中央)BT-DONDEN 14(04-A) 「裁判長に物申す」
5巻まで読み終わった。
以前から読みたかった医療マンガ。しかし特筆すべきは、医者の中でも希少な「病理医」が主人公なところ。
いやー、病理医なんてオペ場にほぼはいらず、ガンが対象疾患でない精神科医にとっては、もう天然記念物級の想像上の生き物ですわ。
そうはいっても、学生時代には病理学の講義があったので、病理医の先生方に授業を受けてましたけどね。
このマンガにもあるように病理医は「奇人、酒好き、貧乏」らしいですが、たしかに顕微鏡職人みたいな薄汚ーい白衣着て、いかにも酒好きっぽい、粗野な先生はいらっしゃいました。
んでまたいうことが職人みたいというか「ほら、このスライドのガン細胞『悪い顔つき』しとるやろ?」みたいな。
ンなのわかるかいな!!!!って学生当時は思ったんだけど、まぁ、いまなら「プロの勘」ってそういう表現しか取り得ないこともわかります。いまなら。
「病理医」という、圧倒的なマイノリティ側から、実際に治療を施すマジョリティーである「臨床医(いわゆる『お医者さん』)」を診ると、同じ「医療」という現場を共有しているぶん、臨床医の持つ不安や傲岸さが逆によく浮かび上がってきます。
医学的な内容の検証云々もだけど、そういう視線の鋭さもこのマンガが気に入った理由の一つです。
あと、めずらしいところで実際の臨床現場では以外に重要なMR(製薬会社の営業さん)もサブキャラに据えられているところが、けっこう個人的にもツボでした。
いや、大事よMRさん。病院やDrってなにかと個人として完結しがちなところに情報とか持ってきてくれるんで(たんに、私が井戸端会議的な話が好きというわけではないです、たぶん・・・)。