。
5つでないのは、読み進めていくとお金の臭いが凄すぎてちょっと胸ヤケになってしまったから。
プロデューサーなので、お金周りが大事でぷんぷんしてしまうのはしかたがないが。
(宮崎駿と高畑勲は鈴木敏夫と出会えて本当に良かったyと思う。名作は生み出せても、お金は生み出せない人たちだと感じたから)。
それはそうと、最後に3