藤原朝子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ経済の成長エンジンとしてのイノベーションを教育的側面から促進する考えについて述べた著書。
イノベーションを起こすためには「専門性(知識)」、「クリエイティブな思考力」、「モチベーション」が必要と言う考えのもと、現在の家庭・公的教育はそれらの能力を育む仕組みになっていないと問題提起している。
家庭教育は子供が本当に熱意を注げるものの選択肢を豊富に提供し、選択した際にはフルサポートできているか?
義務教育、高校、大学は画一的な知識のインプットだけを行い、その知識で現実の問題をどのように解決するか教えているのか?
現在の国力の低下、国民の貧富2極化を鑑みると、日本でもこの著書で述べられているような、イノベーターを育てる新しい教育方法を実践する組織をサポートし、新しい世代を育成していくことが急務だろう。 -
Posted by ブクログ
これからますます世界中で必要とされる「イノベーター」という存在をどうやったら生み出せるのか、その方法を探った一冊です。
何人かの若き「イノベーター」たちへのインタビューを通じた、生い立ちや教師・メンターとの出会いの記述が半分くらいを占めていますが、どれも面白いです。親や教師がとても特別なことをしているわけではないですが、こどもたちの好奇心や熱意をうまく引き出して自由に発展させよう、というそういった理念が、クリエーティブまたイノベーティブな若者を生み出す源泉になるんだなと感じました。
型通りにはめる、そしてgeneralistを生み出そうとする学校教育が、イノベーターと相容れない精神だというのは本当にその通りだと思う。基礎的な力をつけるということと、モチベーションを失わせないということ、この両立の難しさだなぁと思いました。
アメリカの大きな大学でも教育ではなく、研究が重要視され、教員の評価は研究重視というのがわかって、そうなんだと驚きました。次世代のイノベーティブな研究者を生み出す仕組みをどう作っていくかがこれからの世界の高等教育機関の勝負所になりそうだな、と感じました。 -
Posted by ブクログ
【学び】
イノベーター教育に必要なこと
・コラボレーション(一人でイノベーションを起こすのは無理)
・実践的(何を知ってるかではなく知っていることを応用して何ができるか)で分野横断的(工学+IT、環境、デザインとか)学習
・遊び→情熱→目的
・自分で考え決める自由を与え、決断を応援すること。特異な親と言われても譲らないこと
・スクリーンタイムの制限と知的な遊び(レゴなど)
【所感】
はっきりいって最高の書籍でした。自分はイノベーターとは言えませんが、自分の考えや生き方と学校の考えとの違和感は大変共感します。親として子供の創造性を最大限伸ばしてあげられるように、本書を携えていきたい。 -
Posted by ブクログ
とにかく共感する部分が多い本となりました。多くの人がうすうす感じているけれど、なかなか動こうとしないところをズバリと言い放つ論調は爽快です。学校教育によって、創造性への好奇心を奪われているという件は、この本のハイライトでしょう。幸いにして、その学校教育へ疑問を感じていた先生に教わった僕は、幸運だったのかもしれません。何を学ぶかは重要ではないというくだりも深いです。そういう本人は、当然のように多くの知識があり、学びを続けるという点です。イノベーターを育てるヒントが散りばめられています。時代にフィットした教育の在り方を実行していかなければならないと思います。
-
Posted by ブクログ
本としてはいまいちで、文章に引き込まれる感じがないのですが、(翻訳の問題かも?)著者の主張が今後の社会にとって極めて重要な意味をもつと思うのであえて高評価としました
いずれ計算機含む機械の能力が向上し、定型化された仕事はすべて機械に置き換えられるのは確実で、そうなるとイノベーティブな活動をする人だけが忙しく仕事をし、それ以外は機械による生産物をただ消費するだけの人になる、一見すると極めて不公平な世の中になるはず、というか実際そうなりつつある
それがいいことだと思わない人も多いがその流れは止められない
なぜならエネルギー、資源、食料は有限で世界中の人が満たされることはなく、唯一解決できるとすればイノベーションの加速しか方法がないから
それができなかったらなんらかのことで人口が激減するという不幸な結末しかない
ということでイノベーターの存在が重要なのですが、教育は真逆のことやってますよね、昔より悪くなってる
(昔が良かったのではないですよ、今がもっと悪いだけ)
この本見る前は日本特有の問題かと思ってたのですが、そうでもないようですね、複雑な心境です
本文にも触れられてましたが、本来イノベーターになるべき人材を医者と教師が発達障害とレッテルはって薬飲ませて才能を抹殺してますからね
たまたま親の努力やらメンターとなりうる大人とめぐり合った幸運な人はイノベーターとして活躍できてますが、抹殺された人の方が多いんじゃないでしょうか?
調査したわけではないので断定はできませんが
本書が主張するようにイノベーターを偶然ではなく育成する仕組みがいるのは確かなんだけど、仕組みができたらその仕組みを守るというまったくイノベーティブでない行動を取る人が現れるだろうから悩ましいところ
いずれにしてもこういうことを真剣に議論するようにならないと日本も世界も未来がないと思う
そういう意味で多くの人がこの本を読んでくれることを望みます -
Posted by ブクログ
2015年に出版された書籍を10年後である2025年に読んでみています。そして、この本は、現在(2025年11月)から10年後の世界、2035年の世界を予測したものです。当たらずとも、遠からずという印象でした。
これからのトレンドとして、個人にパワーがシフトしていくことやテクノロジーの進展による影響、人口増加、気候変動などをあげ、戦争がまた起こり得るのか?を考察しています。3章には、未来を短編小説で描き臨場感ある未来を描いています。核兵器を持つ国々の動向、生物兵器が使われる恐怖など、ネガティブな社会を描くことで、現在の人たちに警告を発しているのでしょう。本書のような未来にはなってほしくないのですが、荒唐無稽な話とは思えないほど、現実が本書に近い未来に向かっているみたいな感じがします。 -
Posted by ブクログ
Bloombergのチーフエコノミストにして、中国経済に精通した著者による、現代中国経済史の解説。
副題の通り、「なぜ中国のバブルは弾けないのか?」という疑問に答えを出す形で進む。
本書によると、現代の中国は多くの問題を抱えている。
・世界金融危機後、4兆元にのぼる巨額な刺激策により、中国経済はリセッションを乗り切ることができた。しかし、それがあまりにも長く、強く続いたため、銀行は過剰融資に、地方政府は過剰債務に陥っている。
・中国の借入残高は2004〜2008年時点はGDP比150%に過ぎなかったが、2009〜2018年の10年間は、債務レベルがGDP比254%に跳ね上がった。
世界を見回しても、これほどのペースで借金を増やした主要国はなかなか見つからない。
さらに、中国の限界資本係数(生産量を1単位増やすために必要な設備投資を示す尺度)は、2007年の3.5だったが、2017年には6.5に上昇した。
・中国の所得レベルは主要先進国に比べるとまだ伸びる余地があるのに、すでに最大限借金をしてしまっているので、高所得国に追いつくのが難しい。
また「一人っ子政策」という大規模な失策により、生産年齢人口は減少しているため、新たな成長サイクルへの方針展開を難しくさせている。
・経済発展を実現させるためには中間層を生み出す必要がある。景気低迷から脱するためにはふるびた国有部門の改革が不可欠である。
しかし、中間層は政治的な権利を要求するようになるだろう。国有部門は中国の産業政策と需要管理の要であり、かつ指導部の支持派閥の基礎であるから、この改革に手をつけられない。
上記以外にも、近隣諸国との関係悪化や、米国との貿易戦争激化、台湾問題のような火種を多く抱えている。
中国はこの20年間で巨大な市場と人口を背景とした経済成長を成し遂げてきた。
深刻な構造的問題を抱えてはいるものの、世界経済はもはや中国を無視できない。
本書は、そんな中国経済の現況をシンプルに、かつ客観的に分析した一冊である。完全なものではないものの、多くの体系的な知識を与えてくれる。
また10〜12章では、日本のバブル崩壊と韓国の金融危機をコンパクトに分析している。
中国は明らかに自分たちの政策を実行するにあたってこれらの事例を参考にしている。これらを理解しておくことは、今後の中国の方針を予測するために役に立つだろう。 -
Posted by ブクログ
ある本で紹介されていたこともあり、読んでみました。
アメリカの学校も、日本の学校と同じく、出る杭は打たれるのですね。
アメリカは、日本なんかよりも、秀でた児童・生徒に手厚いものだと勝手に思い込んでいましたが、そうではないことを知り、軽いショックを受けました。
また、アメリカの学校も、日本の学校と同様、知識の詰め込みを重視しているのですね。
それから、アメリカでも、イノベーターが育つような学校は、特別で一握りしかないのは意外でした。
ハーバード大学やMITにおいても、多くの授業や研究室は、決して、イノベーターを育てるような環境ではなく、むしろ、フィンランドの学校(高校や大学)の方が、イノベーターの育成に力を入れているのですね。
ちなみに、イノベーターを育てるための環境に関する本書の記述については、「そうかもしれない」とは思うものの、「兄弟姉妹みんな、同じような環境で育てたので、みんなイノベーターになりました」というような事例は紹介されていないことを考えると、本書の事例については、「イノベーターを育てられる可能性がある方法の一つ」ぐらいで捉えるのが無難だと思います。
そんなわけで、「イノベーターになるには、生まれ持った素質が必要だろう」という考え方をひっくり返すほどの内容ではないと思いました。
とはいえ、事例はどれも面白く、興味深く読むことはできました。