速水健朗のレビュー一覧
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今、日本人は食をめぐって大きく二つに分かれている。自然志向、健康志向の「地産地消」「スローフード」的な食を好む人々を“フード左翼”、コンビニ食や冷凍食品、ファストフードといった「グローバル」「ジャンクフード」といった食を好む人々を“フード右翼”と置き、日本人の食をマッピングすることで新しい社会や階層、政治思想を明らかにする。
面白いと感じたのは、どんな食べ物を好み、毎日何を選んで食べているかという食べ物の志向にその人の主義思想が表れるという点、そして食べる物によってその人を左翼・右翼に分けてしまおうとする点である。本書ではフード左翼に重きを置いて解説されていた。私自身は食を通した健康に興味が -
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タイトルだけ見ると自然派食品を好むフード左翼と
ジャンクフードを好むフード右翼を軽いノリで分析しちゃおう
というような本かと思っていたのですが
我々が毎日行っている食という消費が
実は個々人のイデオロギーにも通じているのだという
非常に興味深い議論をしている面白い本でした。
私も著者が本を執筆し始めた当初に感じていたであろうのと同様に
気取ったフード左翼に嫌悪感を感じているのが正直なところなのですが
そんな簡単なものではないのだと考えさせられました。
しかし、食なんてものが政治と何の関係があるのかと
思っていましたが有機栽培などの源流が学生運動や
ヒッピー文化など本物の左翼のようなところか -
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阪神大震災とオウム事件のインパクトがありすぎる1995年だが、バブルがはじけ始めた年でもあった。これまでの上へ上へと目指す世の中を脱し、シンプルな生活の良さを見つめ直された。その流れは現代にもつながっている。だから、1995年は数年前のバブル期よりも、その20年後の「今」に近い時代であった。
特に象徴的なのが、ウインドウズ95の発売。インターネットというものが身近になり、その可能性が認識されたという点では、なるほど現在とのつながりは深い。インターネットは情報や娯楽を目の前のパソコンだけで完結させてしまう。新聞も雑誌も店舗も電話も手紙も不要にしてしまう。そして、お金がかからなくなる。それが脱バ -
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タオル巻き&作務衣姿のラーメン店主、みつを風書体のお品書き、ご当地ラーメン、ジロリアン……
このあたりのラーメン現象を、メディアが意図的に作り上げたと批判するのではなく、そこも全部知った上で『日本文化』として消費されていくことを浮き彫りにしていく展開にわくわく。一気読みです。
ラーメン独特の文化の変遷から社会を読みとくということでイロモノ本かと思ったら大間違い!
インスタントラーメンの発明・受容、高度経済成長、地方の観光誘致作戦など、ラーメンと社会の関係は切手も切り離せないということがよーくわかりました。
確かに、この世の中で単価がキープされてるのってラーメンくらいかも…… -
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政治、経済、文化そして日本を揺るがした震災やテロ。様々な分野で”日本の転換点”とされる1995年を細かく読み解く1冊。
95年は自分は小学生。震災とサリンの記憶しかなかったが、この本を読んでくと、Windowsだったり、浜ちゃんと小室コラボのヒットだったり、様々な事象が自分にも思い出されて面白かった。
歴史の上ではこうした”転機の1年”が少なからず存在するんだろう。その1年に起こった出来事がその後の社会の在りようを変えていく、ということを、どう意識できるんだろう、と考えた本だった。
現代もその転換点にいると感じる。意識して生きよう。ありがとう。 -
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阪神大震災では岡山と広島の県境でも少し揺れた。
学校に行くとみんなあの揺れで起きたみたいな話があって「あれで起きないバカいるのかよ」みたいなことを言ったら美術の先生が起きなかったけどなにか?みたいな返しをした記憶。
オウムもテレビの中でだけ、地下鉄サリンのサリンもだけど地下鉄なんかなかったし乗った事なかったからイメージが沸かなかった。そのぐらいに東京は遠かった。
エアマックス95の実物はあの年に見ただろうか? 結局あの95年に出たエアマックス95やエアフットスケープやエアズームフライトなんかの実物を見たり買えるようになったのはその数年後だった。エアマックスとGショックのプレミアム化で自分の欲し