鈴木敏夫のレビュー一覧
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ネタバレプロデューサーの鈴木敏夫と、龍雲寺住職-細川晋輔、円覚寺派管長-横田南嶺、作家であり僧の玄侑宗久和尚との対談集。ジブリから入るとわかりやすい。
モロがアシタカに問う「お前にサンを救えるか」
アシタカ「わからぬ」「だが、共に生きることはできる」。
まさに高僧達磨の「不識(ふしき)」。わからない、でも幸せを祈って生きていくことはできるというのが仏教の根底にある教え。
「不立文字(ふりゅうもんじ)」。
言葉ではなく、間。 ハウル
坐禅は何かを得るというよりも捨てる場。少し立ち止まり自分に向ける時間。『魔女の宅急便』のキキも寝込んで仕事できない時間があったからこそ、また空を飛べるようになった。そして、黒猫ジジはキキ自身。まだ自己を確立していないキキが自分になったからジジは話す必要がなくなった。
「壺中日月長(こちゅうじつげつながし)」。
時間を超越した悟りの境地(壺から出てきたら成長していた) 。千と千尋、トトロ
「柳は緑、花は紅くれない」
(見たもの聞いたものを、そのまま受け止める心。私たちも所詮、自然の一部でしかなく、身構える必要などない) 。レッドタートル
「苦」
足下に咲いているユキノシタ。
(思うようにいかない)風立ちぬ -
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東洋思想と西洋思想って全然違う。最近の風潮として、やはり分かりやすく答えが明快で出やすい西洋思想に偏っていると思う。目標、計画、実行。
鈴木さんは始終受け身の人間だというけど、それでここまで大成しているのだからやはりただ者ではないのだろう。普通の人はやはり東洋的思想だと不安に耐えられなくて西洋思想に飛びつくのではないかと思う。社会全体がそうなるのは、なんか厚みがなくなってしまう気もした。
過去の話をしない、今ここ。
2021.4.26
再読。禅の考え方に興味をもって今回読んだからか、以前こんなことが書いてあったのかと全く忘れていて初読のように読んだ。今ここ。禅の考え方をもっと知りたい。
2024.8.13 -
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ネタバレジブリのプロデューサーの鈴木さんと禅僧の対談。
ジブリ映画を契機に禅の話がとても分かりやすく語られる。禅の言葉と、ジブリ作品の中で描かれた禅的なものが語られていて、とても興味深い。
今、目の前のことに集中すること、足るを知ること(すなわち、不要なものはすてること)の大切さを改めて学ぶ。理想の自分にとらわれると、現実の自分がみじめになってしまう。だから、今、目の前の事に集中することが大切ということ。
そして、本来無一物。全ては縁によって成り立っているので、自分一人でゴールまで行くのではなく誰かにバトンを渡すというスタンスでいればよいという言葉に感銘を受ける。なんでも、一人で全てやろうと思わなくてもよいし、それは思い上がりだと知る。この本来無一物という言葉が、小説宮本武蔵にも出ていると言われており、再読しようかと思った。
「両行」:対立するもの両方をそのまま生かしておくと、必ず何かがうまれてくる、という考え方が説明されていて、救いを感じる。これは、平川克己の「21世紀の楕円幻想論」での語られた貨幣経済と贈与・全体給付の対のバランスをとるということの基本になるという気がした。
また、怒りもエネルギーの源だから、完全に捨て去るのではなく、怒りをどの程度自分の心に残すかがカギであるという禅僧の言葉には、驚いた。
そして、禅のすべては「着て」「食べて」「出して」「寝る」。ああ、その通りだという横田南嶺老子の言葉は平明で、そこに集約して考えれば、迷いがなくなるような気がした。
しかしながら、荘子の一節で「一切をあるがままに受け入れるところに真の自由がある」というのは、とてもとてもたどり着ける気がしなかった。
とにかく学び、気づきの多い一冊。何度でも読み返そうと思う。
心に残ったのが次の言葉たち。
・即今目前
・放下著
→いろいろと放り出して、目の前のことに集中せよ
・前後際断
→過去も未来もどんどん捨てろ
・小説 宮本武蔵の中で、「本来無一物」という言葉が出ているということ。本来無一物とは、自分は何も持っていない、全ての縁によって成り立っていること。「金も名誉もすべて手放せ」と言っているのではなく、自分が無一物であることを認識すると、悩みも自分の影法師である、と。 -
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ネタバレ恵比寿のマンションのエレベータの中で偶然出会ったタイからの留学生であるカンヤダに鈴木敏夫さんは何故興味を持ったのだろうか?この偶然の出会いから一冊の本が出来てしまうくらいなのだから、よっぽどのことなのだろう。それがこの本を手にとった動機だった。
タイからやってきた「自己中な」女性に鈴木さんを含めた沢山の人達が振り回される喜劇と読んでも充分に面白かった。でもやはり何と言ってもカンヤダその人から発散されるそのオーラに惹きつけられた。「自分の気持ちに素直に生きる事に命を賭けている」カンヤダには今の日本人の多くがなくしてしまった何かがある。ちなみにカンヤダは鈴木さんの身近にいる人とある共通点があるらしい。
タイの女性が外国人と結婚する事情やその背景にあることからレヴィ=ストロースの「野生の思考」まで、"カンヤダ分析"のために話は縦横無尽に広がりとても面白い。 -
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ジブリのプロデューサー、鈴木敏夫さんが娘のようにかわいがって面倒を見ている女性、カンヤダの物語。
カンヤダは、タイの田舎町に住む女性
女優・安田道代さん似の美人。
一人息子、母、そのパートナーおじさん、弟がふたり、弟嫁妹、祖父母。家族全員をひとりで養っている。
シングルマザー。
ファッションセンスがよく、子供の頃から下着以外服は自分で選んできた。
記憶力がよく、自分の身に起きたことは正確に覚えている。
家族のために職を得ようと日本に留学した経験がある。
友人に言わせると自己中で、わがまま。
言うことがころころ変わる。
辛抱がない。
失敗や挫折を運がなかったせいにする。
家族が何より大切。
家族を養うために働きたいという強い思いがある。
カンヤダは過去を振り返らない。
カンヤダは未来を憂えない。
常に、今ここのことに集中している。
カンヤダは自分自身のことを深く考え、理解している。
奔放でエネルギッシュなカンヤダに、鈴木プロデューサーを含め、いろんな人が振り回される。
悩んだ末に、カンヤダのそばを離れていく人もいる。
それでも、最後のページを読んだ時、不敵な表情で笑うカンヤダの姿が見えた気がした。
かっこよかった。 -
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今年ベストな一冊決定の本。ジブリの鈴木プロデューサーが、初めて映画の宣伝を手がけたナウシカから、現在に至るまでの名だたる傑作を、いかにしてヒット作に導いてきたか。その苦心と努力と奇跡と友情と泥臭さが圧倒的な熱量で伝わってくる名著だと思う。
ナウシカから30年もの間、日本の映画史どころか社会史に刻まれる傑作を放ち続けてきたスタジオジブリ。高畑さんの高尚で深い芸術性、宮崎さんのエンターテイメント性、そしてそれら2人を抱えるスタジオジブリが『映画を作り続けるためには、映画をヒットさせねばならない』という目的をもとにひたすら奔走し続けた、鈴木プロデューサーの商売魂。
この3人と、それぞれを支えた制作スタッフ、宣伝スタッフの総力の結集あってこそ、この30年もの間、日本人が世界に誇る『スタジオジブリ作品』を享受し続けてこれたわけで。とりわけ84年生まれの自分にとって、トトロから劇場で観てきたし、もののけ姫あたりからはほぼリアルタイムで劇場公開時のプロモーションに触れてきたわけで、その裏側にはこんな事があったのかと知る事が出来て面白く、またその全てがスタッフの努力の結晶によって実現されたものだと知る事ができ、感涙ものであった。
広告、宣伝、映画、好きならもちろん、チームでの仕事に携わる人はとても楽しめるはずの一冊。
※また本書は本編は、鈴木さんの語りを共に別のライターが書かれてあり、あとがきのみが鈴木さんの文章。
実はもともとの鈴木さんの印象が個人的にはあまり好きではなかったが(なんというか、冷徹な商人の塊、的な勝手な印象。。)、本編を読むととても熱くてパワフル、仲間想いな人だなぁと好印象を持った。
が、あとがきは急に文体がドライになってて、そういうことかぁと思った。笑
やはりそうでないと、高畑さん、宮崎さんに囲まれたなかで、30年もヒットを飛ばし続けるなんてやってこれないよね。
勝手な印象だけど。。 -
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長年、スタジオジブリでプロデューサーを務めてきた鈴木敏夫さんの著書。
日本初のアニメーション専門誌であるアニメージュを創刊したときのことから、宮崎駿さん、高畑勲さんとの関わり、スタジオジブリを設立してからのこと。それぞれの時代で、鈴木さんがどんな思いで仕事に取り組んできたかが書かれています。
鈴木さん、宮崎さん、高畑さんとそれぞれの立場があって衝突をしながらもジブリ作品を創りあげてきた道のりが、興味深いです。ジブリの作品を見ただけでは分からなかった作品製作の話がたくさんあります。困難な時期もあったのでしょうが、鈴木さんが本気で楽しみながら仕事をしてきたのだと感じました。
旧版のあとに公開された「崖の上のポニョ」以降の話が新章として追加されています。
宮崎駿さんが監督の引退を発表したり、宮崎吾朗さんや米林宏昌さんの若い監督の作品が出たりと、ジブリは新しいことにチャレンジしているように感じます。
鈴木さんが語る宮崎駿さんと高畑勲さんは、二人とも個性の強い方のように感じます。スタジオジブリの中の様子が感じられて、読んでとても楽しかったです。