クレイトン・M・クリステンセンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これまでで最も感銘を受けたビジネス書は?と問われれば、「イノベーションのジレンマ」と答えることにしている。大きな成功をおさめた企業が、その成功のゆえに、リソース配分を成功事業の維持発展につぎ込むという合理的判断をせざるをえず、破壊的新規サービスには自ら乗り出せない。しかし、技術の進歩による破壊的新規サービスの利便性向上と、同時に成功既存事業に対する顧客の満足度が一定レベル以上増加しないことから、やがては破壊的新規サービスが成功既存事業を逆転し、市場を奪う。
本書はこのイノベーションのジレンマを、新規事業者の立場にたって、既存成功事業者に挑む際の具体的な戦略について解説している。内容はもちろん、イノベーションのジレンマに基づいているので、前作ほどの目新しさは感じないものの、各戦略は具体的で理解しやすく、また、前作に対する理解を深めることができる。 -
Posted by ブクログ
クレイトン・クリステンセン、2003年。
人が生活のなかでやり遂げたいと思うことは、基本的なレベルではそう変わらない。
デジタルカメラがなかった頃、まばたきをしたかもしれないから同じポーズで2度撮り、友人に送るために人数分焼き増しした。デジタルカメラはこれらの用事を効率的にやり遂げることを助けた。一方、デジタルカメラがなかった頃、現像した写真は、98%が引き出しにしまわれ、二度と眺められることはなかった。稀に几帳面な人だけがアルバムに張ってきちんと整理した。オンラインアルバムは、顧客が以前やろうともしていなかった用事を簡単に整理して分類できますよ、という提案だから、顧客の優先的な用事を解決するイノベーションではない。
大学の教科書の電子書籍は、高額で重たい教科書を手軽に持ち運び、検索したりできることを提案するが、おそらく成功しないだろうという。 そもそも大学の学生は、法外な値段でばからしい教科書を全く読まずに単位をとるという用事を片付けようとしているからだ。
顧客がそれまで感心を持っていなかった用事を片付けさせようとするアイデアは、成功の見込みが殆どない。新製品が手に入るようになったからといって、用事のほうを変えることは絶対にない。
ソーラー発電は、先進国より南アジアやアフリカで浸透する可能性が高い。先進国では24時間、安価に利用できる電力が既にある。天候に左右されるソーラー発電がこれに対抗するのは、あまりに厳しい。一方、インドやアフリカでは、電気を大量に食う電化製品があふれているわけではないので、夜間に電灯を灯すだけの電力を日中蓄えられればよいし、従来型の発電・配電設備をこれから建設することに比べれば、太陽エネルギーははるかに安価で、政府承認や汚職に頭を悩ませる必要もない。
太陽エネルギーを先進国の電力減にすることを目指す政府出資のプロジェクトではなく、アフリカの無消費者を標的としてシンプルかつ小規模にはじめ、その後上位市場に移行するイノベーションモデルが成功しそうだ。 -
Posted by ブクログ
イノベーションとはどういう風に起きるかを徹底的に分析した本。
正直この本は難しい。
難しすぎるのではないかと思う。
くまなく理解するというよりはそのエッセンスしか理解できなかったのが正直なところだ。
ただ、興味深かったのも事実だ。
また琴線に触れることがあったら手に取ってみたい。
【エッセンスまとめ】
- イノベーションには3種類ある
=> 持続的イノベーション、ローエンド型破壊的イノベーション、新市場型破壊的イノベーション
- 経営状態を資源、プロセス、価値基準から分析する。
- 能力と動機。特に「動機」に企業間で非対称性が生じている時、新企業は既存企業を破壊する可能性がある。
=> 特に、既存企業に詰め込みを招き、その既存企業が非対称的な動機で隠れて参入する。(その後、既存企業は撤退する。)
- 業界は、相互依存型からモジュール型に移行する傾向がある。 -
Posted by ブクログ
クリステンセン教授の著作を読むのは「イノベーションのジレンマ」、「イノベーションの最終解」に続き、十年振り三作目。
もっとも有名な前者が、なぜ優秀な会社が元々低位の破壊的イノベーターに負けてしまうのか、を論理的に実証したのに対して、本作は、どうすれば、イノベーションを起こせるか、を問うた本。
ジョブ=お客様が解決したい用事・やっかいごと=(the job to be done) という設定で議論が進む。最初に登場するミルクシェイクの事例は、読んでて「なるほど」と思うものの、そのあとは、同じような驚きはなく、そりゃそうだ、という感じだ。この本の考え方が既に世の中に浸透して長いからかもしれない。
ドリルの刃を買う人は、ドリルの刃が欲しいわけではなく、穴が欲しいのだ、という有名な訓話に近い話が続く。
いわゆる「ソリューション営業」と「インサイト営業」の中間ないしは融合、のようなものかと思う。
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Posted by ブクログ
クリステンセンは、「イノベーションのジレンマ」を読んで、面白かったものの、その後の本は読んでいなかったところ、先日、たまたま「ジョブ理論」を読んで刺激を受けたので、こちらも読んで見た。
「ジョブ理論」については、わたしは面白いと思ったのだが、「新しみがない」という評価も多そう。ということから類推すると、「ジョブ理論」は、「イノベーションへの解」の焼き直しなのかな?と想像していたのだが、そうでもないかな?
「イノベーションのジレンマ」が問題提起編だとすると、こちらは「対応編」。
とは言え、ものすごく新しいことが書いてあるような感じでもないな。
色々な他の研究で言われているようなことをうまくまとめているみたいな印象。
ある意味、ドラッカーのイノベーション論をアップデートした感じ、というと言い過ぎかな?
破壊的イノベーションは、天才のアイディアではなくて、計画的に生み出せるもの。
とは言っても、それを本当にやるためには、通常のマネジメントとは大きく違う思考、判断、プロセスを採用する必要があるので、それを徹底するのは、やはり難しそう。
イノベーションに関して色々な方向から整理されていているのだが、個人的には、一点突破な「ジョブ理論」の方が、好きだな。