鈴木敏夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ恵比寿のマンションのエレベータの中で偶然出会ったタイからの留学生であるカンヤダに鈴木敏夫さんは何故興味を持ったのだろうか?この偶然の出会いから一冊の本が出来てしまうくらいなのだから、よっぽどのことなのだろう。それがこの本を手にとった動機だった。
タイからやってきた「自己中な」女性に鈴木さんを含めた沢山の人達が振り回される喜劇と読んでも充分に面白かった。でもやはり何と言ってもカンヤダその人から発散されるそのオーラに惹きつけられた。「自分の気持ちに素直に生きる事に命を賭けている」カンヤダには今の日本人の多くがなくしてしまった何かがある。ちなみにカンヤダは鈴木さんの身近にいる人とある共通点があるらし -
Posted by ブクログ
ネタバレ言わずと知れた、スタジオジブリの名プロデューサー鈴木敏夫氏と三人の禅僧による禅問答。
何故ジブリと禅?と不思議に思って読むと、ジブリと禅との数々の共通点に驚かされる。
鈴木氏によるジブリ作品や宮崎駿監督に関するエピソード、仕事との向き合い方・生き方等々、感心したり感動したりの連続で付箋紙張りまくりとなった。
●宮崎監督の作る映画は人の弱さをちゃんと認めている。認めた上で、弱い子もやりようによっては元気になる、そういう映画。
●過去や未來にとらわれず、今この瞬間に集中する。今目の前のことをちゃんとする。
●「この世の中、捨てたもんじゃないよ」というのがジブリの基本姿勢。だから、先のことばかり考 -
Posted by ブクログ
ジブリのプロデューサー、鈴木敏夫さんが娘のようにかわいがって面倒を見ている女性、カンヤダの物語。
カンヤダは、タイの田舎町に住む女性
女優・安田道代さん似の美人。
一人息子、母、そのパートナーおじさん、弟がふたり、弟嫁妹、祖父母。家族全員をひとりで養っている。
シングルマザー。
ファッションセンスがよく、子供の頃から下着以外服は自分で選んできた。
記憶力がよく、自分の身に起きたことは正確に覚えている。
家族のために職を得ようと日本に留学した経験がある。
友人に言わせると自己中で、わがまま。
言うことがころころ変わる。
辛抱がない。
失敗や挫折を運がなかったせいにする。
家族が何より大切 -
Posted by ブクログ
今年ベストな一冊決定の本。ジブリの鈴木プロデューサーが、初めて映画の宣伝を手がけたナウシカから、現在に至るまでの名だたる傑作を、いかにしてヒット作に導いてきたか。その苦心と努力と奇跡と友情と泥臭さが圧倒的な熱量で伝わってくる名著だと思う。
ナウシカから30年もの間、日本の映画史どころか社会史に刻まれる傑作を放ち続けてきたスタジオジブリ。高畑さんの高尚で深い芸術性、宮崎さんのエンターテイメント性、そしてそれら2人を抱えるスタジオジブリが『映画を作り続けるためには、映画をヒットさせねばならない』という目的をもとにひたすら奔走し続けた、鈴木プロデューサーの商売魂。
この3人と、それぞれを支えた制 -
Posted by ブクログ
長年、スタジオジブリでプロデューサーを務めてきた鈴木敏夫さんの著書。
日本初のアニメーション専門誌であるアニメージュを創刊したときのことから、宮崎駿さん、高畑勲さんとの関わり、スタジオジブリを設立してからのこと。それぞれの時代で、鈴木さんがどんな思いで仕事に取り組んできたかが書かれています。
鈴木さん、宮崎さん、高畑さんとそれぞれの立場があって衝突をしながらもジブリ作品を創りあげてきた道のりが、興味深いです。ジブリの作品を見ただけでは分からなかった作品製作の話がたくさんあります。困難な時期もあったのでしょうが、鈴木さんが本気で楽しみながら仕事をしてきたのだと感じました。
旧版のあとに -
Posted by ブクログ
ネタバレ鈴木敏夫著「仕事道楽」(岩波新書)より
宮崎駿監督の映画作りの三つの原則
・面白いこと
・作るに値すること
・儲かること
でも、「トトロ」の時だけは儲からなくても良い、と思ったそうです。
なので「ナウシカ」や「カリオストロ」などの様にトトロが最初から出ずっぱりで大活躍する。といったサービス精神からのプレッシャーより開放されたそうです。
なぜか?
それは、高畑監督の『火垂るの墓』と同時上映なので気が楽だったから。なのだそうです。
一方、二本の映画は大絶賛を浴びたものの興行成績は決して良くなかったそうです。
しかし「トトロ」は日テレの金曜ロードショーにて大人気を得ます -
-
-
Posted by ブクログ
序章
鈴木敏夫 スタジオジプリプロデューサー
鈴木敏夫は「風の谷のナウシカ」の制作背景やそのテーマについて語っている。彼は、作品が発表された当時の社会的・環境的状況がどのように影響を与えたのかを考察し、ナウシカというキャラクターが持つ強い意志や優しさが、現代においても重要なメッセージを持っていることを強調している。
風の谷のナウシカの題材は『新諸国物語』(NHK ドラマ1952年)。
ナウシカが旅をして、見聞きしたものによって、読者が世界の秘密を知っていく。宮崎駿は「勧善懲悪」が好きで、それが「自然を守る人がいいひとで、自然を破壊するのは悪人」と言う物語にした。
赤坂憲雄の『ナウシカ