【感想・ネタバレ】禅とジブリのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年01月17日

自分が今1番求めてる言葉が詰まった本だった。ずっと未来に向けてわけわからない悩みを抱えてたけど、ここいらで、『今を生きる』をやってみよう。

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Posted by ブクログ 2024年01月14日

昨年父を亡くし、人生観が変わった
いつ人は死ぬのかわからず、
そしてそれは誰しも避けられない不変の真実であると
改めて思い知らされました

それからというもの、
人生観や死生観などに関しての書物を
好んで読むようになりました

ジブリ作品が好きなこともあり、
本作を知って即購入しました

自己啓発本...続きを読むには、この限りある人生を
いかに有意義に、健康的に、効率的に、豊かに、
なるためのメソッドがたくさん書かれていますが
ありのままを受け入れる、自分の弱いところを
認めて、まあそんなもんかと肩肘張らず
欲張らず、ただ毎日を一生懸命生きる
そうゆうことなのかなと、私はそう感じました

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Posted by ブクログ 2023年09月06日

好きと好きの組み合わせ。
最高!
手元に置いて何回か読み直したくなる本。
ジブリのシーンに禅のマインドがどう反映されているのか読み解ける。
対談形式なので禅の考えにも割とわかりやすく触れることができる。
余談ですが、対談に参加している龍雲寺の細川住職の座禅会に5年前?くらいに私が参加したことがあるこ...続きを読むとが判明。
肩をバッシーーン叩いていただいた記憶あり。
最近本で過去の出来事の伏線回収が多い。
そんな時期なのかしら。

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Posted by ブクログ 2023年08月18日

3回読み直した本
君たちはどう生きるかの公開に合わせて読み直した。
勉強に人間関係に、そして時代に、自分の人生は多くの坂や濁流によって真っ直ぐ進めないそんな時に一度立ち止まって今自分はどうすべきか、どう生きていくべきなのかを改めて考えさせてくれる本。
生まれた時から見ていたジブリの総合プロデューサー...続きを読むの鈴木敏夫さんと禅宗の和尚さん達の会話が収録されている。
それぞれの方々からの発言から学べること感じることは読む時々の自分によって毎回変わる。
読み終わった後、最も自分の心にポッと残っているその言葉が今の自分に1番必要な言葉なのかもしれない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月02日

プロデューサーの鈴木敏夫と、龍雲寺住職-細川晋輔、円覚寺派管長-横田南嶺、作家であり僧の玄侑宗久和尚との対談集。ジブリから入るとわかりやすい。

モロがアシタカに問う「お前にサンを救えるか」
アシタカ「わからぬ」「だが、共に生きることはできる」。
まさに高僧達磨の「不識(ふしき)」。わからない、でも...続きを読む幸せを祈って生きていくことはできるというのが仏教の根底にある教え。

「不立文字(ふりゅうもんじ)」。
言葉ではなく、間。 ハウル

坐禅は何かを得るというよりも捨てる場。少し立ち止まり自分に向ける時間。『魔女の宅急便』のキキも寝込んで仕事できない時間があったからこそ、また空を飛べるようになった。そして、黒猫ジジはキキ自身。まだ自己を確立していないキキが自分になったからジジは話す必要がなくなった。

「壺中日月長(こちゅうじつげつながし)」。
時間を超越した悟りの境地(壺から出てきたら成長していた) 。千と千尋、トトロ

「柳は緑、花は紅くれない」
(見たもの聞いたものを、そのまま受け止める心。私たちも所詮、自然の一部でしかなく、身構える必要などない) 。レッドタートル

「苦」
足下に咲いているユキノシタ。
(思うようにいかない)風立ちぬ

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Posted by ブクログ 2021年10月17日

未来に向かって行きるのしんどくなってる人や、「目標もなりたい自分も、そんなの見つかんないよ」と希望を失いかけてる人へ。こわばった肩をほぐしてくれるような本。 禅のエッセンスとジブリの価値観がおりまぜられており、語り調なのでとても読みやすい。 今を生きるしんどさの理由って、実は世間で言われる「個性」や...続きを読む「将来設計」の必要性を信じ切ってた自分自身にあったのかも。 自我ばかりにとらわれて悩んでもどうしようもないので、これからは利他的に生きることで、より幸せを感じたいです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月09日

仏教の教えには、生きづらい現代社会に癒しの効果がある。この本を読んで救われる気持ちになった。

強調されるワードは『過去や未来に囚われず今を生きる』ということ。

鈴木氏がエピローグで書いていたように「禅とは何か?」の答えがこの本の中にある。これから禅を学んでみたいと、まず手に取る本としては大正解だ...続きを読むった。

●ゲド戦記の裏話
●コラムの中で鈴木氏の死生観が語られていて興味深かった
●荘子の100分名著のテキスト読んでみたい

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年12月17日

ジブリのプロデューサーの鈴木さんと禅僧の対談。
ジブリ映画を契機に禅の話がとても分かりやすく語られる。禅の言葉と、ジブリ作品の中で描かれた禅的なものが語られていて、とても興味深い。
今、目の前のことに集中すること、足るを知ること(すなわち、不要なものはすてること)の大切さを改めて学ぶ。理想の自分にと...続きを読むらわれると、現実の自分がみじめになってしまう。だから、今、目の前の事に集中することが大切ということ。
そして、本来無一物。全ては縁によって成り立っているので、自分一人でゴールまで行くのではなく誰かにバトンを渡すというスタンスでいればよいという言葉に感銘を受ける。なんでも、一人で全てやろうと思わなくてもよいし、それは思い上がりだと知る。この本来無一物という言葉が、小説宮本武蔵にも出ていると言われており、再読しようかと思った。
「両行」:対立するもの両方をそのまま生かしておくと、必ず何かがうまれてくる、という考え方が説明されていて、救いを感じる。これは、平川克己の「21世紀の楕円幻想論」での語られた貨幣経済と贈与・全体給付の対のバランスをとるということの基本になるという気がした。
また、怒りもエネルギーの源だから、完全に捨て去るのではなく、怒りをどの程度自分の心に残すかがカギであるという禅僧の言葉には、驚いた。
そして、禅のすべては「着て」「食べて」「出して」「寝る」。ああ、その通りだという横田南嶺老子の言葉は平明で、そこに集約して考えれば、迷いがなくなるような気がした。
しかしながら、荘子の一節で「一切をあるがままに受け入れるところに真の自由がある」というのは、とてもとてもたどり着ける気がしなかった。

とにかく学び、気づきの多い一冊。何度でも読み返そうと思う。

心に残ったのが次の言葉たち。
・即今目前
・放下著
→いろいろと放り出して、目の前のことに集中せよ
・前後際断
→過去も未来もどんどん捨てろ
・小説 宮本武蔵の中で、「本来無一物」という言葉が出ているということ。本来無一物とは、自分は何も持っていない、全ての縁によって成り立っていること。「金も名誉もすべて手放せ」と言っているのではなく、自分が無一物であることを認識すると、悩みも自分の影法師である、と。

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Posted by ブクログ 2020年09月22日

「間 」やほどよい距離感のようなことが思い浮かびました。鈴木さん、宮崎さん、高畑さん、それぞれの違いがわかって面白い。受け身ではだめだと思っていたけど鈴木さんの発言を読んで、そうとも言えないことに 気づきました。でも単なる受け身ではなく攻撃的受け身。その域まで行ってみたい。ちょっと努力が必要ですね。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年07月28日

言わずと知れた、スタジオジブリの名プロデューサー鈴木敏夫氏と三人の禅僧による禅問答。
何故ジブリと禅?と不思議に思って読むと、ジブリと禅との数々の共通点に驚かされる。
鈴木氏によるジブリ作品や宮崎駿監督に関するエピソード、仕事との向き合い方・生き方等々、感心したり感動したりの連続で付箋紙張りまくりと...続きを読むなった。

●宮崎監督の作る映画は人の弱さをちゃんと認めている。認めた上で、弱い子もやりようによっては元気になる、そういう映画。
●過去や未來にとらわれず、今この瞬間に集中する。今目の前のことをちゃんとする。
●「この世の中、捨てたもんじゃないよ」というのがジブリの基本姿勢。だから、先のことばかり考えずに今のことをちゃんとやるべし。
●亡くなった人と再び逢えるかどうかはわからない。しかし共に生きることはできる。「不識」、つまりわからないことこそが人生だ。
●坐禅は何かを得るというより捨てる場。ちょっと立ち止まって自分にベクトルを向ける時間。
『魔女の宅急便』のキキも風邪をひいて寝込む時間があったから、また空を飛べるようになった。自分なりの答えが出てきたのだ。
●キキにとって黒猫ジジは自分自身。まだ自己を確立していないキキが自分になったからジジは話す必要がなくなった。
●「一日暮らし」どんなつらいこともその日一日だと思えば耐えられるし、どんな楽しいこともその日一日だと思えば浮かれることはない。
●宮崎監督は「今、ここ」の人。「今、ここ」への集中力が半端ない。
●現実の壁に突き当たり、思うようにならず、もう一度やり直す。誰でもその繰り返し。
●好きな人とは思うようにいなかないからいい。そこに美がある。
●宮崎監督と鈴木さんとの共通項は過去の話をしないこと。いつも「今、ここ」。そして互いを尊敬していない。
●ジブリ作品は「何が起こるかわからない。それでも行く」
●夫婦で問題が生じるのは、必ず「向き合おう」とするところから。向き合うとたいがい相手の欠陥しか見えない。
●「老いの熟成」年をとれば肉体的には衰えるけれど精神は自由になる。
●慣れを手放す。
●色気をほんのちょっと持つ、枯れない年寄りになる。

77歳(2018年3月現在)になった宮崎監督は未だに成長を続けているという。
強靭な精神力をいつまでも失わず、熟成し続けて新たな作品を生み出してほしい。

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Posted by ブクログ 2019年05月04日

禅の生き方には現代の若者には響くものがあった。
未来、過去を気にするのではなく、今だけを考えて生きる。
自分の理想と現在の乖離に悩むことは未来を気にしすぎているから。そんなことに今悩んでも全くの無駄。
今だけ思考に切り替えて生きていこうと思う。

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Posted by ブクログ 2019年01月19日

2年半ごとに転職を繰り返している私。おそらく、2年くらい経つと「続けることの先にある自分の姿」が見えてしまって、そのチャレンジのない状態に絶望するんだと思う。でも一方で、そうやって「どう生きていくか」「自分の未来はどんなもんなのか」と考えてしまうことがもはやちょっと辛くなってきてしまって、最近禅に興...続きを読む味を持ってみたり。
「今ここ」ってきっと今の私にはとてもだいじで、与えられるものに応えていくことも、きっとこの正体不明な不安を取り除くには重要な考え方なのだろうと思う。
また迷ったら読み返します。

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Posted by ブクログ 2018年07月23日

「自我(エゴ)を捨て、自己(セルフ)を見つめる」をはじめ、発見に満ちた名著。
繰り返し繰り返し「(過去でも未来でもなく)今ココで生きる」ことの大切さを説かれている。

いわゆるジブリ本ではなく、柔らかく強い、現代禅の入門書。
ただしジブリ本以上に、鈴木節が炸裂していて、ジブリ本ファンにはやはり堪らな...続きを読むい。鈴木節が呼び水となって、和尚の名エピソードにも繋がって…という形で展開されていく。

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Posted by ブクログ 2024年01月27日

禅について色々本を読んでいる中で見つけた本。とっつきやすいジブリ作品とジブリにまつわる人を通して、禅の思想を理解する助けになった。

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Posted by ブクログ 2024年01月13日

スタジオジブリ鈴木プロデューサー と 各お寺の住職さんの対談をまとめた本。

実は、、禅の考えは、ジブリ映画の中にも組み込まれている。
ジブリの名場面を具体例として、禅を学べる良書。

◆「今」を生きる
過去や未来に捉われることの最大の問題は、今この瞬間に集中できないこと。もっと「今」に集中する!
...続きを読む目指すべき悟りは「赤子」。
赤ちゃんは 過去も未来を考えず今を生きている。

一日暮らし
どんな辛いこともその日1日だと思えれば耐えられるし、どんな楽しいこともその日1日だと思えば浮かれることはない
タイの少女。幕末明治の日本。現代のブータン。

◆「わからぬ」強さ 優しさ
もののけ姫 アシタカとモロの問答
「分からぬ。だが共に生きることはできる。」

学問のように、合理的に明確な答えを与えることはできない。逆に答えがあることによって苦しくなる側面がある。
答えが分からないことが宗教の優しさ。

ジブリ作品は「何が起こるか分からない。それでも行く」ああ人生そのものだなと。

◆坐禅は「ゴミ捨て場」 何かを得るのではなく、自分にベクトルを向け、整理整頓する時間。

「魔女の宅急便」はキキとジジの対話の映画。
つまり、自分との対話の映画。
自己を確立していないキャラが自分になる。その思春期のプロセスを映画にしたもの。

自分が自分になれば、もうジジは話さなくなる。
心が傷ついて当たり前にできていたことができなくなる。 無心になった瞬間、またそれができるようになる。 風邪を引いて寝込む、あの自分にベクトルが向いている座禅のような時間があったからこそ。

◆現代は禅的?
物がみんなに行き渡ったら、欲望の対象が物から時間の消費に変わる。
今の若い人は物への執着が薄くなり、高級車よりポケモンGOに魅力を感じる。

◆オリジナル 個性
「個性」は不要。
真似は当たり前。 「俺が分からないように真似ろ」「作るということは、誰かからバトンをもらうんだ」

◆無敵の戦法 受け身
幸せ の語源は「仕合せ」
相手がこうしたから、自分はこう仕合せる。 それがうやく仕合せられたら、幸せなのだから、完全に受け身。うまく受け身できることが日本人にとっての幸せだった。
※ 最近は受け身という考え方はあまり受けがよくない。目標を立てて自ら努力、達成しようという世の中。
その考え方では幸せになりようがない という気がする

荘子は「これが自分だ、と思ったものを何度も脱ぎ捨てなさい」と説く。
冒頭がすごい。。 魚の卵 ⇨ 鯤という巨大な魚 ⇨ 鵬(おおとり)になって空へ飛んでいく。まるでジブリ映画。

「自分とは、これだ」と思ったときから苦しみは始まる。
だから、「まだ途中なんじゃないかな」と問いかける。
自分を捨てる というと難しそうなので、違う自分がいる くらいに思う。



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Posted by ブクログ 2022年08月20日

スタジオジブリ・プロデューサーが、
3人の禅僧と語る“半径3メートル”の禅問答。

本書のキーワードは、
「今ここを生きる」ということ。


・人は生きている以上、必ず何らかの影響を受ける。
完全なオリジナルという発想ではなく
オリジナリティは真似る事を
極めた先に後から付いてくるもの。

・今の社...続きを読む会は多様な価値観があり
情報や物は溢れている。
自分にとっての幸せとは何か?
足るを知ることとは、
必要か必要でないか判断しながら生きること。

あとがきで、たくさん有る依頼の中から
今回の企画は
ある疑問と興味があり
進めることになったと、

結局最後まで
明確な回答は得られなかったが
この上なく楽しい仕事であったと
締めくくっている。

楽しさをつかむ直観の感度が高く
時には熟考よりも
正確でスピード感のある判断が
そういった仕事を
引き寄せているように思いました。

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Posted by ブクログ 2022年08月02日

興味はあるけど未知の世界である禅について、ジブリを切り口にすることで、朧げにだけど、とっかかりができた感じ。

過去も未来もなく、今この瞬間を生きるという考えは、
過去に読んだ潜在意識系の本にも同様のことが書かれていて、それ以来自分の考え方にもかなり影響を与えているので、一気に禅を身近に感じることが...続きを読むできた。
もっと禅について知りたい!

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Posted by ブクログ 2021年04月26日

東洋思想と西洋思想って全然違う。最近の風潮として、やはり分かりやすく答えが明快で出やすい西洋思想に偏っていると思う。目標、計画、実行。
鈴木さんは始終受け身の人間だというけど、それでここまで大成しているのだからやはりただ者ではないのだろう。普通の人はやはり東洋的思想だと不安に耐えられなくて西洋思想に...続きを読む飛びつくのではないかと思う。社会全体がそうなるのは、なんか厚みがなくなってしまう気もした。

過去の話をしない、今ここ。

2021.4.26

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Posted by ブクログ 2020年07月13日

鈴木さんにとって
宮さんとの会話
映画を作る仲間との交流
そのできる映画のストーリのなかの一場面

禅問答をした先に 映画があり
鈴木さんの不思議な人生観があるんだなと

プロデューサーとしての
イメージがかわった


しかし 宮さん 鈴木さんがいないと
宮崎駿の世界を作れてないのかも
なんて 感じ...続きを読むちゃった

普段 流している なにげない日常も
禅は あると気づけたいいなと

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Posted by ブクログ 2020年02月23日

ジブリのプロデューサーである著者と3人の禅僧との対談全5回を収録した一冊。禅についての問答もありますが、それよりも対談の雰囲気自体から学ぶことが多いです。遠慮のない、開かれた対話。この態度が禅なのだなと。加えて、時折挟まれる宮さんのエピソードも楽しい。

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Posted by ブクログ 2020年01月30日

禅語の表現の奥ゆかしさに触れていると、何気なく使っている言葉にも先人の知恵が受け継がれていると感じる。いかに生きるのかという問いは今も昔も変わらないのだ。

「言葉ではなく 間 で伝えていく」
「言葉では似て非なるもにしか伝えられない」
「“間” という漢字には「めぐり合い」という意味がある」

...続きを読むの一節が気になった。

言葉によって人が傷つく場面をたくさん見てきたけれど、それは「間」を忘れてしまっているのかもしれない。

言葉の使い方、伝え方が難しいのは、伝える人や受け手の人となりや背景、時代、言葉の組み合わせなどによって受け取られ方が変わってしまうからだ。

それらの「間」に想いを馳せ伝えることが、人と人の繋がりを円滑にし、幸せな生き方に繋がっていくのかもしれない。

ジブリの作品が言葉だけでなくキャラクターや物語を通して映像で訴えかけるからこそ、そのメッセージが私たちの心に響くように。
また受け手の感じ方も人それぞれであり、その余白のようなものも大切にしたいと思いました。

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Posted by ブクログ 2019年11月26日

禅僧の皆さんの、先達へのリスペクト、でよいのかな、がとてもよく伝わってくる。リスペクト、とはしたものの、それだけではいけない、というより、それではいけないのであろう禅僧の思いが分かり易く心に響いてくるのは、おそらくジブリ作品が仲介してくれるからだろう。
ジブリの作品に心を揺らされているから、禅僧の言...続きを読む葉の一つ一つがその揺れている中に沁み込んでくるように感じた。
実に興味深い本でした。
肩から力がとれて、周囲が輝き始めるような、生きることの不思議な魅力を感じる本です。

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Posted by ブクログ 2019年09月16日

眠かったので、何度も途中で寝ながら読んだ。
そんなゆったりした読書に向く感じ。

【引用】
(細川)
「一日暮らし」という言葉があるんです。
白隠さんの師匠がおっしゃった言葉なんですが、
どんなつらいこともその日一日だと思えば
耐えられるし、どんなに楽しいことも
その日一日だと思えば浮かれることはな...続きを読むい」
という意味です。



(鈴木)
そこでその方に、テーブルマナーを
教えていただきました。でもその方は
「だけど」とおっしゃるんです。
「一番美しい食べ方は、自分が正しいと
思ったことをちゃんとやること。
そうやって食べなさい。これ、一生役立つわよ」
って。(中略)ただしそれが、
「人から見たときに自然でなきゃいけない」
「その人のものになっていないといけない」



(細川)
『風立ちぬ』では、喫煙シーンが問題になったじゃないですか。重病の妻が隣で寝ていて、主人公が
外にたばこを吸いに行くといったら、
「嫌。ここで吸って」
と。
「何で病気の彼女の前で吸うんだ」
と一部で話題になったと聞きました。
(鈴木)
すごく問題になりましたよ。
自分がたばこを吸うから自己弁護になるんだけど、
ひとつのことをダメというときに、
今は必要がないものまで禁止している時代。
それが気になるんですよね。
(細川)
残された時間がわずかな女性が、
「好きな人がタバコを吸う時間さえも一緒にいたい」
という気持ちがあるわけなので。
(鈴木)
それを感じる余裕がないんです。そこは若い人と接していて気になることが多いです。
「枝葉末節」という言葉があるけれど、
ここへ来て、みんながこだわっているのは枝葉
どころじゃない。僕は強く言いたいのですが、
「木を見て森を見ず」どころか、枝葉、
そして現代が見ているのは葉脈です。
この先はもうないと思うんです。
そうすると、揺り戻しが来る気がして仕方がない。
僕の期待が入っているかもしれないけれど。
何で、みんな自分たちで住みにくくしているんですかね。

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Posted by ブクログ 2019年08月21日

スタジオジブリのプロデューサーの鈴木氏と禅僧との対談。ジブリの、宮崎、高畑両監督と鈴木氏の関係の、奥に見える何かが禅の教えと重なる部分があったようだ。ジブリ映画のワンシーンに今回の対談のヒントが見え隠れしたのも読みやすさのポイントだった。

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Posted by ブクログ 2018年08月24日

鈴木敏夫と3人の禅僧の対談をまとめたもので、禅の解説本は、ちんぷんかんぷんな話が多いが、対談で事例や体験をもとに話しているのでわかりやすい、が、それでもやはり禅とは座禅により無になることだと思う。言葉による説明は分かったような、分からないような気分になった。ただ、鈴木氏の話の中には宮崎駿のエピソード...続きを読むがでてくるので、そこに興味をひかれ、読み続けることができた。そのエピソードも禅と絡めているが、あまり関係ないじゃん、とも思うし、禅ではなくありきたりなお年寄りの説教本にも思える。禅とは関係なく、鈴木敏夫と宮崎駿とジブリは昭和時代の物語をつくってきて、もうその役割は終わったんだ、という変な読後感想を持った。

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Posted by ブクログ 2018年07月24日

禅とジブリと言うタイトルだから小難しい話かと思いきや…全くそんなことはなく、日々をどう生きていくかと言うとなんだか大事のような感じになっちゃうけど、気持ちの持ちようをちょっとしたらアドバイス的感じで対談しつつ読者側に提供してくれる。
そんな中にジブリ内の宮崎駿との裏話とかが書いてあって、え?それ書い...続きを読むていいんだ!とちょっと笑っちゃうようなこともあって面白かった。

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Posted by ブクログ 2023年04月18日

ジブリの鈴木さんか3人の禅僧との対談をまとめた本。禅の「いま、ここ、自分」という考えがしっくりくる。
鈴木さん解放されたかったのにまた社長になっちゃったんだなーとニュースみて思ってしまいました。

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Posted by ブクログ 2020年10月25日

禅宗の僧侶とジブリプロデューサーの鈴木敏夫さんの対談を書籍化したもの。
以下記憶に残った言葉

「それは理想とする自分がいて、そこから今の自分を見ているからでしょ。そうじゃなくて今、目の前のことをちゃんとやりなさいよ。」
→これにはハッとさせられる。少し前の自分は現在の職場に漠然とした不安と不満があ...続きを読むり、転職してステップアップしたいと考えていた。あの頃は理想とする自分がいて、そこから現在の自分を見て絶望していたのだと思う。それだといくら頑張っても今の自分に合格点を上げられないんだよね。ようやく分かりました。

「宮崎駿も色々なものに影響を受けていて、影響って、いわば真似ることじゃないか。誰にも真似できないって主張するのは違うのでは」
→仕事は真似することが大事。人の真似をすることはオリジナリティがないと思うかもしれないが、真似というのは必ずする側の脚色が入り混じるわけで、それゆえ同じものにはならない。真似は悪いことと思われやすいが、それは違うのだと思う。

「自我は自分だけがという心。自己はじっくりと見つめるべき対象」
→自我を捨てて、自己を見つめよ。自分があれこれしたいという煩悩は捨てて、周りの中での自分をじっくりと見て、行動しなさいということ。ギブアンドテイクというのは見返りを求める欲求が含まれるので自我が含まれる。ギブアンドギブの精神を持つことは周りの中で自分の役割を考えて行動するということ。これをできるようになれば、良い人間関係が築ける。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年01月29日

この本を案内しようとと思ったのは表紙をスキャナーで写真にとってみると、手抜きの構成のようなんだけれど、これが結構面白い。たった、それだけ。

 鈴木敏夫という人は、知る人ぞ知る「スタジオジブリ」のプロデューサー。宮崎駿や高畑勲の仕事を支えている人。もともとは徳間書房の編集者だったらしい。その鈴木敏夫...続きを読むが三人の僧侶と出会う。

 ぼくは、基本、この手の学者やタレント、経営者の人生論系の本は読まない。だって、めんどくさいじゃないか。世間では、本屋の棚を見る限り氾濫していて、よく読まれているらしい。この本も、そういうめんどくさい系の一つであることは間違いないが、ジブリの鈴木敏夫という名前に惹かれた。

 読みはじめると、宮崎駿が準備している作品が、ここ数年、社会現象化しているあの「君たちはどう生きるか」だという。

 「プロデューサが参禅のおしゃべりで、監督は超流行りの人生論かよ。やれやれ・・・。うーん、引退宣言の後はそうきますか?」

 ジブリの、宮崎駿や高畑勲のアニメーションは「風の谷のナウシカ」以来ずーっと、我が家では流行っていて、そういえば、ドアを開けて入ってくると暗いだけの玄関の壁ではナウシカとオームのチビが散歩している。「ナウシカ」はジブリ以前の作品で、「天空の城ラピュタ」から「トトロ」がスタジオ・ジブリの仕事の始まり。

 今は30歳をはるかに超えている、ヤサイクンやサカナクンたちが小学生だった。みんなでトトロの歌を歌っていた。

  あるこう  あるこう わたしはげんき♪♪ 
  あるくのだいすき♪♪

  これって人生論じゃないよね。でもまあ、徘徊ソングなわけで、「君たちはどう生きるか」、まあ、宮崎駿がどう描くか、やっぱり興味はあるけど。

 さて、その鈴木君が禅宗のお坊さんと会ってしゃべる。黙って座禅を組めばいいようなものだが、それでは本にならないからおしゃべりをすることになる。登場するお坊さん、どなたの名前も知らないなと思っていると、最後の一人は玄侑宗久、芥川賞作家である。そこにこんな会話がある。

 鈴木:高畑さん、宮さん、この二人を見ていて、年齢を重ねて   も、二人共いまだに映画を作りたい。ぼくの想像では、た   ぶん死ぬまで「枯れる」なんて考えない人たちだと思うん   ですよ。ギンギラギンのまま。
 
 玄侑:なるほど。禅で言う「枯れる」とは、どちらかというと  「余白の美」に近いと思います。(略)特に高畑監督は映画の  中で余白とか、虚の部分を重視されていますよね。

 鈴木:していますね。単純に絵だって、年を重ねてからの作品  には必ず余白があります。

 玄侑:だから、作品の中で枯れておられるんじゃないですか?  高畑監督の「かぐや姫の物語」なんてまさにそうだとおもい  ます。あの、月から使者が迎えに来るラストの光景と音楽は  ちょっと忘れられないですね。

 鈴木:仏教の来迎図ががモデルです。高畑さんは、来迎図の菩  薩たちが持っている楽器全部調べて、それぞれの音色を再現  して演奏してもらった。最後の曲はそういう曲ですね。

 宮崎駿の引退宣言については「問答後談」のなかでこんなことを書いている。

 《宮崎駿は「今、ここ」の人である。加藤周一さんに倣うなら、明日は明日の風が吹くし、昨日のことは水に流す人だ。(略)だから、引退宣言を繰り返してきた。
 
 あまり知られていない話を披露するなら「風の谷のナウシカを作った直後にも「二度と監督はやらない」と宣言した。質の向上のために仲間たちに罵声を浴びせなくてはいけないのが監督の役割。「もう友人はなくしたくない」が、その理由だった。

 あれはもう三年以上前になる。盛大な引退記者会見を開いた。それを再び、去年放送のHKスペシャルでひっくり返した。監督への復帰宣言だった。まさに「終わらない人宮崎駿」である。

 「これまで等身大の自分をさらけ出した作品は作ってこなかった。最後はそれをやりたい」

 宮さんとしてはやり残したことがあると言い出した。おいおい、これまでだった、十二分に自分をさらけ出していると言いたかったが、ぼくは失笑をこらえつつ同意した。
         ―略―
 で、問題はこの先だ。宮さんは、この正月で満七十六歳になった。宮崎家は親戚を含めて八十歳を越えた人は皆無らしい。去年の秋、長兄が七十七歳で亡くなり、宮さんのお父さんは享年七十九歳だった。

 「作っている途中で死ぬかもしれない」

 その気持ちが彼を駆り立てる。ぼくの老後の楽しみはどこへ行ってしまうのか。しようがない。宮さんと共に生きてきた人生だ。協力せねばと覚悟した。》

 高畑勲は、この本が編集されている最中、2018年四月五日に亡くなった。

 宮崎駿は、新作アニメに没頭しているらしい。三月二十一にに書かれたプロローグに、三年がかりで出来上がった絵コンテに対する鈴木敏夫の批判と宮崎駿の反応が書かれている。

「‥・・・詰め込み過ぎですね」

「自信作です」

「要素はいずれも面白い。しかし、お客さんが置いてけぼりを食らう」

 一か月半の後、新しい絵コンテが完成し、それを読み終えた鈴木は、その時の心境をこう書いている。

 《目の前の宮さんは、天才以外の何物でもなかった。七十七歳にして成長を続ける、この老監督のどこにそんなエネルギーが残っていたのか、ぼくは、宮さんのその強靭な精神力に対して恐れおののいた。》

 読み終えて、プロローグに戻ってみる。宮崎駿の新作を心待ちにする気分になる。今度こそ、最後の作品になるかもしれないんだから。

 それにしても、表紙の写真の僧と鈴木敏夫の配置、やっぱり、かなり工夫されているようだ。

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