川口マーン惠美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在のドイツの凋落ぶりを他山の石として、日本にはその轍を踏んでほしくないと言う著者の願いが伝わってくる一冊でした。それにしても、ドイツの現在の迷走ぶりは凄くて、移民・難民を無造作に受け入れては、社会保障費を無駄に払って無職の人達を作り出している様は、寒気がしてきます。他にも、原発をすべて廃止し、火力発電も止め、風力だけで電力を維持しようとして、電気代の超高騰を招いてしまい、産業が空洞化に陥っているというのはちょっと理解に苦しみます。それだけでなく他にも様々な政治的問題がゴロゴロと山積しています。日本も労働力不足を補うために海外から移民を募っていますが、将来、ドイツの二の舞になることだけは避けて
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Posted by ブクログ
ツイッターなどの断片的な情報でドイツにまるで理想郷のようなイメージを抱きがちなので、著書の本を読むとハッとさせられる気持ち。
日頃からドイツの政治について勉強してる人は別として、メルケル首相が如何にして今の位置に登りつめたかなんて知らずにニュースを見てたもの。
ドイツと中国の蜜月関係も全く知らなかったので目から鱗。ドイツ人と中国人は実は本質が似ているという指摘も、ドイツに30年以上住んでいる著書だから出来る内容だと思う。
EUにおけるドイツの立ち位置も、新聞読んでるだけじゃ読み取れない。
過去作などタイトルが大袈裟で敬遠されがちでは?と勝手に心配しているけれど、その国で暮らす民間の一般の人( -
Posted by ブクログ
読後はタイトル通り日本が勝ち!とは思えないのだが、それでもたとえばツイッターなどで断片的な情報を見てドイツを楽園だと思っていると、そうではないと教えてくれる一冊。
残業まみれの日本で暮らしていると定時退社が当たり前のドイツに憧れを抱くが、定時ちょうどに退社すべく神経を張り詰めて働いている環境というのもそれはそれでストレスだろう。足して二で割る…とはいかずとも、足してドイツ寄りに割るくらいでちょうどよい働き方になる気がする。
またドイツがいともスムーズに脱原発に梶を切ったことに関心があったのだが、それはドイツ人ならその後のエネルギー不足で不便な生活を強いられても構わないというメンタルゆえだと思っ -
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ネタバレ世界一豊かで幸せな国スイスとよく似ている日本。小さな国スイスができることは日本でもできるはずである。日本の良いところを活かし、考え方を変えれば日本はより良くなる。日本とスイスの共通点・異なる点・改善するべき点について考える。スイスを見習っていけばもっと良い国になっていくだろう。様々な観点から日本とスイスを比較していく。
日本とスイスの共通しているところは、どちらの国も物作りが得意だということだ。元々、日本は機械産業が盛んで特に工作機械では生産額が世界一だった。しかし、2014年には日本は世界一ではなくなってしまった。そんな中、人口が少なく小さな国であるスイスは少しずつ成功している。スイスでは時 -
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私にとって、欧州の国々では、スイス、フランス、次いでドイツが馴染み深い国です。川口マーン惠美さん、初読みです。「世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン」、2016.11発行です。とても興味深く読み終えました。海に囲まれ、山に囲まれ、海に山に畏敬の念を抱く両国、自然に支配され、かつ自然に寄り添い、勤勉に働き、安全で清潔で秩序正しい暮らしを営んできた日本とスイス。これからグローバリズムの波にどう対応していくのか・・・。なお、スイスの自然重視・景観維持の農業政策(補助金)は、動物愛護、自然保護、安全な食物が目的とか、素晴らしいと思います。また、各家の地下に核シェルターがあって2w生活可能というのも
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簡単な文章で書かれているし、面白い内容なのであっという間に読めました。
有名なテレビ番組で日本に来る外国人(主に欧米人)についていく企画があるけど、どう考えてもバリバリ仕事している年代、もしくは学生の分際でどうして何週間も外国をウロウロできるものなのか不思議で仕方なかったけど、少なくともドイツでは社会システムがこうだからかもと勝手に納得しています。
しかし、日本にもゆとりがどうとかゆうていましたが、結局何がやりたかったんでしょう。英語教育やプログラミング教育も小学生から始まるとか。ドイツにも日本にも教育課題は山積みのようです。どっちがいいのかは私にはわかりません。 -
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ネタバレ著者の手になる書物を初めて拝読しました。
正直、己の不明を恥じました。文章が上手い。行間より教養の高さをひしひしと感じます。すごいもんだと。流石に音大生美大生達で功なり名なりを挙げてひとかどに成られる才媛たちの英気を覚えるというのか。普通に「教養人」というものでしょう。活計の足し以上の世界があるのだとこちらが頭を足れる。憧れというものです。
著書の内容的には非常に重たいです。
日本人でよかったという安堵感とやるせなさを感じます。
欧州発祥・欧州が世界分割により持ち込んだ擾乱を、現代以降において、こころの呵責と引き換えに受け容れざるを得ない理想主義「人権」という方便、この理想は祭壇に祭られた -
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まあだからと言って日本サイコーとかは言わないんですけどねσ^_^;
この本にもありますけどいまの日本が誇らしいのは先人の知恵と行動の結果やと思います。
いまの自分たちはただその遺産を食い潰してないか反省します。
日の丸を見て美しい日本の美しい情景を思い浮かべることすら否定することは次代に何も残さず食い潰していくだけのような気がします。
世界は広いです。
たまたま隣接する国が難癖をつけてくるからって世界の全てではないです。
たまたま否応なしに関係性を求められるだけでこっち見んかったら良いのにと思います。
まあそれは関係性の薄い親日国と積極的に接してこなかった僕ら中堅世代の責任もあるのかなと思 -
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ギリシャの金融危機や難民問題に直面したEUは,各国が自国の利益を死守しようと懸命になっており,「1つのヨーロッパ」という理念はもはや消え去っている。また,テロの脅威から,排外主義が叫ばれ,国民の自由に対する広範な制限が正当化されかねない状況が現れている。本書は,最近のヨーロッパが直面する問題の歴史と背景を簡単に振り返ることができるというだけでも,一読の価値がある。
また,著者は,ヨーロッパの危機について叙述するだけでなく,日本人の危機感のなさにも警鐘を鳴らしている。仮に隣国で政変が起これば,大量の政治難民が日本海に押し寄せることになり,しかもそれはあっという間に抑えがたいものになる,と。また -
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ドイツついて知りたくて読書。
ドイツ歴30年という著者から見た日本とそしてドイツの比較論。
日本国外へ出て初めて日本の魅力、素晴らしさを知ることは本当に多い。しかし、現在の単なる日本礼賛的なムードは危険だと思う。外を見ようとせず、内向きだけを向き進もうとしているから。
2012年には初めてドイツへ行き、今年は10回近く行く機会があった。ドイツは、アメリカよりは旅行者視点で便利だと思うが、幼い時から抱いていたドイツのイメージとはかなり違っていた。
ドイツ人は、ルール好きで、律儀で、時間にも正確と言われているが、いずれも日本人が思っているのとは違う。また、日本好きでもなく、どちらかと言うと -
Posted by ブクログ
☆5(付箋16枚/P187→割合8.56%)
ジャーナリストの著者だけあって、日独を比較する際の視点が色々と面白かった。
時間刻みの宅配便や電車がドイツと比較しても日本は優位なんだなぁ。
・長く外国にいると、日本がつぶさに見えてくることは確かだ。日本の長所は非常に多く、それはとりわけ実用面で際立っている。
一例をあげるなら宅配便。あの複雑なシステムを、あそこまで正確に全国津々浦々まで機能させられる国は、世界広しといえども日本以外にはありえない。時間に比較的正確な国・ドイツでさえ、電車が時刻表通りに走ることは稀なのだ。
ましてや、2時間単位の配達時間指定など、どの国であっても逆立ちをしても