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“最強の隣国”を正しく恐れよ――。嫌中的な風潮には閉口しつつも、中国および中国共産党への驚異を日々感じている「良識派」に贈る最良の中国経済入門。ブルームバーグのアジア・チーフエコノミスト、WSJ北京支局特派員を歴任した著者が10年間の取材と分析をもとに記す、世界一の資本主義国家の強さの秘密とは?
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Posted by ブクログ
中国経済論としてBest書 情報量と整理が傑出 経済政策の実績評価→政治登用 実績主義で明解 日本より経済至上主義 日本のアベノミクスは「呪術」 中国の方が遙かに「国家戦略志向」 合理性と科学性 鄧小平の偉大さ 経済改革 晩年も偉大 毛沢東との違い WTO加盟2001年が更なる変革の契機 ①国有企業...続きを読む ②銀行 人民銀行周総裁 2%の元高へ マンデル・フレミングモデル 理論家 米国は貿易赤字を支払えない 米国債が積み上がる 中国売却=日銀購入 結局、日本は米国の属国として金融を支える義務→いつまで続けられるか
Bloombergのチーフエコノミストにして、中国経済に精通した著者による、現代中国経済史の解説。 副題の通り、「なぜ中国のバブルは弾けないのか?」という疑問に答えを出す形で進む。 本書によると、現代の中国は多くの問題を抱えている。 ・世界金融危機後、4兆元にのぼる巨額な刺激策により、中国経済は...続きを読むリセッションを乗り切ることができた。しかし、それがあまりにも長く、強く続いたため、銀行は過剰融資に、地方政府は過剰債務に陥っている。 ・中国の借入残高は2004〜2008年時点はGDP比150%に過ぎなかったが、2009〜2018年の10年間は、債務レベルがGDP比254%に跳ね上がった。 世界を見回しても、これほどのペースで借金を増やした主要国はなかなか見つからない。 さらに、中国の限界資本係数(生産量を1単位増やすために必要な設備投資を示す尺度)は、2007年の3.5だったが、2017年には6.5に上昇した。 ・中国の所得レベルは主要先進国に比べるとまだ伸びる余地があるのに、すでに最大限借金をしてしまっているので、高所得国に追いつくのが難しい。 また「一人っ子政策」という大規模な失策により、生産年齢人口は減少しているため、新たな成長サイクルへの方針展開を難しくさせている。 ・経済発展を実現させるためには中間層を生み出す必要がある。景気低迷から脱するためにはふるびた国有部門の改革が不可欠である。 しかし、中間層は政治的な権利を要求するようになるだろう。国有部門は中国の産業政策と需要管理の要であり、かつ指導部の支持派閥の基礎であるから、この改革に手をつけられない。 上記以外にも、近隣諸国との関係悪化や、米国との貿易戦争激化、台湾問題のような火種を多く抱えている。 中国はこの20年間で巨大な市場と人口を背景とした経済成長を成し遂げてきた。 深刻な構造的問題を抱えてはいるものの、世界経済はもはや中国を無視できない。 本書は、そんな中国経済の現況をシンプルに、かつ客観的に分析した一冊である。完全なものではないものの、多くの体系的な知識を与えてくれる。 また10〜12章では、日本のバブル崩壊と韓国の金融危機をコンパクトに分析している。 中国は明らかに自分たちの政策を実行するにあたってこれらの事例を参考にしている。これらを理解しておくことは、今後の中国の方針を予測するために役に立つだろう。
海外著の訳本。量も内容も読み応えがある。 欧米から見たアジア社会についての本は興味深い。 なかでも中国は、存在を無視することかできない国であり、なぜつまずくことなく成長し続けているのか、疑問でもあった。 もちろん一党集権国家であることがポイントではあるが、その強みは、社会を成長させることよりも...続きを読む、経済が危機になったときでもかなり強引な方法ででも走らせ続けられることにあるのではと思った。 為替のコントロールしかり、補助金産業しかり、株価操作(暴落時の報道規制)しかり。
何故かクラッシュしそうでそうならない中国経済の謎を解説する。 米国、日本の失敗から多くを学び、バブルやアメリカとの貿易摩擦への対応を上手くこなしている。 国内の市場規模が非常に大きい事、法規、国民の声を無視して政策を進める事が出来る事が、うまく対応出来た一因のようだ。 米国の強引な中国の押さえ込みは...続きを読むいかがなものかと思うが、このままでは世界経済が飲み込まれてしまう。そして、誰も中国を止められなくなる!
「国際金融のトリレンマ」とは国際金融政策では固定相場制と、資本の自由な移動と、独立した金融政策の三つは同時に実現できないとされている。 資本は最も大きなリターンを得られる場所に移動するから、資本の国際移動を認めている国は、FRBと一致する金融政策をとるか、変動相場制を受け入れなければならない。 「...続きを読むシャドーバンキング」=銀行が簿外の投資会社を管理、支援し、それを通じて融資すること。 銀行のバランスシートから切り離すことができるため、中央銀行の制限をうけない サプライサイド改革=レーガンやサッチャーがとった、減税と規制緩和によって成長を喚起する政策。 小さな政府によって民間のダイナミズムを解き放つやり方。 中国のやり方は逆に政府の介入を大幅に増やす。 不動産会社や重工業会社のバブルがなぜ弾けなかったのか。 政府が介入し、スラムの取り壊しやその住民に補助金を与え、住み替えを促した。 また住宅ローン融資を拡大し大量に販売する銀行を高く評価した。 また誰が住宅を購入できるかは、それぞれの街の受託在庫によって調整された。 また政府による鉄鋼、石炭会社の統廃合を押し進めた 2016年デレバレッジに対処するために、「マクロプルーデンス評価」を取り入れた。 「マクロプルーデンス」=金融システム全体のリスクの状況を分析・評価し、それに基づいて制度設計・政策対応を図ることを通じて、金融システム全体の安定を確保するとの考え方。 ルールを破った銀行は処罰される。ルールを守った銀行は褒美を与えられる
奇妙な国、中国。政府が操作する金利に甘んじていた銀行群。 都市部の話ばかりが取り上げられているが、貧困が続く地域がまだあるのかそこが知りたい。
「中国が失敗することにかけるのは、中国がいかに問題を解決するのがうまいかを無視する行為だ。中国がこれまでチャンスを見出したりチャンスを掴んだりすることに成功してきた。事実も無視している。」315ページ ということです。結論は。はぁそうですか。まぁそうだよね、という他ない。 超要約するとこういうこと...続きを読むかしら。 中国は問題を解決するのがうまいので失敗しない。中国はこれまでチャンスを見出し、掴んできた。だからバブルは弾けない。
一党独裁だから地方政府が中央の期待以上に頑張っちゃって悪い方向(インフレ、クラウディングアウト、供給過剰)に向かうのがイメージどおりだった。 あと中国当局は日本のバブル崩壊とかアジア金融危機をすごく強く意識してるんだなって
中国経済を5つのサイクルにわけて、その変遷を説明する本です。 各所でバブルが生まれながらも、それをいかに制御してきたか、ということに触れています。 大きな歪みも、経済成長さえあれば、どうにかなってきたわけですが、この先はどうなるか。
この本のここがオススメ 「シャドー融資というと、質屋やピア・ツー・ピア金融や後ろ暗い金融機関を想像しがちだが、実際には、中国のシャドー融資のほとんどは、銀行によって行われている」「シャドーバンク(一般に信託会社か資産運用会社)を中間に入れて、銀行は迂回融資を図る」
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中国経済の謎―なぜバブルは弾けないのか?
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トーマス・オーリック
藤原朝子
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