速水健朗のレビュー一覧
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食べ物という非常に身近なことから政治や社会へと思考させてくれる。
他のジャンルも右と左であえてマッピングしてみるのも面白いかもしれないと思った。
すぐに浮かんだのが新聞であった。日経が160円、朝日150、毎日140、読売130、産経110になる。日経は別として左寄りと言われる2紙が右寄りと言われる2紙より高い。
思想としての右と左、右は保守、左はリベラルと言われる。保守って何だ、リベラルって何だということを問い始めるときりがない。とりあえず経済思想的に区分けすると右は新自由主義的というか経済重視の思想であり、左は福祉や再分配重視と言える。
階層で区分けすると、右は中間層から富裕層、左は貧 -
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ネタバレ面白いっちゃ面白いけど、「つくられた伝統」なんて日本に限らずどこでもそうだし、だから言おうと思えばなんでも「国粋主義」とか「ナショナリズム」とか言えるわけだけど、単にそれを「ラーメン」と結びつける組み合わせの面白さってだけじゃないの、という気もした。
須藤元気を事例に「ナショナリストで多文化主義」っていうのは、もっと拡げて書いて欲しかったなーと思いました。そういう例を逆説的に捉えれば「地元のアイデンティティを否定して、多文化主義を肯定するリベラルの振る舞いは、マイノリティのナショナリズムや民族主義を肯定して、マジョリティの文化を否定する、マイノリティ側の排外主義」とも言える。まさに、そういう -
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1995年は現代史において、象徴的な年である。戦後50年という節目であるとともに、この年に起こったことを列挙するとその前後の時代の分岐点となっている。
・阪神・淡路大震災
・地下鉄サリン事件
・オウム真理教への一斉捜査
・東京と大阪ではタレント知事が誕生
・村山政権、新進党の躍進、社会党分裂
・デジカメ、PHS、Windows95、プレステ発売
・WTO発足
・イスラエル・ラビン首相暗殺
・ロッキード事件結審・アメリカ-ベトナム国交正常化
・イチローの活躍と野茂の渡米
・若貴兄弟による千秋楽優勝決定戦
・小室系サウンド・Mr.Childrenの大流行
この年に大震災とオウム事件という、世の -
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僕は筆者より少し年上だけど、まあ同世代といっていいだろう。1995年という年が様々な転機であった、ということを、ジャンルを分けて描いている。冒頭に「最低限、懐古趣味を満足させる」という姿勢が表されている。一読すると、1995年前後にあったことが羅列されていて、まさに懐古趣味の満足だなあ、と、それはそれでよいのだけれど、もう一度目次を眺めてみる(僕は普段目次をあまり見ない)。政治、経済、国際情勢、テクノロジー、消費・文化、事件・メディア、というカテゴリー。当時の自分はどのカテゴリーに関心を示していて、今とはどう違うのか。
本書への期待を、考察ではなく自分の変化を追う、ということに移してみると、な -
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1995年とは、いったいどのような年だったのか。
そう問うとき、「日本の転換点である」と答えて、おそらく大きく外れることは無いだろう。
しかし、果たして具体的にどのような意味で?阪神・淡路大震災、オウム真理教の一連の事件、ウィンドウズ95、エヴァンゲリオン、二信組事件、「新時代の「日本的経営」」…枚挙に暇が無い出来事が、確かにこの年には起きた。それらは現在まで、どのようなかたちで尾を引いているのか。本著は1995年という一年を「横に」読もうという、今までありそうでなかった挑戦と言えるかもしれない。
ただ本著だけで「1995年が転機の年であるという固定観念を外す」というのは、難しい。
本著が1 -
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個人的なことを書くと、1995年は高校を卒業した年。なんともう18年も経つのか・・・。
確か1月に大学入試センター試験で思ったとおりにいかずに起きたのが阪神大震災だった。そして、その2ヵ月後、大学受験に失敗し浪人生活が決定したときに起こったのが地下鉄サリン事件だった。
確かに、1995年は著者が言う「転機の年」だったことは否めない。しかしながら、本著は転機の年と断言とする考察に乏しく、こうした事件を書いているだけ、という印象は拭いきれなかった。
あとがきに書いてあった「『1995年』はバブルの時期からたった5.6年あとの世界でしかない。一方、2013年の現在からは、18年も前である。とはいえ、 -
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正直あんまり内容はなかったと思う。
ただ面白いのは今の20歳の若者が18年前の1995年にタイムスリップしてもおどろかないだろうと。それは1995年が携帯もそれなりにコンパクトだし、ネットも一応ある。バブルのジュリアナじゃないけど、ファッションも違和感がない。女性の眉毛もこれ以前は太いけど、1995年は細眉のはじまり。イチローはいるし、ガキの使いあらへんで!を見れる。安室もいる。違和感があるとすれば、スタバが日本にないくらいだと。それだけ1995年は時代の転換期だったという内容。
確かに1995年はいろいろあった。
阪神大震災、野茂ドジャースへ、地下鉄サリン、知事に青島とノック、テレサテン死 -
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ラーメンを題材に戦前から戦後にかけて主に日本の食文化の変遷、日本人のナショナリズムの変化に関して言及した一冊。歴史の変化とその変化が現代にどう影響されていたか簡潔に整理されて読みやすかった。
印象に残った点
日本の食文化のルーツは黒船来航以前は中国、それ以降はアメリカから輸入されるようになった。そんな中、ラーメンは中国発信の食であり、呼び方も支那そば、中華そば、ラーメン、今ではつけ麺と呼ばれるように変化した。変化過程で、日本は輸入したものを自国オリジナルのものに落とし込むことを得意とする国である。
ラーメンを独自なものにする中で、戦後ご当地ラーメン、テレビ特集が組まれるが、ご当地ラー -
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僕の住む浜松は郊外型ショッピングモールが出店し、駅前の百貨店は撤退し、再開発に着手したようでどうも上手くいっていない、そんな町です。そこに昨日、ディズニーのパレードがやってきました。
ウォルト・ディズニーがアニメ制作で揉めてテーマパークを始め、そして理想の都市をつくりたかったようだけど、ディズニーのそれは開拓(ある種の侵略)だったり、中が理想なら外はいいのだ、というものにも当然見えてしまいます。そういう「内部の理想」が「外部」に飛び出してくるとは、出てくる側も受け入れる側も、さぞ勇気が必要だったでしょう、などと思うのですが、これ、本書の内容とほとんど関係ないですね。ディズニーにもモールにも、僕 -
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主に海外におけるショッピングモールの歴史を紐とぎながら
都市開発の一環として進められる「ショッピングモーライゼーション」を解説。。
むしろ、「シザーハンズ」「ゾンビ」「ターミネーター2」などの
ショッピングモールや、ショッピングモールのような街を舞台とした映画を
違って視点で解説してくれるところは面白い。
特に、「ゾンビ」に関しては、ゾンビになってもモールに集まってくる。
「人は死んでも消費し続ける生き物」の象徴と示している、と。
タイトルにある「ディズニーの夢」。
ディズニーは、最終的にテーマパークだけではなく、
病院や生活、消費、交通のみならず、電気やガスなどを含めた
インフラを提供