磯見仁月のレビュー一覧
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“ポーランド風”が大ウケした事で仕事に追われるベルタン。仕事人間の彼女としては喜ばしい事態なのだろうけど、職人の数が限られているなら受注できる数も制限される。普通ならそこで受注をストップしてしまうだろうが、新たなアイディアに拠って修羅場を切り抜けるのは流石だね
彼女の実力を証明する遣り方であると同時に今後の受注へ繋げる布石ともなっている
ベルタンの仕事人としての力量を示すに相応しいエピソードだからこそ、直後に続く同業組合廃止に伴いモード商の未来が左右されるという展開が強調されるね
ベルタンは王妃の篤い信頼を得ているとは言え結局は一介の商人。ベルタン本来の戦場はこちらとも言える
この巻では雌伏 -
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ベルタンがアントワネット付きとなった事から本格的に始まる王宮を舞台とする流行争い
平民という出自が邪魔をするかと思いきや、アントワネットの信頼を早い段階から獲得していた為か割合すんなりとベルタンの衣装が通っていく感じだね
この点はアントワネットが他国から嫁いだ為に慣習や礼儀に縛られたくないとの性格も手伝ったのだろうけど
ベルタンが飾り付けるはフランス王妃。ベルタンが腕前を示すに格好の画材となる対象
でもアントワネットは今の段になっても不安感と戦っていたのか…。立場としてはフランス王妃であっても、本当に自分は周囲からフランス王妃と見られているのか
この不安感に対して、いつもどおり自信満々に腕に -
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ここまで運命の中心に居る筈のオーギュストがどのような人間かあまり見えてこなかったのだけど、26話でじっくりと内面が描かれた事で彼がどのような人間か見えてきた気がするな
オーギュストは自分より遥かに王に相応しい兄を知っている。自分の見本となるべき両親は立て続けに亡くなってしまった。残されたのは王になる覚悟なんて何一つ持ち合わせていないオーギュストだけか……
オーギュストがマリー・アントワネットに冷淡だったのは、自分が王位に相応しくないとの感覚と兄への申し訳無さ有ってのことだったのか……
そんな彼にとって国王が倒れたとの一報は地獄の蓋が開くようなものだったのだろうな…
ルイ15世が倒れたとは、つ -
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綺羅びやかな店を構えた事で仕立て屋として大きな躍進を見せたベルタン。けれどその裏に隠しようのない悲哀が……
ベルタンは第一話にて自分にベールは似合わないと、女としての身の振り方を諦めた。それでも期待とも言えない程の淡い期待をレオナールに対して懐いてたんだろうなぁ……なんて思ってしまう
指輪ですら無い指貫を持ち歩いていたベルタンの心境は如何に……
改めて女としての身の振り方を否定されたのなら、ベルタンが目指すべきは仕事を武器に生きること。男性からの後援を持たないベルタンがこれ以上の躍進を狙うならレオナールと同じように王太子妃に近づく必要が生まれてくる
けれどそこで自分よりも早く出世しており、そ -
購入済み
毎回、ベルタンが腕を振るってどんなドレスを仕立てるのかが見もので面白いですが、早くマリー・アントワネットと出会わないかなー。
出会ってからどうなっていくのかがすごく気になってます!
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マリー・アントワネットの結婚生活があまりに壮絶過ぎる……!
味方は見当たらず、自分に親しくしてくれた相手も腹に一物抱えている。おまけにフランス宮廷の礼儀やマナーは自分の故郷と違いすぎてストレスがマッハで溜まる……
これはマリー・アントワネットでなくても精神がやられてしまうというもの
せめて夫であるルイ・オーギュストの態度がもう少し軟化してくれれば、パンティエーヴルのように何か良い変化は有り得たのかもしれないけど、夫婦の契りどころか同衾すら嫌がるとかどういうことなの……?こちらはこちらで養育係の影響が強いようだけど。
フランス宮廷は仄暗い思惑があまりにも多く飛び交っているものだから、その中で年若 -
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史実をベースにしつつそこに漫画としての脚色を織り込む巧みさを感じられる一冊
マリア・アントニア、後のマリー・アントワネットがフランスに嫁ぐ中で繰り広げられる幾つもの物語。あまりに劇的な物語にマリー・アントワネットが主役になってもおかしくない構造。けれど、マリー・アントワネットが変化を迎える瞬間にドレスや化粧の変化を伴わせることで、これが仕立て屋ローズ・ベルタンの物語であるのだと明確にしているね
あの女帝マリア・テレジアが心配のあまり長文の手紙を寄越してしまう程の悩みの種であったマリー・アントワネットの自由さ
少女としては可愛らしいと愛でられるそれは一方で国と国を揺るがす婚姻の舞台においては不 -
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第1巻ラストの展開から2巻はベルタンが『トレ・ガラン』に勧誘されるシーンから始まるのかなと想像していたけど、実際の2巻ではもうベルタンが『トレ・ガラン』のエースとして活躍しているシーンから始まるのね
展開が飛んだように思えてしまうけど、物語の終着点を考えたらもっと早いペースで進んだっておかしくないわけだから、むしろベルタンの活躍をしっかりと描いている方なのかな
名実共に備わってきたベルタンのもとに飛び込んだ王族が関わる花嫁衣装製作。失敗は許されないが、成功すれば大きな宣伝になる仕事。だというのに花婿であるルイ・フィリップ2世はとんだゲス男……
この花嫁衣装製作においては難題に次ぐ難題がベル -
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あの有名なマリー・アントワネットを取り巻く人間模様をファッションの側面から描き出す作品なのかな?取り敢えずはタイトルにあるようにマリー・ジャンヌ・ベルタンという女性が主人公のようだけど
驚きだったのは物語を彩るのは架空の人物ではなく、実在の人物であったことか。ただでさえ有名なマリー・アントワネットという人物の波乱万丈な人生を彩る人物が実在となれば、それだけでワクワク感が増してくるような気になるね
本作には主に2パターンの女性が登場するように思う
女を武器に生きる女。仕事を武器に生きる女
身の振り方として仕事を選んだベルタンが主人公なのだから、本作の方向性は仕事に生きる女性だけを魅力的に描い -
ネタバレ 購入済み
歴史蘊蓄ものとしてはいいと思う
ベルタンが主役ということで、当時の服飾に関することや、そこへの情熱を描いたクリエイター系の作品を期待して最新刊まで拝読。
歴史蘊蓄は豊富で、そこのところに注目して読むと面白いです。
しかし、ベルタンの創作動機の描写がルサンチマンや商売(金稼ぎ)に集中し、服飾への情熱とセンスに溢れた人というよりは、センスを使って商売をすることが好きな人に見える。もちろんその表現自体は、読者として好き嫌いはあっても、物語として決して間違ったものではない。
しかし、主題としてなにを表現したいのか、という作者の設定と、実際にストーリーに表現されているものにわずかなギャップを感じるのも事実です。
キメ台詞が「仕事 -
購入済み
帽子
帽子と髪型の競い合いと、女と男のモード商の争い。
今見るとあまり違和感のない帽子の形がこの人の手になるものだったとは。
しかしお国は不穏で・・・。 -
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地元民による甲子園漫画。
地元ならではの空気はある。
ただなあ、野球漫画としてどうか?と言われるとちょっと厳しいなあこれという感じ。
まず主人公の線が細くて女の子みたいに見える。
実際間違われるシーンもある。そしてこれ女なのか?という女キャラもいる。
一番混乱したのは永夏の存在だった。すぐ説明はあるんだが。
この辺の線分けが少女漫画みたいになっているんだよなあ。
泥臭い少年野球漫画も今どきそんなないだろうが、にしてもなんか違う。
そして最初はいいところだけ見せて、途中から一気に話がドス黒い方向に進むのも、それがあっさり解決してしまうのもどうかねえ。
これは少年漫画としても野球漫画として読ん