あらすじ
王妃付きモード商として、アントワネットの元へ、日々、足しげく通うベルタン。自分の置かれた状況への不安を吐露する王妃を鼓舞し、さらなる高みへ野心を燃やす。そんな折、師パジェルの店トレ・ガラン破産の報せが届く。「いずれ朽ちるなら、自分が蒔いた種の土になりたい」――師の言葉を胸に刻み、次に仕掛ける流行は“王妃風”。髪結いレオナール、調香師ファージョンと共に、若い王妃をファッションの中心へと押し上げる――!!
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パジェルさん
パジェルさん......。
ベルタンを育てて術を残した彼女は優しすぎたのかもしれません。ベルタンもしっかりと仕事をこなしていてかっこよかったです。
ああ師匠
師匠パジェルの退場に泣きました。女が身を立てるのが並々ならぬ困難な時代に、自らモード商として礎を築き、後進を育て、そして散る。うう、なんてお人だ。そしてベルタンは益々がっつり働いていくし、時代は徐々に移ろいの気配を見せ……。歴史の結末は分かっているけれど、どう描かれるかとても気になっています。作成のための取材や史料からどう解釈したかの裏話もとても楽しみ。
この時代、お風呂もあんな格好で入るんかい。いくら下着でも、服は服だよね。しかもネル!
登場人物達が実際どんな人間だったかは知らないしクズ人間もいただろうが、少なくともこの漫画では、どの登場人物も悪くは描かれていなくて、それぞれ良さがあって、嫌いなキャラクターはいません。
女漁りのシャトルも、かといって妻も邪険にはしないし、女の子大好きアルトワも、醜いと噂の妻を大事にしている。
姉妹で嫁に来て、逆に陛下の妹が嫁に行く。お互い交換ですね。外交とはこういうものですね。
勉強にもなるし、面白いです。
とにかくおもしろい!
無料読みから購入してイッキに読んでしまいました!
歴史に明るくないため、人物を覚えるのが少し難しかったですがそれでもどんどん引き込まれる…!
オススメです!
Posted by ブクログ
Webサイト「コミックバンチKai」で連載中の磯見仁月の「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」の第7巻です。マリー・アントワネットに重用され「モード大臣」と呼ばれたローズ・ベルタンを主人公にした作品。念願の王妃付きモード商として、アントワネットの元へ通う日々が始まりました。調香師ファージョンも加わり、ベルタンの前に敵なしです。でも浪費が…。ルイ16世の戴冠式のシーンは圧巻です。ドレスをはじめ描き込みが凄いです。そんな中、パジェルが世を去りました。世代交代が進んでいきます。そしてついにロベスピエールが登場。
Posted by ブクログ
ベルタンがアントワネット付きとなった事から本格的に始まる王宮を舞台とする流行争い
平民という出自が邪魔をするかと思いきや、アントワネットの信頼を早い段階から獲得していた為か割合すんなりとベルタンの衣装が通っていく感じだね
この点はアントワネットが他国から嫁いだ為に慣習や礼儀に縛られたくないとの性格も手伝ったのだろうけど
ベルタンが飾り付けるはフランス王妃。ベルタンが腕前を示すに格好の画材となる対象
でもアントワネットは今の段になっても不安感と戦っていたのか…。立場としてはフランス王妃であっても、本当に自分は周囲からフランス王妃と見られているのか
この不安感に対して、いつもどおり自信満々に腕によりをかけて飾り立てようとしたベルタンだけど……
いや、まさかこのタイミングであのような訃報が飛び込んでくるとは予想外だった……
ベルタンはその流行を形作る腕前を買われて王宮に招かれた。そうして国の中心に居る王妃付きとなれば、それはベルタンが流行の中心になるようなもの。だからこそ他の業者にとっては苦境となってしまうというわけか…
ベルタンの成功、それが刃となってかつての師を切り刻んでしまうのはあまりに残酷な運命。
パジェルの死に涙を流せなかった、いや流す資格がなかったベルタン。彼女に託されたのはひたすらに成功への道を歩み続けることか……
そしてこのような哀しみが有っても、仕事には何の影響も持ち込まないベルタンは本当に仕事人間ですよ…
ファージョンという新キャラを交えて始まるのは"王妃風"旋風
ベルタン、レオナール、ファージョン。三人が組んだ事から本格的に始まる王妃アントワネットを中心とした流行作り。衣装、髪結い、香水と隙のない構えで展開されるアントワネットの飾り立ては王宮全てを魅了するかのよう
以前はなんやかんやアントワネットに反発する者が見られたけど、この巻でそのような者はほぼ見られない。それどころか彼女によって展開される流行を支持する者ばかり
ベルタン達が仕掛けた流行は王宮の構図すら塗り替えかねないものとなっていく様子が手に取るように判るね
……そんな華やかな王宮の外では不穏な足音がひたひたと。飢え死ぬ民、アメリカ独立戦争、王妃に関する醜聞
オーギュストからは辛うじてそういった事態に言及する様子が描かれるものの、アントワネットからは皆無。またオーギュストも言及はしても仮面舞踏会を変わらずに楽しむ様子も同時に描かれるなど現時点では最優先事項として扱っていないと察せられる
少しずつ王宮の内と外のズレが見え始めてきたような気もするけど、それでも変わらずに催された戴冠式。それはまるで最期の煌めきのようだ…
そしてこれだけ綺羅びやかな光景を前にしても女性としての幸福を志そうとするベルタンは何処まで登り詰めようというのだろうか……