蔵前仁一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何だか旅に引きずり込まれるような一冊。自身の旅で出会った人々の一言とその周辺の物語・出来事・思い出がまとめられています。思わず「あ~、こういうことあるな~」「こういう人いるな~」とうなずいてしまう次第です。
解説にある「蔵前以後」の旅行記の特徴、は非常に的を得ていると思う。
①あくまでもカジュアルな日常的リアリズムに徹し、そこに私小説的な物語化や自己完結した過剰な思い入れや意味づけを紛れ込ませない。
②一見だれにでも書(描)けそうな平明な文章とイラストが情報性と信頼感、さらには参加・誘引性を高める。
③それらの相乗効果によって「私もしてみたい/私にもできそう」という同好ネットワークが形成さ -
Posted by ブクログ
90年代、バックパッカー文化全盛の頃からずっと読んでいた自分からすると、筆者の個人旅行記はタッチは変わらずともコンテンツはずいぶん変わった印象。
当時のアジアで頻発した面白ネタなど皆無で、まさに今風の旅行記だと思う。
当時の貧乏旅行は、日本の経済力を背景にした贅沢な道楽だったということがいまさらながらわかってきたわけで、そういった環境をふまえ、この本では現在のバックパッカーの「今風の旅行記」、イーブンでフェアな旅になっているのはさすがというべき。
それでも無意識の中で日本=経済大国、が前提になっている、言わば上目線な箇所もあり、2021年に読んだ自分としては必要以上にそこが気になった。ただ、実