藤原朝子のレビュー一覧
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【足を踏み入れないように】既存の覇権国と新興国の間に構造的ストレスが生じることを表した「トゥキディデスの罠」について解説し,米中が同じ罠に陥らないようにするための提言をまとめた作品。過去の類例を振り返りながら,超大国関係の管理の方策を探っていきます。著者は,クリントン政権では国防次官補も務めたグレアム・アリソン。訳者は,学習院女子大学の非常勤講師を務める藤原朝子。原題は,『Destined for War』。
戦争に至る道筋を学ぶことで,結果として戦争に陥らないための道筋を選ぶことができるというアプローチが非常に新鮮。幅広さと奥深さを備える歴史的データに裏打ちされた情報が満載で,一冊で国際政 -
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英『ガーディアン』誌の移民担当記者が精力的な取材に基づいてまとめた1冊。日本語タイトルは『シリア難民』となっているが、原著タイトルは『The New Odyssey: The Story of Europe's Refugee Crisis』で内容はシリア難民に限らず、アフリカや中東のさまざまな地域からヨーロッパを目指す人々を扱っています。
全体の半分は、シリア難民のハーシム・スーキさんがヨーロッパを目指す道のりを著者が取材したものでとても臨場感にあふれています。同じEU圏内でも難民への対処は本当に国ごとに大きな違いがあり、永住権や華族の呼び寄せ可否などさまざまなファクターを加味して -
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ネタバレ経済の成長エンジンとしてのイノベーションを教育的側面から促進する考えについて述べた著書。
イノベーションを起こすためには「専門性(知識)」、「クリエイティブな思考力」、「モチベーション」が必要と言う考えのもと、現在の家庭・公的教育はそれらの能力を育む仕組みになっていないと問題提起している。
家庭教育は子供が本当に熱意を注げるものの選択肢を豊富に提供し、選択した際にはフルサポートできているか?
義務教育、高校、大学は画一的な知識のインプットだけを行い、その知識で現実の問題をどのように解決するか教えているのか?
現在の国力の低下、国民の貧富2極化を鑑みると、日本でもこの著書で述べられているよ -
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これからますます世界中で必要とされる「イノベーター」という存在をどうやったら生み出せるのか、その方法を探った一冊です。
何人かの若き「イノベーター」たちへのインタビューを通じた、生い立ちや教師・メンターとの出会いの記述が半分くらいを占めていますが、どれも面白いです。親や教師がとても特別なことをしているわけではないですが、こどもたちの好奇心や熱意をうまく引き出して自由に発展させよう、というそういった理念が、クリエーティブまたイノベーティブな若者を生み出す源泉になるんだなと感じました。
型通りにはめる、そしてgeneralistを生み出そうとする学校教育が、イノベーターと相容れない精神だというのは -
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【学び】
イノベーター教育に必要なこと
・コラボレーション(一人でイノベーションを起こすのは無理)
・実践的(何を知ってるかではなく知っていることを応用して何ができるか)で分野横断的(工学+IT、環境、デザインとか)学習
・遊び→情熱→目的
・自分で考え決める自由を与え、決断を応援すること。特異な親と言われても譲らないこと
・スクリーンタイムの制限と知的な遊び(レゴなど)
【所感】
はっきりいって最高の書籍でした。自分はイノベーターとは言えませんが、自分の考えや生き方と学校の考えとの違和感は大変共感します。親として子供の創造性を最大限伸ばしてあげられるように、本書を携えていきたい。 -
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とにかく共感する部分が多い本となりました。多くの人がうすうす感じているけれど、なかなか動こうとしないところをズバリと言い放つ論調は爽快です。学校教育によって、創造性への好奇心を奪われているという件は、この本のハイライトでしょう。幸いにして、その学校教育へ疑問を感じていた先生に教わった僕は、幸運だったのかもしれません。何を学ぶかは重要ではないというくだりも深いです。そういう本人は、当然のように多くの知識があり、学びを続けるという点です。イノベーターを育てるヒントが散りばめられています。時代にフィットした教育の在り方を実行していかなければならないと思います。
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本としてはいまいちで、文章に引き込まれる感じがないのですが、(翻訳の問題かも?)著者の主張が今後の社会にとって極めて重要な意味をもつと思うのであえて高評価としました
いずれ計算機含む機械の能力が向上し、定型化された仕事はすべて機械に置き換えられるのは確実で、そうなるとイノベーティブな活動をする人だけが忙しく仕事をし、それ以外は機械による生産物をただ消費するだけの人になる、一見すると極めて不公平な世の中になるはず、というか実際そうなりつつある
それがいいことだと思わない人も多いがその流れは止められない
なぜならエネルギー、資源、食料は有限で世界中の人が満たされることはなく、唯一解決できるとすれ -
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Bloombergのチーフエコノミストにして、中国経済に精通した著者による、現代中国経済史の解説。
副題の通り、「なぜ中国のバブルは弾けないのか?」という疑問に答えを出す形で進む。
本書によると、現代の中国は多くの問題を抱えている。
・世界金融危機後、4兆元にのぼる巨額な刺激策により、中国経済はリセッションを乗り切ることができた。しかし、それがあまりにも長く、強く続いたため、銀行は過剰融資に、地方政府は過剰債務に陥っている。
・中国の借入残高は2004〜2008年時点はGDP比150%に過ぎなかったが、2009〜2018年の10年間は、債務レベルがGDP比254%に跳ね上がった。
世界を -
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Posted by ブクログ
ある本で紹介されていたこともあり、読んでみました。
アメリカの学校も、日本の学校と同じく、出る杭は打たれるのですね。
アメリカは、日本なんかよりも、秀でた児童・生徒に手厚いものだと勝手に思い込んでいましたが、そうではないことを知り、軽いショックを受けました。
また、アメリカの学校も、日本の学校と同様、知識の詰め込みを重視しているのですね。
それから、アメリカでも、イノベーターが育つような学校は、特別で一握りしかないのは意外でした。
ハーバード大学やMITにおいても、多くの授業や研究室は、決して、イノベーターを育てるような環境ではなく、むしろ、フィンランドの学校(高校や大学)の方が、イノベー