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Posted by ブクログ
Bloombergのチーフエコノミストにして、中国経済に精通した著者による、現代中国経済史の解説。
副題の通り、「なぜ中国のバブルは弾けないのか?」という疑問に答えを出す形で進む。
本書によると、現代の中国は多くの問題を抱えている。
・世界金融危機後、4兆元にのぼる巨額な刺激策により、中国経済はリセッションを乗り切ることができた。しかし、それがあまりにも長く、強く続いたため、銀行は過剰融資に、地方政府は過剰債務に陥っている。
・中国の借入残高は2004〜2008年時点はGDP比150%に過ぎなかったが、2009〜2018年の10年間は、債務レベルがGDP比254%に跳ね上がった。
世界を見回しても、これほどのペースで借金を増やした主要国はなかなか見つからない。
さらに、中国の限界資本係数(生産量を1単位増やすために必要な設備投資を示す尺度)は、2007年の3.5だったが、2017年には6.5に上昇した。
・中国の所得レベルは主要先進国に比べるとまだ伸びる余地があるのに、すでに最大限借金をしてしまっているので、高所得国に追いつくのが難しい。
また「一人っ子政策」という大規模な失策により、生産年齢人口は減少しているため、新たな成長サイクルへの方針展開を難しくさせている。
・経済発展を実現させるためには中間層を生み出す必要がある。景気低迷から脱するためにはふるびた国有部門の改革が不可欠である。
しかし、中間層は政治的な権利を要求するようになるだろう。国有部門は中国の産業政策と需要管理の要であり、かつ指導部の支持派閥の基礎であるから、この改革に手をつけられない。
上記以外にも、近隣諸国との関係悪化や、米国との貿易戦争激化、台湾問題のような火種を多く抱えている。
中国はこの20年間で巨大な市場と人口を背景とした経済成長を成し遂げてきた。
深刻な構造的問題を抱えてはいるものの、世界経済はもはや中国を無視できない。
本書は、そんな中国経済の現況をシンプルに、かつ客観的に分析した一冊である。完全なものではないものの、多くの体系的な知識を与えてくれる。
また10〜12章では、日本のバブル崩壊と韓国の金融危機をコンパクトに分析している。
中国は明らかに自分たちの政策を実行するにあたってこれらの事例を参考にしている。これらを理解しておくことは、今後の中国の方針を予測するために役に立つだろう。
Posted by ブクログ
「国際金融のトリレンマ」とは国際金融政策では固定相場制と、資本の自由な移動と、独立した金融政策の三つは同時に実現できないとされている。
資本は最も大きなリターンを得られる場所に移動するから、資本の国際移動を認めている国は、FRBと一致する金融政策をとるか、変動相場制を受け入れなければならない。
「シャドーバンキング」=銀行が簿外の投資会社を管理、支援し、それを通じて融資すること。
銀行のバランスシートから切り離すことができるため、中央銀行の制限をうけない
サプライサイド改革=レーガンやサッチャーがとった、減税と規制緩和によって成長を喚起する政策。
小さな政府によって民間のダイナミズムを解き放つやり方。
中国のやり方は逆に政府の介入を大幅に増やす。
不動産会社や重工業会社のバブルがなぜ弾けなかったのか。
政府が介入し、スラムの取り壊しやその住民に補助金を与え、住み替えを促した。
また住宅ローン融資を拡大し大量に販売する銀行を高く評価した。
また誰が住宅を購入できるかは、それぞれの街の受託在庫によって調整された。
また政府による鉄鋼、石炭会社の統廃合を押し進めた
2016年デレバレッジに対処するために、「マクロプルーデンス評価」を取り入れた。
「マクロプルーデンス」=金融システム全体のリスクの状況を分析・評価し、それに基づいて制度設計・政策対応を図ることを通じて、金融システム全体の安定を確保するとの考え方。
ルールを破った銀行は処罰される。ルールを守った銀行は褒美を与えられる
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