川口マーン惠美のレビュー一覧
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購入済み
はじめて知ること多し
日本人がリズム感があるって説は意外でおもしろかったですね。あと、ヨーロッパにはロマという凄く悲惨な物乞いが今の時代に存在してることに驚きました。他にも興味深い話がたくさんありますが、読んで思うことは、日本はなんだかんだ言ってまだまだ良い国なんだなぁということですね。
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ドイツとの比較であった前作に引き続き、今作はヨーロッパの国々と日本を比べたものである。
やや政治色の濃かった前作と比して、今作はより主題に集中している感があり、求めていたものが読めた気分がして大変安心した。前作を読んだ折りは、当てが外れたと思ってしまったのだ。
内容的には、著者個人の体験をベースにした比較であり、それはヨーロッパという地で生活する人が見た別個の社会の比較であるということに他ならない。
ヨーロッパで大々的に報道された事件などを、我々が日本で報道された事件を見るのと同じような感覚で読み解いているのは、非常に面白いところである。
新刊であるから、より現況に則した内容であるし、いま読むに当たっては読み応えのある内容だろう。
こちらは文句なしに星五つである。大変楽しい読書だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレチェック項目13箇所。【ウィキペディアのドイツ語版】尖閣諸島はすでに1372年、明王朝時代の古文書に記述されており、1534年から中国の領土として認識され、中国の沿岸防御システムに組み込まれていたという、それどころか、尖閣の一部の島は、当時の女帝の手によって薬草商人に貸与されたとのことだ。領土問題が実効支配によって決まる限り、北方領土はもう戻ってこない、竹島もおそらく駄目だ、尖閣諸島でも、日本政府はあからさまな実効支配を避けているが、それを裏付ける軍事力がないのだから当然かもしれない。ドイツは、連合軍から押しつけられた基本法(憲法)を削除や変更も含めれば59回も改正した、軍隊の復活、東西ドイツの統一、EUなど、改正の必要な出来事が多かったこともあるが、2011年11月にも改正が行われている。日本には憲法を改正すれば軍国主義になると主張している人がいるが、あまりにも思考が短絡的すぎる、日本人で戦争に行きたいと思っている若者がいるなら、一度お目にかかってみたいものだ、日本は逆立ちしても軍国主義にならない、それはドイツと同じだ。雄弁に悲しみを語らなくても、日本人は悲しんでいる、ドイツ人とは悲しみ方が違うだけだ、しかし、それを理解せず、感情を出さないのは感情がないからだと決めつけるのは、それこそ自らの感情移入能力の欠如を暴露しているだけではないか。ドイツも日本も、それぞれに自分たちの道を模索している、脱原発に向かって果敢な努力を続けるドイツ、そして、さまざまな可能性を視野に入れて、安全で採算の取れるエネルギー政策を模索する日本。ドイツでは、どんな零細企業でも、病休と有休がごちゃ混ぜになることはない、具合が悪くて休みたいときは、電話一本でOKだ。ドイツ人にとって、有給休暇は純粋な休暇であり、病休とはまったく別ものだ、有休のもともとの目的は、日頃溜まった疲れを取り、心身ともにリフレッシュして仕事に復帰するための英気を養うことである。ドイツでは、突然電車が停まっても、たいてい説明はない。ホームで列車を待っていると、突然、「次の列車には六号車が接続していません。六号者の指定券をお持ちの方は、他の号車で空席を探してください」とか「次の列車は、号車番号が前後反対になって入ってきます」というビックリ放送が流れることだ、こういったことはしょっちゅうある。日本の電車は送れない、駅でない場所で停車すれば、たいてい二秒後にはその理由がわかる、車掌は礼儀正しく、デッキから客室に入ってくるときには、お辞儀までしてくれる。現在、ギリシャとスペインは、に25歳未満の若者の失業率が、それぞれ60%、50%を超えている、ポルトガルとイタリアは、若者の40%が失業者だ、一方、ドイツの若年失業者は、10%を超えない、失業率全体を見ても、コンスタントに6%から7%代を保っている。
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Posted by ブクログ
共感するところもあれば、そういうことか!と納得したり、初めて知ってショックを受けるなど、知識欲も満たされすごく楽しく読んだ。特に、ロマの話は衝撃的で、教育も受けられなければ職も得られない、生まれた時から運命が決まっている、その閉塞感に改めて絶望的な気持ちになりました。イタリアでロマの女性がこちらをじっと睨む眼差しを見たときは、ショックだったけど…その背景をこの本で知り、本当にいたたまれなくなった。
世界には私が思いもよらないような問題がまだまだあるんだろうと思う。日本のことだって、知らないこと、国外からは違う見方がされてることはたくさんある。関心はあれど、努力しないと情報は得られない。その努力は絶対に惜しみたくないと、改めて思いました。 -
購入済み
ちょっと思ってたのと違った
ドイツと日本を比較した軽い読みものだと思っていたら、ドイツの原発の現状について結構なページ数を使って書かれていたのでとまどいました。その後はドイツのあまり知られていないことが色々書かれており興味深かったです。ドイツは日本と同じ時間に厳しい国だと勝手に思っていましたが結構適当であることを初めてしりました。そういう意外なことがいくつかあって面白かったです。
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Posted by ブクログ
ドイツのかつての首相メルケル氏に対する痛烈な批判から本書は始まる。彼女は、異様なまでに民主主義を強調し、脱原発を加速させ、移民難民を無制限に受け入れ、LGBT擁護にお墨付きを与え、再エネ、Eブイの促進、中国と接近、EU加盟国の主権をEU本部に移すことに力を注いできた。
ドイツの今日の治安の悪化、経済産業の衰退は彼女のこれらの政策によってもたらされた。
そして、ドイツでは、ユダヤ人と反ユダヤ、イスラム教徒にパレスチナ問題、人道主義を掲げるグローバルエリートとそれに反発する国民など、あらゆる分断と対立が生じている。
メルケル氏は本来保守政党の党首であったが、ドイツを見事に左傾化させた。
そして、何よりも問題なのは、これらの複雑な問題をオープンな場で議論できないことだ。
移民問題を論じようものなら差別主義者と罵られ批判され、社会的地位を失ってしまう。
これは、かつての東ドイツの全体主義にそっくりな現象だと著者は論じる。
日本とドイツは、あらゆる社会現象や人々の思考がとてもよく似ていて、日本はドイツの後を追いかけてきた。
今日のドイツの姿は数年後の日本の姿であることを肝に銘じて日本人はドイツで今何が起こっているか知っておく必要がある。
難民の受け入れに慎重であることは外国人差別とは関係がない。日本人が自分の国を大切に思っているかどうかの問題である。
現代の風潮は、差と差別が混同され、一切の差が存在しないように振る舞わなければならない。このことが息苦しさに繋がっている。
ドイツのこの左傾化は、EU全体に言えること。EUに一番影響力をもつドイツがそうだから当然といえばそうだが、もはやEUの大多数が左傾化している。少数派の右派(バンガリーなど)は、EUの環境政策や難民政策に断固反対しているが、経済が弱いためEUを抜けられないというジレンマがある。 -
Posted by ブクログ
コロナ騒動の真っ最中で、恐らく会社への出勤も制限がありリモート勤務を余儀なくされている時に読んだ記憶がある本です、部屋に放置されてある本を整理に目処がついたなと思った矢先に見つけた本です。
この本の著者の川口女史は、このような本を人としては異色の経歴(ピアノ科卒業)をお持ちの方ですが、ドイツにお住まいでドイツから見た日本について、今までに何冊か本を書かれています。機会は無いかもしれませんが、川口さんのピアノ演奏もお聞きしたいと思っています。
以下は気になったポイントです。
・バイデン政権になって米国はイランとの核合意(イランの核開発を黙認)したので、イランと欧米の間は一瞬修復されるかのように見えたが、2021年4月に、突然ウラン濃縮濃度を60%に高めると発表し、核合意はにわかに破綻した、60%とは、もうすぐ原爆を作りますよと合意したようなもの(p23)
・抑止力として日本でも核を持つという意見は、日本の政治家の間で意外と強かった、それを何が何でも阻止しようとしたのが米国であった、エネルギー不足(米国が圧力をかけてウラン入手困難)と核攻撃のジレンマの中で妥協されたのが「核の傘=米国は日本に核を持たせないために、米国の核を抑止力として日本を守ることを決断」であった(p27)
・日本は2012年、外国人登録法を廃止した、それまでは外国人登録原票で管理されていたが、今は日本人と同じく、住民基本台帳で管理されている、法務省から自治体に移管された(p69)
・日本が、皆保険制度に踏み切ったのが1961年、それほど豊かでなかったのに、政治家や官僚は、なんと志が高かったのか。アメリカが今もって達成できない素晴らしい制度が、すでに60年前、日本で完成した(p71)
・ガソリンやディーゼル車をEVに転換していくと、人も部品もノウハウも、これまで高度な技術を駆使して部品の改良に励んできた優秀な関連産業も」、ほとんどが必要なくなってしまう、そうなれば日本の産業は間違いなく地滑り的に解体されていく(p100)
・あまり知られていないが、EVの完成時に行われる充放電の検査では、1台につき平均家庭の1週間分の消費電気が、ただ無駄になる(p108)
・水素を電源にするということは、電気を水素に変え、水素をまた電気に変えるという二度手間で、その間に多くのエネルギーが失われる(p116)太陽光にせよ、風力タービンにせよ、設備の製造に多くの化石燃料を使う、発電の変動分を補うためには、たいてい火力発電所が必要になる、また太陽光パネルや風車の廃棄の際のエネルギーが問題になり始めている(p117)
・キャノングローバル戦略研究所によれば、猛暑も豪雨も山火事も温暖化のせいでないし、台風は今も増えておらず、シロクマは減っていない。寒さによる死亡の方が、暑さによる死亡よりもはるかに多い、2050年にCO2をゼロにしても気温は0.01度も下がらず、豪雨は1ミリも減らないとしている(p126)
・コロナ禍で世界的に産業が停滞したため、CO2の排出は減ったが、2021年3月末にWMO(世界気象機関)が発表したところによると、去年の表面上のCO2濃度は、過去360万年で最も高かった(p131〕
・2020年ドイツの発電電力量の構成比では再エネルギーが4割を超えて、それを賞賛する声が日本でも上がった、ただ問題なのは、再エネが常に消費電力の4割を支えているわけではない、休日など電気の需要が少ない時に天気が良ければ、太陽と風の電気で系統が満杯になり、ドイツは仕方なく、ただのような値段でその電気を国外に出すことになる。大停電を回避するために。引取り手がない時には、お金をつけて買ってもらうこともある、それでも余ると、発電者に補償を払って、発電停止を要請する(p137)
・日本の電気自由化は2016年から電気の小売が自由化、2020年4月には、ついに「発電」「送電配電」「小売」が完全に別会社になった(p145)
・2008年にノーベル経済学賞を受賞した、ポール・クルーグマンは、市場を自由化してはいけない3つの領域として、「医療・教育・電力」をあげている(p147)
・本当に環境のためかと思う事として、1)バイオマス発電は、家庭ごみで賄っているように聞いていたが、木を切って作った木材チップも使っていて、日本ではほとんどそれであり、熱帯林まで切っているケースもある、2)EVのリチウムイオン電池、環境に良いEVのために、原料のリチウムやコバルト需要が増加している、コバルトは放射性物質である、スマホが5-10グラムに対して、タブレット30グラム、ノートパソコン100グラムに対して、EVは10-15キロである、環境団体はこれを言わない(p159)
・ウランとプルトニウムを使用済みの核燃料から取り出し、もう一度燃料(MOX燃料)にして使うおうというのが「原子燃料リサイクル」である、これは超高度な技術で誰もができない、再処理は誰がやっても良いものではなく、本来は核保有が認められいる米露英仏中の5カ国のみ、例外的に日本ができるのは、米国が特別に認められているから(p172) 日本の再処理工場では、取り出したプルトニウムにウランを混ぜてわざわざ不順にして、原爆が作れないようにしている(日本が開発した技術)、六ヶ所村のウラン濃縮工場では、年間合計20数回の査察が入る(p173)
2021年8月10日読破
2025年5月28日作成 -
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東欧のハンガリーやスイスが「嫌われてもいい」と移民や難民の流入に厳格な姿勢を貫く。その背景には自国の文化や治安を守るという強い意志がある。一方、イギリス、欧州共同体(EC)の中心国は寛容を掲げ多様性を受け入れてきたが社会の分断や治安の悪化に直面している。イギリスは迷走しドイツは経済と政治の不安定化フランスは暴動とテロに揺れる。理想を掲げたECは今試練の時を迎えている。ハマスの奇襲やウクライナ戦争など世界の緊張が高まる中優しさだけでは国を守れない現実が突きつけられている。日本もただ善意を重ねるだけでなく「何を守り、どう生きるか」を本気で考えるべき時に来ているのではないか。
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政府はカーボンニュートラル推進(火力発電・原発を無くしガソリン車を廃止)としながら電気不足を火力発電に、ガソリン車に頼っている現状、ノーベル経済学賞ポール・クルーグマンは市場の自由化をしてはいけない分野は教育、医療と電力であるという。教訓から言えることは世界の潮流に流されず独自の「電力エネルギー」に関して正しい数値と根拠で対処しなければ経済発展もないと言う。「歴史の検証を怠るな」「エネルギー対策を正当な根拠とデーターで構築せよ」(決してカーボンニュートラル世論に突進する事なく自国の技術を高める)、更に国防意識と外国人に対する規制(入国・移住・不動産売買・医療保険)など国民の税金の浪費と都市問題での混乱を招く前に早々に設ける必要があると言える。驚愕な言葉は「日本を倒すのに武力は入らない。この国は住めば乗っ取れる」(外国人に対する不動産の自由・移住の自由・無償医療)と言う事実だ。
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人口7000万のドイツが百数十万の難民を毎年受け入れれば社会規範がグチャグチャになるのは当然。ハンガリーが受け入れず欧州入りの壁となっていることに内心感謝しているだろう。23日の選挙で「極右」と表現され」るAfDは第二党で文化防衛を訴え、与党社会民主党は大敗の見込み/日本政府保有の米国債残高が短期間に44兆円減少しているという。「支援」で米国製兵器に使われているのだろう/中国は米国債を売って、敵国となった際「支払い放棄」となるのに備え、GOLDを買うので値上がりしている/戦争は始めるより止めるほうが難しい。だからこそ、始めないように「話し合い」の枠組みをもっていなくてはならないのだが。
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Posted by ブクログ
ネタバレ【スイスについて博識な気分になれます】
日本よりもスイスについて知ったのではないか、と思えるぐらい、
分野横断的にスイスについて学べた一冊でした。
突っ込みたいところに著者がどんどん突っ込んで答えてくれます。
・なんでそんなにお金持ちなの?物価も給与も高いの?
著者は、カルヴァンにプロテスタントに成金スイスをたどっています。
・連邦制度と直接民主主義はどうなっているのか。
年に4回も、国民が擬態に対して投票するとか、中には特に議論の内容を知ることもなく投票する人もいる、そして投票率はそこまでよくなく、50%など。
それでも、国民が発動できるレファレンダム制度は、選出された後も議員に緊張感をもたらし、直接民主主義の機能が発揮されていると言える…。
・小国なのにどうやって経済力を保っているの?
まず、スイスは銀行で有名。20世紀の戦時中も、中立国の立場を保ち、守秘義務を以って各国の資金取引がスイスに集まってきたそうです。
2013年に国際的な脱税・租税回避を防ぐ条約に署名するまでは、脱税はとくに規制対象ではなかったとか。
そして、輸出国です。化学・薬品が40%。バーゼルには、ノバルティス、ロシュなど大手製薬会社があります。
時計。製造の95%が輸出です。精密機器の発展は、ユグノー戦争に足られます。この戦争で弾圧されたフランスのカルヴァン派がジュネーブに逃げた際に、手工業技術を持ち込んだとか。
・ユーロは導入せず、強いスイスフランを使い続ける。
スイス独自の通貨、スイスフランが強いそうです。特に執筆当時かな。そしてそれが輸出産業にはよくない。
2011年9月に、スイスは、1ユーロ=1.2スイスフランを最低為替レートとして設定する、という決定をしました!
2015年1月にその上限を撤廃した…直後から一気にまたスイスフランが高騰した、らしい。 現在、1ユーロは0.95 スイス・フラン。
私が1年半前にスイスに行ったときは、ユーロとスイスフランはほぼ同じになるようになっている、って聞きましたが、
だいぶ落ち着いているのかな。
・子ども召使制度、走りませんでした。
1800年から1981年の撤廃まで、里親制度、とでもいうような、貧困家庭・離婚家庭の外国人の子どもを直訳「子ども召し使い」として養子にする、あるいは孤児院に入れる、というような制度があったらしい。これは児童労働として、救済措置が取られたりさ手ているそう。
・農業。
スイスといえば、のどかな農村景観。本当に緑の芝生にカウベル響いてました。
でも、農業人口の割合は日本より全然低いらしい。
世界戦争を背景に、1940年~45年に実施されたヴァーレン計画という農地拡大政策で、農地がほぼ2倍になったとのこと。
食料安全保障に欠かせない農家を保護するために、輸入品への高関税、輸入制限、買い取り保証などが実施され、
1999年には、関税政策から直接補助に政策が変わった。これも国民投票による決定。
先日読んだ本にも合ったけれど、とにかく農村景観は国益と位置付けられ、補助金額は今や農業予算の7割、らしい。
・ホテルとホスピタリティ
1893年にローザンヌにホテル学校ができたらしい。
19世紀ヨーロッパの観光業の黎明期の最中にあり、
このホスピタリティ産業は功を奏し、
今もローザンヌの学校はエリート養成学校として、
修了までに150万フランがかかってでも、
応募する人は絶たない。
・軍事。
もともとスイスの成立は、1291年のスイス誓約同盟から。
傭兵輸出を国策産業として、スイス貴族がヨーロッパ各国と契約し、
18世紀後半のルイ16世の窮地でも、スイス傭兵が近衛兵として仕えていたらしい。
そのフランス革命後、国民思想の広がりと共に傭兵産業は下火へ…
それでも今日は、スイス兵がバチカンを守る。唯一許されているらしい。
そして核シェルターの収容可能率は、全人口の114%。
1960年からの、各家庭に地下核シェルター設置義務は、
2012年に緩和され、最寄りの公共シェルターに家族分確保していればOKに。
欧米は割と核シェルターちゃんと持っているんだね。ノルウェー100%、などなど。
日本 0.02%はないも同然だね。
そして永世中立国の軍事は、男性の徴兵義務、女性は任意。
・アルプスの世界最長トンネル。
2016年に、17年がかりで掘ったゴッタルド基底トンネルが完成したらしい。
鉄道用。57キロ20分。世界一長いトンネルらしい。
スイスを通過するトラックで、渋滞が問題らしい。
・移民。
1999年のEUとの二カ国協定では、いろいろな分野で自由貿易等の協力に同意。
2008年のシェンゲン条約加盟で、人の移動も自由化された。
執筆当時、4人に1人外国人という。
高給労働者、低賃金労働者の双方がいるという。
そして、2014年、イギリスのEU離脱可決の裏で、
スイスもこのシェンゲン条約に異を唱えるような新法案の議論がなされていた…
この法案は、EU移民も制限する内容が入っていたが、
調べたところ、2020年に否決さてていました。
・スイス、と、日本
アルプスは、今では観光地として人気が高いですが、
もともとは危険なアルプスの峠を越えるのは、難所とされていたそう。
著者は、このスイス人と自然との共生の中に「崇高美」があり、
これが、危険や荒涼への負の感情、強い恐怖感に裏打ちされている、といいます。
畏怖の念。
スイスで美術館を訪れた際に、山の絵がたくさんあるなーと少し日本との親近感を感じました。
貨幣の展示を見たときも、手先の器用さ、精巧さに日本と似たような部分を勝手に感じた。
「日本にある無限の資源」について論じられている松下幸之助の文章も引用されていましたが、
本当に、多様な自然景観、気候、勤勉さ、清潔さ、…日本にも誇りに持てる者がたくさんある。
あまり比較にこだわらず、他国のすばらしさを知って、自分たちの素晴らしさも見いだせる視点を持っていこうと思いました。 -
Posted by ブクログ
未来がガソリン車から電気自動車に置き換わるという単純な話ではないことが、本書を読むとよく理解できる。
これについては、よくよく歴史の流れを紐解いて考えれば理解できるはずなのだ。
しかしながら、我々は生まれた時からこの車社会の環境で当たり前のように暮らしていたため、大きな変化が訪れることになかなか気付けない。
それは「地球で普通に暮らしていたら、まさかその地球が動いているなんて気が付かない」ということと似ているかもしれない。
当たり前のことに感じるが、やはり物事の事象は「点」だけで捉えてはいけない。
過去からの歴史を「流れ」として見なければ、本質が見えないのである。
この自動車・石油・エネルギーがどういう流れで今のこの状態に至ったのか?
過去を紐解くと、電気自動車の歴史は、思った以上に古いというのも驚きだ。
ポルシェ社は1900年開催のパリ万博に電気自動車を展示したらしい。
世界で初めて時速100kmを達成したのもガソリン車ではなく電気自動車で、それが19世紀だという。
それではなぜ、この約100年間、電気自動車でなく、ガソリン車やディーゼル車が主流となったのか。
もちろん技術的な優位性があるのも事実だが、それだけでは決してない。
様々な政治や利権が絡み合い、この形式に結実したのが100年間という時間軸だったと言える。
自動車が国家を代表する産業であることに全く異論はない。
日本を含めた先進国が自国で自動車を製造し、国内の物流の足となり、国内経済を活性化させていく。
さらにそこで自動車製造の技術的なノウハウを蓄積し、他国へも販売することで外貨を得ていた。
そこにはガソリンという化石燃料を使用することが前提で、石油国とも、石油会社とも足並みを揃えて世界の市場が開拓されていった。
石油はズバリ、エネルギーの源であり、今でも「電気」の生産には欠かせない材料である。
他にも原子力や水力風力太陽光など様々クリーンなエネルギー製造方法はあるが、現時点でもこの化石燃料に一定以上頼らなければ成り立たないというのが、世界の実情なのである。
この複雑に絡み合ったしがらみの中で、地球温暖化が叫ばれ、電気自動車へのシフトを強引に進めようという人たちがいる。
しかし「CO2削減は必須だ」と声高に主張したとしても、現実的には電気自動車を作るのにも走らせるのにも化石燃料で発電していては身も蓋もない。
EUがガソリン・ディーゼル車の新車を2040年にはゼロにするという宣言も、紐解いて見るとどうも辻褄が合わない点が多過ぎる。
そもそも、充電ステーションの設置が目標の2040年までに間に合うのか。
さらに、電気自動車に最も必要なバッテリー製造はEU内では行っておらず、すべて東南アジアからの輸入に頼っているというリスクをどう見積もるのか。
そしてこれもよく指摘されているが、バッテリーの材料となるコバルトやリチウムなどレアメタルの採掘については、産出国が非常に限られており、供給が確実に追い付かないことも指摘されている。
それら課題点がすでに見えている状況にも関わらず、電気自動車への流れを止めようとはなっていない。
EUの中で、ガソリン・ディーゼル車が基幹産業のドイツ政府すらも「ガソリン車を廃止する」と宣言してしまった。
ドイツ人のアイデンティティとも言えるガソリン自動車を失くすことは、国民の反発を大きく買ってしまい、後戻りができない状況になっている。
そもそもドイツ国民は電気自動車よりもガソリン車を好んでおり、税金から補助金を出そうが何をしようが電気自動車の普及が一向に進んでいないという。
そしてドイツは日本とエネルギー事情が似ており、国内の消費電力を原子力やクリーンエネルギーで賄えず、化石燃料に頼っている状態なのである。
これらの現実を正面から見てみると、電気自動車の普及を促進するのは矛盾だらけということなのだ。
一体誰の利益を考えて、話が進んでいるのだろうか?
電気自動車を進めることで、果たして誰が得をするのだろうか?
そういう部分も様子見ながら、既存の自動車メーカー各社は生き残りを懸け「戦略」という名のカードを切らざるを得ない。
歴史的に見てもドイツと中国は蜜月であると言われるが、ドイツ自動車メーカ―の今の中国依存の状況は大きなリスクを孕んでいる。
さらにそこに、アメリカと中国の対立が絡んでくる。
かつてのアメリカこそ、自動車産業の栄華を誇ったが、今やその影は薄い。
しかしながら、近い未来ではGAFAが開発する自動運転車が一発逆転で世界をひっくり返す可能性が残されている。
すべてがコンピューター化され、ネットワーク化された自動運転車は、それこそ圧倒的にGAFAなどのプラットフォーマーが有利な状況である。
人々の生活自体も大きく変化するが、産業の勢力図も大きく変わることが当然のように予想できるということだ。
アメリカの思惑、中国の動き、さらにEUやその中でのドイツの考えなどで交錯し、事態はより複雑な様相を醸し出している。
著者の言う通り、答えはそんな単純な話ではない。
本当にガソリン車が全く無くなる世界が実現したら、どうなるのだろうか。
これだけでも相当に複雑で先が読めない状態だ。
ドイツ同様に、日本国の基幹産業でもある自動車業界。
もちろん、そのまま外国の意のままに指をくわえて見ている訳にはいかない。
虎視眈々と生き残りを懸けて対策を練っている訳であるが、果たしてどうなるのか。
確かにすべてが電気自動車となり、更にそれらがすべて自動運転化されたとしたら?
生活は一変するはずであるが、それだけでは済まされないことも、我々は心に留める必要がある。
あらゆるデータはプラットフォーム企業に益々牛耳られ、AIなどを駆使して骨の髄まで活用されていく。
もしそのプラットフォームを中国企業が握ったらどうなるだろうか?
プライバシーも何もかも無いに等しいという状況になりながら、あらゆる物事は「便利だ」という名の最適化に向かっていく。
一見ユーザにとって便利に見えても、実はプラットフォーム企業がデータを利活用して益々肥え太っていくだけなのだ。
巨大企業トヨタですら、プラットフォーム企業に対して、モーターで動くおもちゃのような自動車を提供するだけの会社に成り下がってしまうかもしれない。
貧富の差は益々拡大していくことになるだろう。
そしてあらゆるデータは、本当に正しく活用されるのだろうか?
行動や嗜好の情報がすべて他人に握られたら、一体自分の身を守るにはどうすればよいのだろうか。
考えただけでも末恐ろしい未来が待っている。
しかし時計の針は止まることがない。
本当にエネルギー問題がどうなるか次第で様相は大きく変化する。
もちろん資源の採掘権をどう持つかでも変わってくる。
あまりにも変動要素が多いために、未来の予測は難しいだろう。
だからこそ現時点の正確な情報を掴んでおく必要がある。
点で見るのではなく、きちんと歴史の流れで俯瞰して見ること。
そうしないと確実に流れに乗り遅れる。
私個人は自動車産業と全く関係ない業界にいるが、対岸の火事とは到底思えない。
我々の生活そのものが大きく変わることになる。
日本が生き残るために、自分自身が生き残るために。
本書の終章は「この新経済戦争を日本は勝ち抜けるのか?」という切り口だった。
勝ち抜かなければ未来はないし、今はまだ辛うじて勝てそうな分野が残されてる。
最後は「日本頑張れ」で締めくくられているが、心の底から同意する。
何もせず、指をくわえて負ける訳にはいかないのだ。
(2023/7/12水)