• 傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン 1巻
    ネタバレ 購入済み

    歴史蘊蓄ものとしてはいいと思う

    ベルタンが主役ということで、当時の服飾に関することや、そこへの情熱を描いたクリエイター系の作品を期待して最新刊まで拝読。
    歴史蘊蓄は豊富で、そこのところに注目して読むと面白いです。

    しかし、ベルタンの創作動機の描写がルサンチマンや商売(金稼ぎ)に集中し、服飾への情熱とセンスに溢れた人というよりは、センスを使って商売をすることが好きな人に見える。もちろんその表現自体は、読者として好き嫌いはあっても、物語として決して間違ったものではない。

    しかし、主題としてなにを表現したいのか、という作者の設定と、実際にストーリーに表現されているものにわずかなギャップを感じるのも事実です。

    キメ台詞が「仕事しよ」なのですが、その仕事への情熱も、服飾そのものというよりは服飾でどう逆境や時代を乗り越えるか、お金を稼ぐか、というような描写に終始しがち個人的にはちょっと寂しい。
    服飾そのものへの情熱がベルタンに欠けているように見えるのです。

    好きだから作る! という根本の動機をもっと強く描いてほしかった。
    お客様のために、とか、状況を打破するために、とか、お金を稼ぐために、とかじゃなくて。

    そこのところが残念でした。
    最初に書いたように歴史蘊蓄は豊富なのでそこは面白いです。
    ただし、コラムや巻末漫画は身内臭がものすごく、特にコラムは読みづらいです。そこはお覚悟を。

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    2025年08月20日